メディアの自殺 ~ 週刊朝日「ハシシタ 奴の本性」に思う。

週刊朝日が、一昨日発売の10月16日号で、橋下徹大阪市長に関する連載を開始した。
タイトルは「ハシシタ 奴の本性」。
記事を担当するのは、ノンフィクション作家の佐野眞一氏。
表紙のコピーには「救世主か衆愚の王か 橋下徹のDNAをさかのぼり本性をあぶり出す」とある。

内容に関心があったので、立ち読みした。
タバコ代に満たない額とは言え、朝日新聞グループに金を落とす気は一切ないので、あくまでも立ち読みである。
内容は酷いものだった。
念のために言っておくが、私はいま現在、橋下徹を支持していない。
全面否定はしないが、政策面での疑問が多い。
ただ、橋下支持派であろうとなかろうと、この週刊朝日の記事のスタンスには、言い知れぬ嫌悪感を持つ。内容が論評でもなく、バイアスが120%かかった中傷の域を出ないからだ。
記事は、対象が公人であるならば何を言ってもいいという、言論の自由の拡大解釈を基礎としているようだ。好き嫌いの以前に、その対象がメディアにとって害であれば、とことん抹殺しておけというところだろう。
これは、「安倍の葬式はうちで出す」と、安倍晋三の抹殺宣言で証明された、朝日新聞のスタンスと同様である。同じ朝日新聞グループとして、そういった価値観を共有していると見ていい。
タイトルは正式な苗字ではなく“ハシシタ”、そして“彼”ではなく“奴”である。タイトルに宿る悪意を隠そうともしていない。
佐野氏は、「この連載で橋下の政治手法を検証するつもりはない」と前提を置き、返す刀で「橋下にあるのは、古臭い弱肉強食思想、エリート実力主義、大衆迎合思想、一夜漬けのにわか勉強で身に付けた床屋政談なみの空虚な政治的戯言」と罵る。そして、連載の狙いをこう語る。
もし万々が一、橋下が日本の政治を左右するような存在になったとすれば、一番問題にしなければならないのは、敵対者を絶対に認めないこの男の非寛容な人格であり、その厄介な性格の根にある橋下の本性である。そのためには、橋下徹の両親や、橋下家のルーツについて、できるだけ詳しく調べあげなければならない
「敵対者を絶対に認めないこの男の非寛容な人格」。
これは、朝日新聞グループの社是の裏返しではないのか?
保守政治家の足を引っ張ることのみに執心し、君が代、日の丸、九条など、朝日が守るべきと定義するものを否定する政治家を、手段を選ばず罵倒し続け、彼らの抹殺を試みてきたのは、誰あろう朝日新聞ではなかったのか。
朝日新聞グループにおけるダブルスタンダードが、図らずも佐野眞一氏によって露呈されたと言っても過言ではない。
記事は、橋下氏の父親の出自(ヤクザ)に焦点を当て、橋下氏がそのDNAを継いでいるという観点から、橋下氏自身も「ロクな人間ではない」という筋書きを全面に押し出している。
人権という言葉を安易に使うことは避けたいが、ある人物の親がいわくつきであれば、その子どもも同じ系列に属するとするのは、重大な人権侵害であろう。
人権を振りかざし、人権真理教とも言える価値観を押し付けてきた朝日新聞グループは、こういう時だけ、自社が主張してきた人権尊重主義をきれいに忘れるのか?
これは、メディア自身の自殺行為である。
開いた口がふさがらないとはこのことだ。
ツイッター上では、「この連載面白い」などという呟きが散見されるが、面白さ以前に記事の危険度を感じていないことは、ある意味恐ろしいと思ってしまう。
「安倍の葬式はうちで出す」という朝日新聞のスタンスは、「約束の日 安倍晋三試論」で既に広く知られるところとなった。
今度は「橋下の葬式はうちで出す」というのが社是になるのだろう。
橋下氏は、この記事に抗議の意を込め、朝日新聞と系列の朝日放送の取材に応じないとの考えを示した。
朝日新聞グループがどう出るか。
見るところ、「ハシシタ 奴の本性」は肝いりの連載である。
今まで同様、朝日の謝罪などは期待すべくもない。
昨日のアンカーで、「ニューヨークタイムズやワシントンポストは、チャイナマネーで食い繋いでいる。うちも危ない」という内部情報を暴露された朝日新聞。だが、資金以前に精神が侵されている大新聞グループの、再生のタイミングはとっくに過ぎている。
朝日新聞グループの一秒でも早い倒産を切に望む。
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