2025-07-04

チー牛が父を母だと言い始めた

ある日の夕食だった。

部活帰りでヘロヘロだった私は、完全に思考停止で、すき家突入

三色チーズ牛丼特盛、温玉付き。さら味噌汁つけて自分を甘やかしMAX

今日くらい贅沢してもええやろ……」って思いながら、家に帰って食卓に置いたんだよ。

その瞬間。

「……我が母よ……」

?????

牛丼から声。

いやマジで。容器から声。

しかも低音ボイスでやたら哀愁漂ってるやつ。

次の瞬間、湯気の中からぬるっと登場。

学ラン、メガネ、ギトギト前髪。

全身から濃厚チーズ香りを撒き散らしながら、現れたその男

チー牛(実体化)、爆☆誕。

しかも、そいつ……まっすぐ父に向かって両手を広げながら言ったんだよ。

「ようやく……巡り会えた……我が母にして、我が妻よ……」

情報量、飽和。

精神バグる

父、完全に停止。「……俺、何役なん?」って真顔。

私「知らんがな」

でもチー牛は止まらない。

胸に手を当てて、愛を語り出す。

「私は性別種族・年齢・調味料すら超越し、全生命体と繁殖可能存在……」

あなたとのチーズボンバーな愛は、何度生まれ変わっても、とろけ続ける……」

何が“チーズボンバー”だよ!!!

冷蔵保存しろその愛!!!

父は無言で味噌汁すすってたけど、私の怒りゲージはMAXに到達。

そして発動したよ。

オーライーターッッ!!!

――説明しよう。

オーライーターとは、敵の魔力を吸収し、自らのパワーに転換する魔法

すなわち、チー牛の“恋愛魔力”を逆利用してぶん殴る、禁断のチーズカウンター

ドゴォォォン!!!

チー牛、5メートル吹っ飛んで壁に突き刺さる。

その衝撃で湯気がスローモーションで舞ってた。

まるで、敗北したロマンチストの残り香。

壁の中から、かすれた声が聞こえた。

「……オーライーター……なんて甘美な魔法……我が子の拳……最高……」

父「なぁ……俺……ほんとに妻顔なのか?」

私「うるせぇ、黙って牛丼食え」

それ以来、我が家では“チーズ”も“母”も“妻”もNGワード

すき家チーズ牛丼は、冷蔵庫の奥に封印された。

オーライーターの力をもってしても、あの愛は……溶けきらなかった。

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