GIGAZINEという、海外で話題になったウェブ上の記事を翻訳・紹介したり、ジャンクフードを食べたりしてるサイトがあるのですが、そこが予告.inについてオピニオンっぽいことを書いてるので反応してみます。感想としては印象操作とかの問題って難しいなあというところです。
犯行予告を共有するサイト「予告.in」はもう限界に達している
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080731_yokoku_in_limit/
(トラバってどうすればいいんだろう…。 http://gigazine.net/index.php?/news/trackbacks/8118/ )
■「「予告.in」への批判が増えている」という章
他人の発言を紹介する形式だけど、GIGAZINEの意見を代弁してると見ていいでしょう。だって、自分の意見に合わないのなら、突っ込み入れておくべきでしょうから。たとえば、
理論的に考えれば、違法性が高いのはこの予告者ではなく、通報した予告.inの管理人です。(中略)他人の行為を奇貨として自らが犯罪行為を行っている事例です。
通報が犯罪である、というご意見。警察は通報を募っていますが、警察が犯罪を推奨しているのですね。大胆なご意見ですが、これをGIGAZINEは支持しているのでしょうか。
■「駅で「すかしっ屁」するという書き込みも即座に通報」という章
ここは、管理人のコメントを伝えないと意図が伝わらないのに、それをすっとばしてる。
管理人のコメント。http://yokoku.in/detail?num=3398&all=1
[屁が犯罪なの?]が争点ではありません。
投稿者自身が[犯行予告をする]と宣言してて、
万事を想定して、対象となった駅や管轄する警察には伝えておく必要性があると判断しました。
つまり、すかしっ屁とかいう言葉の問題ではなく、いたずらを越えた敵対心を読み取れる文言があったから通報したという説明です。この通報についてGIGAZINEはこのように書いています。
ここまで脊髄反射で通報するのはもはや異常と言っても差し支えないレベルです。
判断の内容に異をとなえるのなら分かりますが、「脊髄反射」は事実ではありませんね。悪質な印象操作です。
しかし現実には無意味な通報が多く、地道に通報していた頃の方がまだマシだったのではないか?という状態です。
かなり主観ですね。通報制度の功罪については論旨の柱になるので、根拠がほしいところです。
通報するかどうかは利用者の判断にゆだねられるべきであって、たった一人の個人が判断すべきものではない、というわけ。
「予告.inの管理人を含め」、通報したい人は通報すればいいんじゃないでしょうか。利用者が個々の判断で通報することを禁じているんでしたっけ???予告.inへのタレコミは公開されてますよね。
判断できる限界を突破してしまっているがゆえに、拡大解釈を行って、犯行予告っぽいものは警察にとにかく通報しまくる、という現状になっているのです。
先に取り上げた「すかしっ屁」の例で述べたように、管理人は彼なりの判断をしていますよ。ちゃんと理由を説明してますし。誤った通報だと感じている理由は、通報に対するGIGAZINEの価値観と予告.in管理人の価値観が違っているだけではありませんか?
また、素人がちゃんと判断できるという期待をすること自体が間違いなのです。個々の通報人はそれなりに考えて判断して通報するでしょうけど、しょせん素人が通報するスキームなのです。GIGAZINEだって「正しい通報」「間違った通報」を記事中で決めていますが、それが正しいという根拠があるわけでは、多分、無いんですよね。
つまり、最終的な判断は専門家である警察に委ねられるべきなのです。そうでないと素人たる通報者が背負う責任が重くなってしまい、社会の善意が上手く回らなくなるでしょう。
最後に、GIGAZINEの記事を読んで感じたのは、どうしたいのかよくわからないということです。予告.in管理人の通報に反感を感じていて、攻撃しているのは伝わるのですが、それは何を守るための攻撃なのか、伝わってこないのです。(事実を淡々と伝えただけ、という言い逃れは、さすがに無いでしょうから。)
たとえば、ネットの自由を守りたいとか、微罪で逮捕されないという社会の公平性を守りたいとか、警察のコストがかかってるのが良くないとか、そういうのが見えないなあと思いました。