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前回お話しした分詞構文は、大きく分けて、主文より先に、すなわち副詞節として訳すべきものと、結果の分詞構文のように主文の後に訳すべきものがあります。この判断を誤ると意味が大幅にずれますので、自分の解釈で意味が通じないときは、訳す順序を変えることを試みてください。 今回は不定詞構文およびそれと関係の深いso that構文などのお話です。この場合も、前から訳すか、後ろから訳すか、すなわち不定詞を、結果を表すものとして扱うか、それとも目的を表すものとして扱うかが最大の問題です。 to不定詞の副詞的用法は次のような前置詞句や副詞節と対応しています。この対応関係を利用すると、訳しやすい別の形を使ってうまく訳すことができます。 for ≡ (so as) to ≡ so that for (the purpose of) ≡ (in order) to ≡ in order that 文頭の不定詞 不定
はじめに 今回は、助動詞についてお話しします。各助動詞の意味、用法には様々なものがありますが、実務翻訳で使われるものは、会話などに比べると限られています。それでも may など皆さん手こずっておられるようです。助動詞を含む文を訳すには、筆者がどういう意図でそれを使っているのかを理解することが大事です。それが分かれば、助動詞を直接訳さずに済ませることもあります。 will will は普通、単純未来の意味で使われます。つまり、これから先の動作などを表します。日本語の未来表現には「だろう」「ろう」などの形もありますが、「であろう」が一番穏当なようです。 ●例文1
はじめに 前回は関係詞の話をしました。やはり前から訳すか後ろから訳すかが訳し方の主な問題でした。実は、関係詞がもう一つあります。as です。as には様々な用法があり、関係詞としても訳し方が難しい用法が二三あるので、ここで接続詞の用法も含めてまとめて扱うことにします。 比較のas まず簡単なものから始めますと、as ~ as は誰でも知っている表現ですが、as many as は「~と同数の」、as much as は「~と同量の」という訳し方を覚えておくと便利です。例文2のような倍数表現もよく出てきます。最初の as の前に twice、thrice、ten times などが付くものです。 ●例文1 One grandchild of the pure white fantail and pure black barb was of as beautiful a blue colour
はじめに 今回は、数量表現についてお話しします。例によって、誤りやすい表現、辞書だけではわかりにくい表現などを紹介します。 数を表すのに一般に用いられる形容詞 a few、some、several、many は、御承知のようにこの順番に多くなりますが、具体的にいくつぐらいを意味するかは状況によっても個人によっても異なるようです。a few は一桁の前半、 some は一桁の真ん中ぐらい、several は一桁の後半の数を指すというのが普通の理解で、一般的な訳語は、a few 「少数の、二三個の」、some 「いくつかの、数個の」、several 「いくつかの、複数の」、many 「多くの」あたりでしょうか。 ただし、several は十以上の数も含むと言う意見もあり、一般的に十数個、数十などの概数は、正確に対応する表現がなかなか見つかりません。十数個については、a dozen、teens
はじめに 今回は、機能語編の最初として並立接続詞 and と or のお話をします。私は講習会などでよく and の話だけで丸一日かかると話しますが、この簡単なテーマでもそんなに沢山の内容があるのです。まず、英語の and や or は、名詞を始めとする単語、句、節、文をつなぐことができます。 つなぐべき語句が沢山ある場合は、A, B, C and D と最後の語句の前にだけ and を入れます。このスタイルは、現在は英語その他のヨーロッパ語だけでなく、新しく文章語が成立したアジア・アフリカの多くの言語でも採用されています。その場合、普通は C の後にコンマを入れませんが、実務文では関係をはっきりさせるためにコンマを入れることもよくあります。or も全く同じです。 日本語でも、名詞をつなぐ場合は「A、B、C(、)およびD」「A、B、C(、)またはD」とそのまま訳すことができます。これが訳し
今回は分詞構文のお話です。副詞節や形容詞節の代りに分詞構文がよく使われますが、その機能・意味・修飾関係は訳者が補わなければなりません。 漢文で「而」という字がよく出てきたのを覚えていますか。これには「にしてand(at the same time)、しこうしてthus、しかもin addition、しかるにon the contrary、しかれどもnevertheless」などいろんな読み方がありましたね。これは、訓読の際に個々の意味を考えて訳し分けたためで、而の字自体は単に接続を表すだけです。 日本語にも似た働きをする表現があります。たとえば、連用形+テの形は、普通は「左手で鞄を抱えて、右手で吊革にぶら下がっていた」など並列または継起、すなわちandの意味ですが、「手をつないで歩きました」は付帯状況を表しています。「昨日は風邪を引いて会社を休みました」は明らかに理由を表すもので、問い直せ
はじめに 受身文と名詞構文の多用が、英文の科学技術文献の二大特徴であるといわれています。その他にも、関係文や不定詞、so that 構文など、前から訳すかそれとも後ろから訳すか、一文を訳す際に方針を決めなければならない構文が沢山あります。本講座では、まずこのような各種構文について、どのような訳し方があり、どのように方針を選択すればよいかについてお話しします。その最初に、今回は、受身および関連する問題について取り上げます。なお以下では、動詞の形をいう場合は「受動」の語を使用し、「受身」の語は広い意味で使うことにします。 英語の受動形の特徴 科学技術文献を始めとして硬い文章で受動形を多用するのは、実は英語だけでなく西欧各国語でよく見られることで、ラテン語の語法の影響と思われます。しかし英語では他の西欧語以上に受動形が頻繁に使われます。実は英文の受動形では、次のようなものが区別できます。 通常文
特許翻訳の特徴 特許翻訳は難しいでしょうか。一般翻訳者に特許翻訳を勧めても、以前は、内容が難しそうだとか、特殊な体裁を覚えるのが厄介だとか、尻込みする人がよくありました。最近は、特許翻訳が実務翻訳の有力な一分野として喧伝され認識されてきたため、抵抗は少なくなってきたようですが。私は、特許翻訳のオリエンテーションをする際、「いや、技術論文がきちんと訳せれば大丈夫ですよ。いろんな約束事はありますが、何回かやれば覚えられます。大事なのは技術文の翻訳能力です。」といつも言います。現に、研究方向にちょっと書き足して体裁を付けただけの、場合によってはそれすらもほとんどしていない明細書も、コンピュータやバイオ関係ではよく見られます。本質的に科学技術論文のバリエーションであるというのが、特許明細書の特徴の一つです。なんと言っても特許出願の対象はそれぞれの分野での先端技術であるため、技術に関心のある人には、
第1回 翻訳上達の鍵 十年余のフリーの翻訳生活の後、現在の会社で十余年、主に特許和訳のチェッカーをして大勢の翻訳者の訳文を見てきましたが、誤訳の多くは決まったパターンに属するもので、慣れてくると何をどう誤ったか... 第2回 受身の話 受身文と名詞構文の多用が、英文の科学技術文献の二大特徴であるといわれています。その他にも、関係文や不定詞、so that 構文など、前から訳すかそれとも後ろから訳すか、一文を訳す際に方針を決めなけ… 第3回 名詞構文の話 前回は受身の話をしましたが、要は、原文が受動形で書いてあっても、必要なら能動形その他の形で訳すということです。今回は英文科学技術文の第2の特徴である名詞構文についてお話しします。名詞構文とは…
connect と類義語 connect の基本的意味を考えてみると日本語の「つなぐ」とほぼ一致するようです。ただし「つなぐ」は俗語的すぎるので文章語では避けるべきです。電気や通信などで線でつなぐのを「接続」と言い、機械でよく用いられる太さのある連結部で基本的に剛性につなぐのを「連結」と言います。ただし、複合語になると、connecting shaft 連結軸(ポンプ) connecting rod 連接棒(機械) connection road 連絡道路(土木) connecting portion つながり部(ねじ加工) connection box つなぎ箱(機械) connection 結線(電気) connection angle 接合山形鋼(建築) connecting corridor 渡り廊下(建築)など、 分野によってさまざまな訳語が付けられており、これら学術用語やJIS
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