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という具合に、『晩夏』のふたりの主人公はどう考えても、世知辛い憂き世で毎日あくせく働いている私な... という具合に、『晩夏』のふたりの主人公はどう考えても、世知辛い憂き世で毎日あくせく働いている私なんぞが 「うんうん、わかるわかる」 などと共感できるような相手ではない。 にもかかわらず、私はこの人たちの人生の物語に感じ入ってしまった。だから何回もこうやって文章に書いている。私はこの小説のことを、過去3回ほどいろんな雑誌に書いているのだ。いい加減しつこいのである。 このことからわかるのは、共感とか感情移入とやらいうものは、読書で必ずしも大事ではないということ。この話を、今回は書いてみたいと思ったわけです。せっかく『晩夏』の話をしていたわけだし。 * * *
2013/12/15 リンク