わたしの医見
医療・健康・介護のコラム
安易な処方疑問
東京都練馬区 パート 63
飲食店で働く娘が定期的に受けている細菌検査でサルモネラ菌が検出され、陰性になるまで自宅待機となった。自覚症状はなかったが、急を要すると思い、日曜日に当番医を受診した。検査結果を知らせる紙を見た医師は、2週間分の抗菌薬(抗生物質)を処方した。
翌日、念のため、かかりつけの病院で検査を受けると、結果は陰性だった。この病院の医師は「軽症だと数日で自然治癒することもある。自覚症状がないのだから、しばらく様子を見ればいい。食品関係者とはいえ、どうしてすぐに抗菌薬を処方したのだろう」と首をかしげた。
抗菌薬は悪い菌だけでなく、体に良い菌まで殺してしまうため、安易な処方に疑問を持ったようだ。娘は幸い、薬を飲む前だった。セカンドオピニオンの大切さを実感した。
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安易ではなかったのかも
miikun
本来、症状がないのなら、検査や治療の対象になりません。 一方、飲食店に復職するためになんとか除菌したい、という要請も理解できます。 抗生物質を飲...
本来、症状がないのなら、検査や治療の対象になりません。
一方、飲食店に復職するためになんとか除菌したい、という要請も理解できます。
抗生物質を飲んだ方が早く除菌できるのか、それとも、善玉菌を減らしてかえって除菌を遅らせてしまうのかについては、未だ明確な答えがありません。
従って、今回のケースは、医師によって対応が分かれると思います。
日曜日の当番医は、抗生物質での除菌を頼まれて、それに応じた経験があったのではないでしょうか。「医学的にはやや疑問があるけれど、早く職場復帰してもらうには仕方がない」と、ためらいながらも処方したのかも知れません。
そうでなければ、抗生物質を投与せずに検査を繰り返すという、後の医師のようなシンプルな対応になるでしょう。
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