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大そうじへの備え
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妹尾堅一郎『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか―画期的な新製品が惨敗する理由』(ダイヤモンド社) 本書は、そのタイトル『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』通り、技術力のあるはずの日本が、どうしてビジネスの面で負けるのか、についての考察と、そこから得られる処方箋を提示したものである。 考察の中心にあるのは、第3章で紹介されているインテルとアップルのケース。著者は、この2社の戦略について、インテルは、その広告にあったように「インテル・インサイド」と、アップルについては、これをもじって「アップル・アウトサイド」と紹介している。 《インテルは、パソコンにとっても最も重要な中央演算装置(MPU)の中で、演算機能と外部機能とをつなぐPCIバスを徹底的に開発しました。そして、PCIバスの内部技術を完全なブラックボックスに閉じこめたのです》(pp.67-68) その一方で、インテルは、外部と
『初音ミク』や『鏡音リン・レン』などの歌声合成ソフト(ボーカロイド)は、ヤマハの開発した歌声合成エンジンVOCALOID2に、クリプトンの製作した音声ライブラリをセットにして販売しています。したがって、その利用規約も2階建てとなっています。 ■[VOCALOID]使用許諾 http://d.hatena.ne.jp/melt_slinc/20070917/p2 まず、ヤマハが設定しているVOCALOID2の利用規約では、「公序良俗に反する歌詞を含む合成音声を公開や配布すること」の禁止が謳われており、また、商用カラオケや着メロやなどでの使用は、ヤマハの許可が必要としています。 さらに、クリプトンの設定している初音ミクの利用規約では、上記の点のほかに、映像作品のキャラクターが歌っているようなかたちでの使用には許可が必要、VOCALOIDや初音ミクやバーチャル・シンガーなどを前面に押し出したかた
すでに多くの方が指摘しているように「ニコニコ動画」の動画上を流れるコメント機能というのはとても秀逸だと思います。ユーザーから見ると、とても面白い機能だと思います。 また、CGM(Consumer Generated Media)を活性化させる上でも、とても有効に機能していると思います。「初音ミク」ムーブメントに見られるように、ある人が歌を作って発表すると、別の人が歌ったり、踊ったり、絵をつけたり、というように、CGMとは、視聴者参加型のライブのようなもの、ということができます。 しかし、動画コンテンツというのは、必ずしもライブのようなものだけでなく、たとえば映画のように、最後までじっと視聴することが求められるものも多いと思います。そして、こういったコンテンツを配信するには、ニコニコ動画は、やはりなじまないのではないかと思います。 映画の展開をコメントでばらしてしまうとか、出演者の悪口を書く
ニコニコ動画のID登録者が500万を突破したそうです。順調に会員を伸ばしているのは、よいことだと思いますが、しかし、ニコニコ動画は今後どのように発展していくのでしょうか? 同じような動画投稿サイトにYoutubeがあります。こちらは、当初はCGM(Consumer Generated Media)をめざしていたようですが、いまはどちらかというと商用コンテンツの配信・プロモーションのメディアへと変貌しつつあります。簡単に言えば「TVを補完するメディア」になりつつあります。 一方、ニコニコ動画は、動画上にコメントを流すというユニークなインターフェースのおかげで、<1>動画をみんなで見ているような感じが得られる、<2>CGMにおいてクリエイターのモチベーションを引き出す、という2つの効果を生み出しました。特に「初音ミク」ムーブメントの盛り上がりは、この2つの効果が大きな役割を果たしていることは言
「初音ミク」ムーブメントというCGM(Consumer Generated Media)を活性化させた要因の一つに、「ニコニコ動画」という場をあげることができると思いますので、それについて、まとめてみます。ニコニコ動画の特徴は3つあります。 (1)匿名性が確保されていること (2)一時的な関係性 (3)非対称の効用が交換されている まず、(1)匿名性が確保されていること、についてですが、ニコニコ動画はメール・アドレスによる登録制のため、完全な匿名性が確保されているわけではありません。しかし、ある程度の匿名性は確保されていると言えます。 そして、匿名性が確保されていることによって、ニコニコ動画では、現実の世界における束縛から解放されます。つまり、社会的な関係とは無関係な、(2)一時的な関係性、が発生します。たとえば、普段は会社勤めをしているサラリーマンであったとしても、ニコニコ動画においては
いまもっとも注目を集めている双子「鏡音リン・レン」は、リンがRinで、レンはLenと表記するそうなので、これにちなんで英語のRとLの違いについて考察してみたいと思います。 「日本人は英語のRの発音ができない」とは、よく言われることなのですが、実はこれは誤解なのです。日本人はRの発音ができないのではなくて、「ラリルレロ」、つまりローマ字では「Ra Ri Ru Re Ro」と表記される音の中に、Rの音とLの音がごちゃ混ぜになっていて区別ができなくなっていると言うのが正確だと思います。 簡単に言ってしまうと、Rはラリルレロの低い音、Lはラリルレロの高い音と区別することができます。たとえば、ドレミファソラシドの「レ」と「ラ」は、英仏伊語では、それぞれ「Re」と「La」と表記されるように、ヨーロッパでは異なる音として認識されています。 日本人でもロンドン(London)と言う時は、始めのロを高く、ち
先週のエントリーで紹介した「ニコニコ技術部」ですが、なぜ、あんなに楽しそうなのでしょうか? もちろん、みなさんが技術実験を心の底から楽しんでやっているからなのですが、実は、もう1つ理由があります。それは、「初音ミク」のオリジナル曲を自由にBGMとして使うことができるという点にあります。 企業の作ったPRビデオなどを見ていても、BGMが良くないと退屈してしまいます。技術紹介のビデオは、よほど、その技術に関心がない限りは退屈するのが普通です。 それは、「ニコニコ技術部」のコンテンツにおいても同様なのですが、「ニコニコ技術部」では、初音ミクのオリジナル曲をよりどりみどりで使うことができるので、絵的につまらない部分でも、音楽を楽しむことで、やり過ごすことができます。 映像表現において、音楽のはたす役割は、とても大きいと言うことができます。たとえば、『踊る大捜査線』シリーズをBGM無しで見たとしたら
ニコニコ動画において、「初音ミク」のタグがついたコンテンツが1万を超えました。また、「ミクオリジナル曲」も1000を超えました。もちろん、このタグは、必ずしも正確なものではありませんので、あくまでも目安としてですが、それでも「初音ミク」は、着々と成長を続けている、と言うことができます。 「初音ミク」ムーブメントについては、いろいろと考察を続けていて、書きたいこともあるのですが、せっかくだから、新しい情報や事件があった時にエントリーを書こうと思っていたら、何事もなく一週間が過ぎてしまいました。なんかこう無いんですかね。「陰謀」とか、「弾圧」とか、みんなが熱くなれるような展開は(笑)。 そんな中、いま私が注目しているのは、「ニコニコ技術部」というタグのついたコンテンツです。 http://www.nicovideo.jp/tag/%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%8B%E3%8
「初音ミク」ムーブメントにおけるCGM(Consumer Generated Media)について、「効用」という概念を使って考察してみたいと思います。「効用」とは、商品を消費したときに得られる「満足」のことを言います。 現在起きている「初音ミク」ムーブメントにおいて観察されることは、「物々交換」や「財・サービスと貨幣の交換」といった経済学の概念、あるいは「蕩尽」や「贈与」といった人類学の概念では捉えきれない性質のものです。 私は、「初音ミク」ムーブメント、つまりCGMは、「効用の交換」、つまり「満足の交換」によって支えられていると考えています。それも、かなり非対称かつ間接的な「満足」の交換の体系によってなりたっていると捉えています。 まず、どういった「効用」、つまり「満足」が交換されているのか、それぞれの局面について考えてみたいと思います。 (1)視聴者とクリエイターの場合 まず、視聴者
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すでにネットに流れている「鏡音リン」のラフ画を元に、リンを描いてみると・・・・・・。髪は黄色のショートカットで頭には白いリボン、白いセーラー服に黄色のリボン、黄色のショートパンツ、袖と足は黒といった点が、リンを象徴する記号と言えるでしょう。 こういう風に記号化しやすいデザインというのは、アニメやおもちゃのキャラクター・デザインの世界では、一般的に採用されている手法です。もちろん、「初音ミク」にしろ、「鏡音リン」にしろ、イラストを担当されているKEIさんのデザインや色使いが優れていることは、言うまでもありませんが。 このことは、「プロになること」の一面を示していると思います。つまり、各方面の要求を満たしつつ、自分のオリジナリティをいかに出していくかが、プロとしてやっていく上での重要なポイントであると言えます。もちろん、各方面の言うことを聞きすぎて駄目になってしまうこともありますが・・・・・・
「初音ミク」ブームが盛り上がった要因の一つに、パッケージに使用されているキャラクター・イメージがあげられます。イラストと簡単なキャラクター設定だけを提示して、その解釈は、ユーザーに委ねる、という手法です。 あれについて、「アニメ風の、いわゆる"萌え"絵が受けた」という指摘がなされています。しかし、それだけでは無いと思います。なによりも、あの「初音ミク」というキャラクターは、誰が書いても初音ミクになる、というわかりやすさがあります。 私は、絵心はまったくありませんが、初音ミクを描いてみろと言われれば、描くことができます。髪は緑で、いわゆるツイン・テールで、服はグレー、袖とスカートとストッキングは黒。幼稚園児に、あのパッケージを見せても、初音ミクと認識できるものを描いてくれるでしょう。絵がうまい人が描いても、下手な人が描いても、アニメにしても、3Dモデルにしても、二頭身にしても、「初音ミク」と
「放送+インターネットでもっと楽しく」というのは、堀江貴文氏が2005年1月にニッポン放送買収をしかけた時に示したビジョンだったわけですが……。 あれに対しては、日本中が「それだけかよ!」って突っ込みを入れたと記憶しています。しかし、あれから2年半たってみて、ああ、ホリエンモンは正しかったんだなぁとしみじみ思います。まぁ、「もっと楽しく」ではなくて、「放送+インターネットでちょっと楽しく」の方が適切かもしれませんが……。 ブロードバンドが普及した結果、テレビの前のお茶の間の感覚がネットの世界に持ち込まれました。検索ワードランキングの上位を見ても、ニュースサイトのアクセスランキングの上位を見ても、テレビでやっているネタや話題がずらっと並んでいます。雑誌や書籍も、テレビかインターネットを見て企画をたてたものが増えているように感じます(インド数学とか)。 その結果、テレビとインターネットの間で情
岡田斗司夫さんのダイエット本を参考にしたら、やせました。本当です。いちばん太っていた時期につくったジーパンのウエストに、いまや握り拳がひとつ入るほどです。 でも、私は、岡田さんの提唱する「レコーディング・ダイエット」なるものは実践していません。食べたもののカロリー計算も、それを記録することもしていません。では、なぜやせたんでしょうか? 岡田さんの『いつまでもデブと思うなよ』(新潮新書)の157-159ページには、次のように書かれています。 「この時期に、私が併用しはじめたもうひとつのダイエット方法が、『ミネラル豆乳ダイエット』だ」(p157) 「私の場合は、たまたまグッドタイミングで出会った赤星たみこさんの書いた『ミネラル豆乳ダイエット』(小学館)という本をそのまま活用した」(p158) 「(ミネラル豆乳ダイエットは)TVなどで何度も紹介され、効果も確認されているので、是非試してみて欲しい
インターネットで調べ物をする時に、いつもなんとかならないかな、と思うことがあります。それは、ニュース記事やブログのエントリーに、日付をきちんと入れて欲しい、ということです。 たとえばグーグルなどで検索して上位に来た記事やエントリーを開いたとき、私はまず、その文章が、いつ書かれたものであるか(厳密に言えばいつ掲載されたものか)を確認してから、読み始めます。 しかし、その時、日付がどこにあるのかが、わかりにくい記事が多いのです。たとえば日付が、下の方にあると、記事をスクロールしなければ、わかりません。ブログでも、下の方に日付が入る仕様のものが、かなりあります。 また、ニュース記事でも、「●月●日」とは記載されているものの、「●年」が無いために、いつの時点の情報をもとに書かれた記事なのかがわからず、記事の周囲をいろいろと見たり、あるいは、リンク先の記事をたどらなければならないこともあります。UR
ニコニコブックマークは、すごいサービスかもしれない--Web1.0サイトを勝手にWeb2.0化するツール ニコニコブックマークというサービスが開始されました。初め見たときは、よくわからなかったのですが、前々回のエントリーを書き終えた時に、ふと「これはもしかしたらすごいサービスなのかもしれない」と思うようになりました。 ニコニコブックマークについては下記の記事をご覧ください。 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/19/news077.html たとえば、ある世界観(歴史観といった方がよいかもしれませんが)に基づいて、記事を提供するニュース・サイトがあったとします。しかし、そのニュース・サイトは、「うちんとこはWeb1.0でいいですから」と言って、そのサイトにコメント欄を設けません。 一方、そのニュース・サイトの提示する世界観に対して、批判的
セカンド・ライフ(Second Life)がいまいち盛り上がらない理由は、「世界観」が無い、ということにつきると思います。 前回のエントリーの"「世界」と、それを取り囲む「世間」"を踏まえて言えば、セカンド・ライフは、何を表現し何を表現しないか、という「世界観」が無く、ユーザーが勝手に何でも行える、単なる「世間」に過ぎないからです(もちろん、最低限のルールは定められていますが)。 セカンド・ライフは、「3D仮想世界」と紹介されますが、実態は「3D仮想"世間"」と言った方がふさわしいかと思います。だから、世間話ぐらいしかすることがないわけです。 それでは、その世間の中に、世界観を持つもの、つまりコンテンツを置けば、そのコンテンツを見るために、ユーザー数が増えるのではないか、と考えることはできます。 しかし、それらのコンテンツは、結局のところディスプレーを通して鑑賞するものなのですから、3Dの
Web2.0を巡る議論の中で、あまり指摘されていなかった点を考察してみたいと思います。 まず、このことを考えるようになったきっかけになったコラムを紹介します。ちょっと古いのですが、『週刊文春』2006年3月30日号に掲載された堀井憲一郎の「ホリイのずんずん調査」より。 「文章のスタイルは『使わない言葉』で決まる。いい文章は、いい言葉が詰まっているわけではなく、悪い言葉がきれいに排除されてるだけなんですね。これは読んでいるほうにはわかりにくい。それぞれの文章が『どういう言葉を避けて書いているか』というのは、とても注意深く見てないとわかんないですね」 まさにその通り。で、このコラムは、この後、堀井氏が出演していた日本テレビの自社宣伝番組『TVおじゃまんぼう』が、「ぜひ、ご覧ください」「おもしろいですよ」というセリフを使わないことになっていた、なぜなら、「そのほうが見ている人の視聴意欲をかき立て
日本では、10月1日から郵政民営化がスタートしますが、イギリスでは、2006年4月から、完全に民営化されました。 イギリスでは、2000年頃から、国営の郵便事業が赤字となり、2002年4月から段階的に郵便事業の民営化・自由化が進められてきました。この過程で、国営の郵便事業体は、3万人解雇、4000の郵便局閉鎖、1日2回の配達を1回へと減らす、などのリストラを行いました。で、どうなったかというと・・・・・・。 数年前に、ある民放テレビ局のジャーナリストが、郵便配達員として潜入取材を行ったドキュメンタリーが放映されたのですが・・・・・・ ・採用時の審査はいい加減、訓練も無しに配達業務を任される ・アフリカの某国からきた留学生も、あまり英語ができないのに、バイトとして採用され、訓練も無しに配達業務を任されるが、配達しきれずに郵便物を捨ててしまう ・クレジットカードや小切手の入った郵便物を(書留で
団塊世代の大量定年退職に伴い、メーカーのお客様相談室にかかってくる電話の本数が増えているそうです。 これは、ある日本のメーカーの方から聞いた話ですが、「定年を迎えて、暇を持てあました団塊世代が、お客様相談室に、なんやかんやと、大量の電話をかけてくるのではないか」と、かねてから懸念されていたのですが、それが現実のものとなりつつあるそうです。 「お客様相談室」は「キャクソウ」と略されるそうですが、「キャクソウ業界の2007年問題」と呼ばれているそうです。 キーワード記事* 2007年問題
1カ月強にわたる、この連載も、ひとまずの終わりを迎えました。 私は、この「ソニーエリクソンの挑戦」という連載で何が書きたかったのでしょうか? 2003年12月に井原勝美社長に、お会いしたときには、「も...
1カ月強にわたる、この連載も、ひとまずの終わりを迎えました。 私は、この「ソニーエリクソンの挑戦」という連載で何が書きたかったのでしょうか? 2003年12月に井原勝美社長に、お会いしたときには、「もしかしたら、ソニーエリクソンの設立から、経営が安定するまでについて、何か書けるかもしれない」と思いました。しかし、2004年に井原氏がソニーに復帰し、さらに翌年3月に、ストリンガーCEO、中鉢社長、井原副社長の体制へとソニーがかわった時、少し考えがかわりました。 同じ時期に、「ウォークマン携帯電話」発売のアナウンスがあったこともあり、「ソニーの携帯電話事業としてのソニーエリクソン」について、何か書けるだろうと思いました。実際、「ウォークマン」というのは、ソニーの歴史を刻んだブランドであり、ソニーから何かポータブルな製品が出てくると、必ず「次世代ウォークマンか?」と騒がれたものです。 そして、私
私がソニーエリクソンの井原勝美社長(当時)にインタビューしたのは、2003年12月のこと。この時、私は、井原社長は、いずれはソニー本体に戻るかもしれないが、少なくともあと1~2年はソニーエリクソンの社長をつとめるだろう、だから、その間に、ソニーエリクソンの設立から、ここに至る間での話を聞くことができるだろう、と考えていました。 しかし、ソニー本体を取り巻く状況が許さなかったのか、この数カ後、2004年4月には、ソニー本社に副社長として復帰することを発表、ソニーエリクソンの社長は、マイルス・フリント氏に引き継がれました。 井原氏は、ソニーグループのリストラを統括し、2005年には、代表権を持つ副社長として液晶テレビ『ブラビア』を担当と、その後の活躍はみなさんも、よくご存じの通りです。2004年に急遽、ソニー本社に呼び戻されたのは、もちろんソニーエリクソンの設立から、経営を軌道に乗せるまでの功
求む男子。 至難の旅。 僅かな報酬。 極寒。 暗黒の長い日々。 絶えざる危険。 生還の保証なし。 成功の暁には名誉と賞賛を得る。 これは、イギリスの探検家アーネスト・シャクルトンが、1914年から1915年にかけて、エンデュアランス号という船を使った南極探検の参加者を求めるために、ロンドンの新聞に掲載した広告と言われているものです。上の引用は、アルフレッド・ランシングというジャーナリストが書いた『エンデュアランス号漂流』(新潮文庫)の後書きで紹介されていたものです。 いまでこそ、ソニーエリクソンは絶好調ですが、2001年10月にソニーとスウェーデンのエリクソンが50%ずつ出資して設立した時点では、ジリ貧の2社による明らかな弱者連合であって、井原勝美氏にとっても、その会社の社長になるというのは、(「僅かな報酬」ではないと思いますが)本当に上の広告のような気分だったと思います。しかし、聞くとこ
以前から、ソニーエリクソンについて、長いものを書いてみたい、と思い、継続的に取材をしてきました。ソニーエリクソンの、全面協力は得られませんでしたが、それでも記者会見やイベントの際のインタビューでは、かなりの便宜を図っていただきました。 初めは本を書きたいと思ったのですが、本にするには取材が足りていないところもあるし、かといって、サムスンを追い上げているソニーエリクソンについて、いま書いておかないと、という気持ちもあります。そこで、このブログをお借りして、通常のブログのエントリーも交えながら、ここで2月中旬にバルセロナで開かれる予定の3GSMワールド・コングレスに向けてソニーエリクソンについて不定期ながら連載していきたいと思います。 といってもブログなので、コラムのようなかたちで、いろいろなエピソードを紹介していくかたちとなります。また、私にとっては、「下書き」のような部分もあって、間違いを
イギリスでは、携帯電話の料金は、月額基本料=基本通話時間+SMSの利用可能通数、が段階的に設定されているのが一般的です。英ボーダフォンのパンフレットに沿って説明すると、 コース名:月額基本料=基本通話時間+SMSの利用可能通数 Anytime 75:月額20ポンド=通話 75分+SMS 0通 Anytime 150:月額25ポンド=通話 150分+SMS 100通 Anytime 200:月額30ポンド=通話 200分+SMS 100通 Anytime 500:月額35ポンド=通話 500分+SMS 100通 Anytime 500:月額40ポンド=通話 500分+SMS 250通 Anytime 800:月額50ポンド=通話 800分+SMS 250通 Anytime 1200:月額75ポンド=通話 1200分+SMS 250通 これに、いろいろなオプショ
英タイムズ紙で紹介されるほど有名になった中国の少年がいます。その少年、小胖网(Xiao Pang)のサイトは、こちら。 http://www.xiaopang.cn/ なぜ、この19歳の少年が中国一有名になったかというと、4年前に上海で、交通安全のポスターのモデルとして登場したのが、事の発端でした。そして、この写真を見た誰かが、少年の顔の部分を映画のポスターに合成するという遊びを始め、それが中国のインターネット・ユーザーの間に広まったそうです。 http://www.xiaopang.cn/gallery.asp?action=paste&c_id=35&s_id=147 ウェブの世界で、この少年は、小胖网(Xiao Pang)と名付けられたのですが、それは、Little Fatty(小太り)という意味だったようです。 そして、英タイムズ紙の記事によると、この少年が、インターネット・カフェ
英ボーダフォンは、14日にロンドンで中間決算の発表会を開きました。決算の内容については、すでに報じられていますので、ここではYahoo!との提携など、新しい経営戦略についてレポートします。 同社のサリーンCEOは、新しい経営戦略"Mobile Plus strategy"には、2つ側面がある、としています。1つ目は、左の写真のスライドの左側の部分にある"Develop integrated mobile and PC offerings"で、これは、携帯電話とパソコン向けの統合サービスの提供です。具体的には、インスタント・メッセンジャー(IM)、電子メール、アドレス帳などをパソコンと携帯電話それぞれで使い安くすること、そして、パソコンと携帯電話のユーザーが相互に通信できるネットワークの確立をめざすというもの。 もう一つは、スライドの右側にあるように"Create mobile advert
近所の携帯電話ショップを覗いていたら、「Nokia N73」が目に留まりました。「日本でも発売されるやつじゃん」と思ってメニュー画面を見たら、なんと「Y!」のマークが・・・。これは、「Yahoo! Go」という名称で、検索機能のほかに、ニュース、メール、メッセンジャー、カレンダー、着メロや壁紙のダウンロードなどのサービスが利用できるものです。 なるほど、日本のソフトバンク・モバイルはYahoo! Japanと提携していて、さらに、ソフトバンクと英ボーダフォンは合弁会社を設立しているので、その成果がもうイギリスでも現れてきたのだろう・・・と思いつつショップを出てみると何か変。ショップの看板には「3」とでかでかと書いてある。ここ、イギリスで3Gサービスを行っている香港ハチソン系の「3」のショップでした。 で、「3」のサイトにアクセスしてみると、トップ・ページで「Nokia N73」と「Yaho
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