正念場を迎える水素市場　欧州で相次ぐ撤退の影に大口需要家の不在

正念場を迎える水素市場　欧州で相次ぐ撤退の影に大口需要家の不在

現在の水素市場は、高止まりする電解コストやオフテイカー（大口需要家）の不足により、特に欧州で水素...概要を表示 現在の水素市場は、高止まりする電解コストやオフテイカー（大口需要家）の不足により、特に欧州で水素製造プロジェクトの撤退事例が相次いでいる（上の図）。 米国では2025年1月にドナルド・トランプ氏が大統領に再登板することから、同国を水素の一大市場に押し上げたインフレ抑制法（IRA）の改正が懸念されており、水素プロジェクトの選別が進んでいる。 一方で、地下から自然発生する天然水素の開発プロジェクトに参画する企業が増えている。天然水素は中長期的にはコストを押し下げる革新的な技術と見られており、普及すれば水素市場の拡大が期待できる。 プロジェクト中止が相次ぐ 最近計画が中止されたプロジェクトとしては、デンマークの再生可能エネルギー大手のオーステッドが主導する「フラッグシップワン」が挙げられる。計画ではグリーン水素のみならず、合成燃料（eメタノール）の製造を見込んでいた。船舶向けのクリーン燃料という