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Google に限らず、多くの組織では、仕事のかなりの部分をチームによる共同作業で進めています。チームは真の成果を生み出す最小の単位で、画期的なアイデアが生み出され評価される場です。従業員はほとんどの仕事をチームの一員として行います。しかし、チームの対人関係に問題が生じたり、メンバーのスキルが適切でなかったり、あるいはチームとしての目標が明確でなかったりすると、生産性の低下やメンバー間の摩擦が生まれるといった問題が生じかねません。 Google のピープル アナリティクス チームは、「Project Oxygen」というリサーチ プロジェクトによって、「優れた上司の条件」を突き止めることに成功しました。このプロジェクトの成功を受けて、Google の研究者はその後、Google 社内で効果的なチームの特徴を明らかにするため、同じ手法を用いて新たなリサーチを実施しました。アリストテレスの言葉
「働く」をもっと良いものに。Google re:Work(リワーク)は、グーグルをはじめとするさまざまな組織の働き方の先進事例、研究、アイデアを集めたウェブサイトです。 Google re:Work について
構造化された面接とは、簡単に言えば、同じ職務に応募している応募者に同じ面接手法を使って評価するということです。構造化面接を行うと、応募した職務自体が構造化されていない場合でも、応募者のパフォーマンスを予測できるという調査結果があります。Google では構造化面接を採用しています。つまり、すべての応募者に同じ質問をして、同じ尺度で回答を採点し、事前に決められた一貫した採用要件に基づいて採用を決定しています。 では、構造化面接の質問を使う組織があまり多くないのはなぜでしょうか。実は、質問を作成するのが難しいのです。構造化面接の質問は、記述してテストする必要があります。また、面接担当者が他の質問をしないように指導する必要もあります。さらに、同じ質問が何度も出されると予想した応募者同士が、情報を交換してすべての回答を用意してこないように、質問を絶えず更新する必要があります。別の調査によると、構造
数々の研究により、目標を定めて取り組むと、従業員のパフォーマンスを改善できることが明らかとなりました。さらに、目標の難易度を上げて明確なゴールを設定したほうが、達成に向けて従業員のエンゲージメントが一層向上する、という研究結果もあります。難易度の高い目標を掲げて進捗状況を確認できるようにするために Google でよく使われているのが、「目標と成果指標(Objectives and Key Results:OKR)」という手法です。 OKR の概要: 目標は、場合によっては若干気後れするくらいの高いレベルに設定します。成果指標は、数値化して測定し、簡単に評価できるようにします(Google では 0~1.0 の範囲で設定しています)。OKR は組織の全員に公開して、誰もがお互いの作業状況を確認できるようにします。OKR では、目標の 60~70% の達成率が理想的です。逆に、達成率が常に
イノベーション イノベーションを起こすためのスキルを習得し、業務に活かす方法を学びます。
Google では、半年ごとにマネージャーへのフィードバック アンケートを実施し、マネージャーに対する社員からのフィードバックを集めています。Google 社員は匿名でアンケートに回答し、マネージャーは集計後のフィードバックのレポートを受け取ります。匿名性を保つため 3 人以上からの回答が必要です。匿名性の確保とマネージャーによる報復回避のために以前はより多くの回答を必要としていましたが、People Operations(人事部)にそのような行為が報告されることはほとんどなかったので、レポートに必要な回答者数を 3 人に減らしました。これにより、小さなチームのマネージャーもフィードバックを受けられるようになりました。 マネージャーへのフィードバックは、業績や給与の評価を行う際の参考資料としても、より改善できる点を知るための資料としても利用できます。重要なのは、マネージャーがフィードバック
2004 年のことです。ラリー ペイジとセルゲイ ブリンは、当時 Google の人事を担当していたステイシー サリバン(現チーフ カルチャー オフィサー)にある指示を出します。それは、Google 社員へ仕事に対する考え方を インタビューして報告せよ、というものでしたが、その時点で、Google は数千人の社員を抱える企業に成長していました。従業員の気持ちを読み取るには、過去に行ってきた対面式のインタビューではもはや効率が悪く、厳密な評価ができないことにサリバンは気付き、Google で最初の従業員アンケートを実施することになりました。 アンケートは、組織に関するデータを集めるのに最適な方法です。年 1 回の従業員アンケート、従業員からマネージャーに対するフィードバック フォーム、研修後の評価などその目的はさまざまですが、いずれの場合も、従業員から直接データを集めることで意思決定に役立つ
偏見をなくすための第一歩は偏見に対する知識を得ることです。ある研究によれば、無意識の偏見を自覚すると、偏見から脱することができるということがわかっています。また、人が態度を変えるためには、考え方の背後にある無意識の偏見を理解することが必要なケースがあるそうです。 2013 年、Google は、社員と経営陣を対象に Unconscious Bias @ Work といった研修や、それにまつわるツールを開発し、偏見を排除するための全社的な教育活動を始めたのです。この取り組みによって、Google の社員は、無意識の偏見についての共通認識を確立し、共通の言語で議論を行うための土台を作りました。 無意識の偏見を科学的データに基づいて考察し、理解することで、この問題についての適切な議論(特に懐疑論者が相手の場合)や組織内での問題解決に役立ちます。このテーマに関しては新たな研究結果が次々と発表されて
Google のマネージャーを対象とした調査によると、評価が高いマネージャーに見られる重要な特徴として、ビジョンの設定が挙げられます。チームとして明確なビジョンを有していることは様々な点で役立ちますが、とりわけ以下の点で重要な意味を担っています。 ビジョンはチームの成功に不可欠である。高い評価を得ている、ある Google のマネージャーは次のように述べています。「魅力的なビジョンをチーム内で共有することはチームの成功に不可欠です。1 つのビジョンを持つことで全員がこれに集中し、同じ方向に向かって進むことができるからです。逆に、ビジョンがないと集中力が削がれてチームとしての勢いがなくなり、大きな打撃となります。」チームメンバーは、自分たちがどこに向かっているのかを知る必要がある。チームとしての明確なビジョンを持つということは、チームメンバーの誰もがチームの目標、進捗、成功のイメージを把握し
イノベーションとは、新しいアイデアを取り入れて形にし、それを試して実装するプロセスです。新しいアイデアを生み出すために発揮するのが創造性で、イノベーションと創造性は異なります。創造性はイノベーションの重要な要素ですが、プロセスの 1 ステップにすぎません。ある研究では、競争の激しいダイナミックなビジネス環境では、組織のイノベーション力が長期的な成功を測る指標となることが明らかになりました。イノベーションと組織の収益の間に正の相関関係があることを示した調査結果もあります。 近年は技術進化のスピードに伴い、イノベーションに対するプレッシャーもますます高まっています。多くのテクノロジー企業は、組織の業務にイノベーションを組み込むべく意識的に取り組みを行ってきました。3M 社は、従業員が業務時間の 15% を使って独自のアイデアを探求することを許可する「15% カルチャー」プログラムを開始しました
チーム全体の創造性を引き出すには、イノベーションを醸成する文化を作る以外にもさまざまな方法があります。そのひとつであるデザイン思考は、創造性と系統だったプロセスを組み合わせて大きな問題を解決していく手法です。 「デザイン思考」は、 建築家のブライアン ローソン氏やエンジニアの L. ブルース アーチャー氏、政治学者のハーバート サイモン氏などが最初に用いた手法で、現在ではあらゆる複雑な問題に適用できるプロセスへと発展しています。後にデザイン コンサルタント会社の IDEO を設立したスタンフォード大学のロルフ ファステ教授とデビッド ケリー教授は、いち早くこのデザイン手法を幅広く提唱し、問題解決に適用しました。この手法は、変化の激しい業界で一流企業が自社のポジションを再定義するような場合だけでなく、子供たちに健康的な学校給食を食べさせるといった社会問題の解決策を出し合うためにも使用されてい
衣料品小売業の Gap Inc. は、Banana Republic、Old Navy、Gap、Athleta、Intermix といったさまざまなブランドを抱えています。同社では、人事(HR)ビジネス パートナーにより優れた分析ツールを提供し、全ブランドで一貫したレポート業務を各社で運用できるようにしたいと考えていました。 HR パートナーとビジネスのニーズをすべて満たすために、Gap Inc. のワークフォース アナリティクス チームではまず、対応すべき主な問題点を洗い出す必要がありました。 プロセスとデータに一貫性がない: ブランド間で統一されることがなく、離職者数などの指標の評価計算は各チーム独自の方法で行われていました。さらに、HRシステムへのデータ統合が不十分だったために、レポート業務も不完全なものでした。 分析ツールの活用不足: HR パートナーの多くが、人事分析ツールにアク
学習する文化を取り入れた組織では、好奇心や知識の共有を促す環境が育まれ、ビジネスの成果につながります。学習する文化が根付いている組織は、仮に将来、社会で求められるスキルが大きく変化したとしても、従業員が新たなスキルを比較的習得しやすいので、競争優位性を保つことができます。また、従業員は成長の必要性を自分のこととして認識し、行動できるようになります。学習する文化を根付かせるための効果的な方法の 1 つは、従業員間での学習を促すプログラムを導入することです。従業員間での学習プログラムにおいては、実体験から得た知見を直接同僚から学ぶことができ、また、知識を伝える側の従業員も、教えることによって成長することができます。 Google で実施されているトレーニングの 80% が、「g2g」(Googler-to-Googler)と呼ばれる Google 社員同士のネットワークを通じて行われます。ボラ
組織においてマネージャーはとてもインパクトのある存在であることは研究によって証明されています。マネージャーはビジネスの成果や従業員のエンゲージメントに大きな影響を与えます。しかし、マネージャーの選出やスキル開発が効果的に行われていないことでビジネス成長のためのチャンスを逃してしまっているかもしれません。優れたマネージャーの行動規範とはどのようなものでしょうか。まずは、これまでに実施された外部調査の中から組織における優れたマネージャーの要件について探究してみましょう。 Google では、Google における優れたマネージャーの要件を突き止めようとしました。しかし、研究チームが最初に行おうとしたのはその逆を証明することでした。つまり、マネージャーの重要性は低く、マネージャーの質はチームのパフォーマンスに影響を与えないということを証明しようとしたのです。この仮説は、Google の黎明期に一
調査の結果からマネージャーの重要性が証明されたので、People Operations(人事部)はマネージャーがアクションしやすいフィードバックを提供してサポートする必要がありました。マネージャーへは成長を促すようなフィードバックを提供し、その進捗と成果を測る包括的な取り組みが行われました。その結果、毎年実施される Google 社員のマネージャーに対する満足度調査では、マネージャーに対する社員からの評価が確実に向上しました。 Google では、半年ごとにマネージャーへのフィードバック アンケートを実施し、マネージャーに対する社員からのフィードバックを集めています。Google 社員は匿名でアンケートに回答し、マネージャーは集計後のフィードバックのレポートを受け取ります。匿名性を保つため 3 人以上からの回答が必要です。匿名性の確保とマネージャーによる報復回避のために以前はより多くの回答
Google のマネージャー調査により、評価の高いマネージャーは優秀なコーチであることが明らかになりました。他の職業でも同じことが言えます。たとえばスポーツでは、多くの元アスリートが、コーチがどのように自分の人生を変えたかを語っています。コーチは選手の強さを見抜き、可能性を解き放ち、やり遂げるよう励まします。マネージャーが優秀なコーチになるには、チームメンバーそれぞれのニーズに焦点を当てるようにします。マネージャーのコーチングスタイルに柔軟性を持たせることも重要です。たとえば、チームメンバーが「ティーチング」の指導者を必要としているのであれば、マネージャーは具体的に物事を達成するための専門知識を伝えます。「ファシリテーション」の指導者を必要としているのであれば、マネージャーは答えを教えたりするのではなく、質問を投げかけて耳を傾けます。 コーチングに関連してマネージャーと共有すべきヒントをい
Google の調査によると、効果的なマネージャーの多くは、チームが具体的な成果を上げられるようにサポートすることを重視しています。また、担当案件の緊急性とともに、何が一番インパクトのある結果をもたらすのかを理解したうえで、判断を下します。マネージャーの重要な役割の 1 つは、チームメンバーに起こりうる障壁を予測し、取り除くようにサポートすることです。 専門スキルを持つマネージャーは、チームメンバーに寄り添ってその力を発揮することにより、信頼できるアドバイザーとなります。これによって、自らのスキルを向上し続けられると同時に、マネージャーが単なるリーダーではなく、チームのいちメンバーであるという重要なメッセージを伝えることもできます。 効果的なマネージャーは、「自分はチームのために働いている」のであり、その逆ではないことを自覚しています。ある Google 社員は自分のマネージャーについて次
Google のマネージャーを対象とした調査によると、効果的なマネージャーは仕事の面だけでなく個人的な面においても自分のチームを気にかけていることが明らかになっています。 仕事の面において、Google のマネージャーはフィードバックを提供したり、成長するチャンスを見極めたり、スキル向上に焦点を当てたりしながらチームを作り上げていきます。マネージャーは現在の職務における昇格のみに重点を置くのではなく、同じような影響をもたらす別の機会をも視野に入れるようチームを指導しています。たとえば、別のチームで現在の職務と同等の仕事をしながら新たなスキルを磨く異動や、現チームのエキスパートとして貢献できるスキルの習得などがあります。 個人的な面においては、Google ではマネージャーとしての成功には各チームメンバーそれぞれの満足感に配慮することが不可欠であるとしています。しかし、チームメンバーを気にか
組織の形態や大小にかかわらず、より平等な職場を作るためには、公正な給与制度を設計し、それが適正に運用されているか監督する必要があります。性別による給与格差はなかなか解消されない問題であり、実際それに関する資料や研究も多く報告されています。女性の給与が制度的に低く抑えられていることは、公平や平等の建前のなし崩しであり、経済に大きな影響を与えている可能性も指摘されています。 公正な給与制度を確立し適正に運用するには、組織で以下のような方策を検討する必要があります。 報酬理念を定義する。この理念が、労働にどう報いるかの指針となります。給与決定プロセスを体系化し、職務に応じた報酬を設定する。職務に相応な給与を支払うことで同一労働同一賃金の実現を推し進めるなど、報酬決定の枠組みを設けます。給与の平等に関する分析を実行する。報酬理念を定義し給与決定プロセスを体系化した後、徹底的な分析を定期的に実施して
面接を行う目的は優れた人材を見つけ出すことだけではありません。従業員を面接担当者として参加させることができれば、企業文化を浸透させ、仲間意識や帰属意識を強められるなどのメリットもあります。また、採用の意思決定に関わる情報を従業員が認識することで、組織に対する当事者意識を育むことができます。従業員は企業文化のオーナーであると同時に担い手でもあります。その従業員に面接を担当してもらうことにより、従業員のエンゲージメントを高めることができるのです。 Google の社内調査によると、応募者からのフィードバックで最も多いのが面接担当者とのやり取りについてのものです。採用プロセス全体で見ても、職種や福利厚生、採用担当者とのやり取りより重視されています。Google はこのことを面接担当者に伝え、面接担当者が企業文化の代弁者としていかに決定的な役割を担うかを強調しています。 このような背景に加えて採用
Google では、応募者が応募受付の確認メールを受信したときから、内定を知らせる電話を受け取るまで、企業と行う一連のやり取りを「応募者体験」と定義付けています。 Google の社内調査によると、面接プロセスの中でも特に面接担当者は、応募者の採用プロセスに対する全体的な満足度に影響する最大要因の 1 つであり、内定を承諾するかの判断に影響することがわかっています。また、採用プロセス全体の期間の長さも応募者体験を影響する重要な要素であることがわかりました。Google の採用チームは、面接プロセスを良いものと感じてもらえるよう、すべての応募者の体験を改善できるよう常に取り組んでいます。実際、不採用となった応募者の 80% は、友人に Google への応募をすすめるだろうと回答しています。 組織が求めている人材像を明確に伝える、情報をタイムリーに連絡するなど、採用プロセスのさまざまなやり取
マネージャーは非常に重要な役割であり、従業員の業績に大きな影響を与えます。優れたマネージャーの条件を共有し、能力開発の機会を提供し、優れたマネージャーを称賛するなどの方法で、従業員をサポートしましょう。 Google はこれまで、マネジメント業務の大切さを必ずしも正当に評価してきたわけではありません。2002 年、すべてのマネージャーを廃止して管理職のいない組織にするという「実験」を行いました。しかし、この実験は失敗に終わりました。2008 年には、調査チームが、マネージャーは重要な存在ではないという一部の意見を証明しようと試みますが、すぐにまったくの正反対であることがわかりました。つまり、マネージャーはきわめて重要な存在だったのです。 そこで、Google における優れたマネージャーの条件とは何かを正確に突き止めるため、「Project Oxygen」という調査プロジェクトが実施されまし
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