2024年買ってよかったもの

※アフィリエイトなど多分に含みます

有名どころ以外や有名どころでも独自観点で良かったなーってやつを書きます。

フォーカス用イヤホン

仕事や趣味で集中したいときに環境音やASMRで耳をふさいでおくと捗ることに気づいたのだけど、メガネマンってこともあって長時間つけてるとあちこち*1痛いのよね。でもこれは耳掛け部分の質量がゼロだ(と言いたくなるくらい軽い)から、一日中つけてても痛くならない。ほぼ毎日使ってる。元取り終えて利益出てる感じ。

キーボード運搬用スーツケース

旅行なんてほぼ行かないので完全に天キーやらのイベントにキーボード持ち込む用で買ったんだけども、何が良いってフロントオープンで中の仕切りがないところね。立てたまま開けられて、スーツケースの内寸ぎりぎりの大きさの物を詰められる。これ。あと見た目かわよい。

あと足のロック掛けられるから電車で捗る。

選ぶときキャスターの静音性はかなり気にしてて、これも静音て触れ込みだったけど微妙。ガタガタ系アスファルトの上だとクソうるさいので注意。

キーボード運搬用ケース

Tofu60がギリギリ入る。Tofu60 2.0は入らない。そんなサイズ。もちろん40%なら問題なし。

余談だけどアリエクで40%サイズのもっと安くていいやつないかめっちゃ探した結果、聴診器用やマイク用のケースと謳われているものがちょうど良いサイズ感だということが分かった。何かの参考にどうぞ。

抱き枕

枕元に置いてる。寝ながらスマホしたりKindle読んだりするときに手を支えたり、寝るときに手の置き場がないとき(?)に使う。普通に便利だし何より可愛い。みんなもチーズ蒸しケーキ好きでしょ?

米ドル買い物用銀行口座/デビット

https://wise.com/invite/dic/kenichiy118

買ったというかサービスだけど。

これは本当にニッチ需要なんだけど、米国の会社にACH送金で銀行振り込みをするハメになった場合、本来なら米国の銀行口座が必要なのね。その辺を全部オンラインでうまいことやってくれるのがこのWiseってサービス。

自分の日本の銀行口座→自分用に作られたWiseの日本口座→自分用に作られたWiseの米国口座って感じでドルを置ける。

それからMastercardブランドでデビットカードを発行できて、結構安めの為替手数料でドルが払える。PayPalとか日本のメガバンクの為替手数料よりだいぶ安いので、ドルで買い物するときはおすすめ。↑の手順であらかじめドルを口座に貯めておいてドル払いもできるから、円高になったらそれをやるつもり。

上のリンクからアカウント作ると手数料とか無料枠貰えるから気になる人はぜひ。

おわり

なんかWiseのアフィリエイト記事みたいになっちゃったね。この記事はキーケットで販売予定のHenge40キーボードで書きました。

*1:オーバーヘッド型は耳全体が、カナル型は耳穴が、耳掛け型は耳の外側が

ガスケットマウントでアルミCNCなキーボードケースを設計するためにアレコレやった年だった

これは何

キーボード #2 Advent Calendar 2024の12/21の記事です。

adventar.org

昨日は安馬さんの【自作キーボード】理想のキーボードのキーマップを考え抜いた話【REMAP】でした。OSLを活用して4キーで多くの機能を使い分けています。OSLってイマイチわからなかったのですが、こういったマクロパッド的用途だとハマるんですねえ~。すごい。

ガスケットマウントのキーボードケースを作りたい!!!

では私の記事に入ります。

これまで私が作成・頒布してきたキーボードはYM60JISやYM60Aのような基板のみの自作キットか、PinKeyのようなプレートサンドイッチ構造のようなケースレスな自作キットのみであり、ケース付のキットは2024年頭のキーケットで頒布したKeeBar Sが初でした。

しかしKeeBar Sはもともとプレートサンドイッチおよびアクリル積層構造で設計したところに後からケースを足した事情があって、バスタブ状のケースの底面からスペーサーに対してネジ留めする感じのサンドイッチマウントになっています。

アクリル積層の打鍵感は硬いし、プレートサンドイッチは振動がケースに直接伝わることもあって打鍵音もガシャガシャ言う感じになってしまうのが気になっていました。これらの問題はトレイマウントであるGH60互換の60%キーボードでも同様に不満に感じていて、アレコレ考察した結果、やはりプレートとPCBがケースと直接接している時点でダメ、という結論に至り、ガスケットマウントのケース作りてぇ~~~となったわけです。

マウント方式とケース固定方式の模索

まずは試作がてらマクロパッドを作ろう、ということでMonakaPadというものを作りました。ガスケット材*1としては王道のフォーム素材のほか、TwitterのTLでちらほら見かけて気になっていたTadPole Pinというものを試すことに。

これを実装してTadPole Pin版とPORON版の2つを作り打鍵感を比べてみたところ、思いのほかTadPole Pin版の打鍵感が硬くて自分の好みと合わず。であれば入手も設計も簡単なフォーム材採用でいいかなとなったのでした。

ネジの代わりに磁石で固定する挑戦

ガスケットマウントということはケースが2ピース構造になるわけですから、それぞれのピースをどのように固定するかを考えねばなりません。一般的にはネジ留めですが、ネジ穴を3Dプリントで造形するのは難しいので基本的には後加工が必要になります。当時はネジ穴加工が可能なアルミCNC採用はあまり考えていなかったのと、頒布のことを考えると自分の手間になる後加工は避けたいと思っていたので、ネジではなく強力な磁石で何とかならんか?ということでMonakaPadではそれも合わせて試しました。

このように感触はなかなか良かったのですけれど、やはり水平方向の力で簡単にずれるということと、磁石の固定に接着剤を使うのも少し嫌、1個でも極の向きを間違えると終わる*2というあたりから、やっぱネジしか勝たんな~、という気持ちになっていきました。

ネジ留めまでしなくとも、重しで押さえつけるだけでもいいのでは

試作で方向性が定まったので、YM60JISやYM60Aで使える60%サイズのケースを作りました。ネジしか勝たん、という結論にはなったものの、3Dプリントで考えるとネジ穴掘れずの問題があり。じゃあいっそ真面目に固定しなくても重たい金属で上から押さえつけるだけでもいいんじゃない?と考えて作ったのがこれ。重しがフレーム形状なのでFrame60と名付けました。

重い素材の中でもやっぱ真鍮がかっこええよな~~と気軽に作ったら、Rのある設計と磨きのせいで思ったより高く。そのうえ寸法ミスって胃が痛くなったり。

黒と金でかっこよくまとまって大満足。

これはこれでとても気に入ったのですが、60%ケースは市販で高品質かつ安価なものが手に入るというのもあって、頒布に向けてのモチベーションは消えてしまいました。

40%への目覚めとケース設計再燃

40%はリファレンスとして買ったKeychron Q9 Plusで割と満足してしまっていて、自前の40%を設計するモチベーションが沸かずにいましたが、じゃあいっそ30%でも試しに作ってみるかとビジュアル重視で設計したのがSlab30(現Slab40))です。

40%においても市販ケースで足りるならばそれでよいかなと考え探しましたが、40%で比較的標準と呼べそうなのは幅12Uサイズのもの(Planckなど)。自分としては最低でも13Uサイズでないと実用に耐えない*3と考えていたので市販ケース流用は断念、ケース設計熱が再燃したのでありました。

Menhirインスパイアなケースの設計

Menhirという40%キーボードが好きで。YouTubeのビルド動画でたまたま知ったのですが、造形のあまりの美しさに心奪われ、しかしもう終売ということで涙したのでした。ならば自分で作ればよくない?ということで、Slab40をベースにしてMenhirインスパイアなキーボードを設計することにしたというわけです。

2ピースでしかもテーパーがあるデザインなのでCNC的にはコスト高。特にJLCCNCのアルゴリズム的には斜めの面があるとお値段が急激に高くなるという学びを得ました。

まあでもエイヤで発注していったん完成。Menhirよりも余白とりすぎた気もするのですがこれはこれで美。インスパイア元のMenhir(立石)にあやかって、Henge(ヘンジ)*4と名付けました。

Damping ballマウントとの出会い

Henge40ケースを作成して気づいたのは、フォーム素材で上下から挟むだけの構造だと水平方向に動いてしまい、プレートがケースに当たってノイズになるということでした。これを避けるために何らかの方法で水平方向にも固定しないといけません。試作で候補から落としたTadpoleは、おたまじゃくしのしっぽの部分が水平方向固定の機能も担っていたわけですね。よく考えられてるわー。

Henge40の中に入っているSlab40プレートには、プレートサンドイッチで使う際のM3穴が開いているので、何とかこれを活用できないかと模索したところ、ツイッターの人に教えてもらってドローン用のDamping ballと呼ばれる部品と出会ったのでした。これが結構柔らかくて好みに近く、入手性も悪くないということで採用となりました。

スイッチパッド製造奮闘記

ケース本体の話からはそれますが、並行してフォーム類、特にスイッチパッド*5の研究を進めていました。

ケースフォーム*6やスイッチフォーム*7など2-3mm程度厚みのあるものは遊舎工房のカットサービスで対処可能ですが、スイッチパッドは0.4-0.5mmと薄いため対応していません*8。国内の一般的なフォーム材加工業者であれば大抵柔軟に対応してくれますが、総じて値段が高いです。10個程度のロットでは1枚がキーボード本体並みの値段になってしまうのでお話になりません。

ということで海外の業者になるのですが、JLCPCBのようにできるだけオンラインシステムで完結でき、フォーム材のカットが可能なサービスがなかなか存在せず。ほぼ唯一と言っていいXometry.comというサービスを使ってみましたが、米国拠点のため送料や関税がかさんでなんだかんだペイしないという結論に。素材もフォーム材は無理で、ゴム素材しか選べず微妙というのもありました。

最終的にはみんな大好きElecrowで相談したら普通にPORON、IXPE、PORONで相談乗ってくれて、受け入れられるコスト感で提示してくれた。やはり価格は中国、そして会話してナンボよね。

余談ですがElecrowはスイッチソケットのSMTに対応してくれる貴重なサービスでもあります。JLCPCBがスイッチソケットの取り扱いをやめてしまったので、大変助かりました。

Henge40の完成

というわけでPCB、ケース、フォームの設計・調達が終わりHenge40キーボードとして完成したのでした。

テーパーが美しく、ゴージャスなシャンパンゴールドのHenge40 Premium。ついでにYuzuで専用キーキャップも設計したりしてご満悦。

斜めの加工を省いた廉価版のStandardもできた。廉価版と言っても素材や構造はPremiumと同じでチープさはなく、これはこれで普通にかっこよい。Menhirからはだいぶ離れちゃうけども。

Henge40、キーケットで頒布するってさ

そんなHenge40はキーケット2025で頒布予定です!めっちゃ高くなるであろうPremiumは1-2個、まあお求めやすい感じになるであろうStandard版は10個くらい出るはず。

終わりに

この記事はHenge40 Premiumキーボードであらかた書き、Henge40 Standardキーボードで仕上げました。

宣伝

FreeCAD Web本(無料)

Henge40ケースはFreeCADで設計されています。これくらいのシンプルなキーボードケースなら問題なく作れるのでレッツトライ。Fusion高くて買えない人向け。Web本書いたのでご参考になれば。無料で読めます。

zenn.dev

過去に作ったキーボードの頒布

BOOTHで頒布しています。60%基板のYM60JIS/YM60Aと、40%キットのSlab40、Tofu60 2.0の分割スペース化基板YuTofuの在庫があります。

ymkn.booth.pm

*1:ガスケットという言葉が本来的な使われ方をしていない気がしてますが、キーボード界隈の業界用語ということでこれで行きます

*2:頒布を考えると、トラブルの要因になりうる設計は極力排除すべきと考えています

*3:12Uだと右手小指の記号がすべてオミットされるので、日本語入力時の長音記号入力用キーの場所に困る

*4:ストーンヘンジの「ヘンジ」。新石器時代の環状遺跡を指します

*5:ここでは、打鍵時の衝突音と衝撃を緩和するためにスイッチとPCBの間に挟む薄いフォーム材のことを指します

*6:ここでは、反響音の抑止やスイッチソケットのショートを抑止するためにケースの底に敷くフォーム材のことを指します

*7:ここでは、スイッチの音をミュートするためにPCBとスイッチプレートの間に挟むフォーム材のことを指します

*8:IXPEフォーム対応の噂ありましたが、今のところCorne Cherry専用フォームにしか使われていない様子

ドラクエ3 リメイク (HD-2D版) 感想

ストーリー終わったので感想。クリア後要素はやってない。FC版は小さい子供の頃に途中までやって挫折、だいぶ前にSFC版を1回クリアした感じの経歴。

HD-2D最高

まずとにかくこれ。HD-2D初体験なんだけどこれが非常に良かった。3Dなんだけどしっかり2D感、ドット絵感がある。ファンタジックな画作りや極端なBloom、DoFも効果的に働いているように思う。街をあちこちを歩いて眺めるのが楽しい。

HD-2Dっていう技術だけじゃなくて、町と村の違いや地域ごとの建築様式の違いとかちゃんと作り込まれてて良い。エジンベアは確かに洗練されていた。アリアハンの建築は少し芋っぽい

他のリメイクではドット打ち直したピクセルリマスター版とかもあるけど、妙にスムースになったドット絵はどうしてもコレジャナイ感が拭えなかった。HD-2Dはその辺の違和感を完璧にクリアしててもうこれが正解だろと思う。ファミコン/スーファミ作品は全部HD-2Dでリメイクしてほしい・・。

ストーリーの補完はとても良い

原作は容量や表現力の問題でやや説明が少なく行間を読むしかない部分も多かったように思うが、今回セリフやイベントが追加されてより感情移入しやすくなった。特にオルテガ周りは大量に補完されてて良かった。追加ボスの登場と死亡シーンは全体的に雑&適当すぎてもう少しなんとかならんかったんかとは思うが。

あとさんざん前フリで期待を煽ってたエンディング後のアレは後付け感すごくて正直肩透かしだったけどもね・・。別にこれでつながった伏線もないし・・。

まもの使いとレベルデザインが微妙

いいんだけど、なんだかなー、という感想。

新職業の「まもの使い」は救済要素、というか自分のように久々にドラクエをやる人や今回始めてドラクエをやる人が新要素に触れつつ躓かずにゲームクリア可能なよう、意図的に強く設計されてると感じた。魔物使い2人いれば「いばらの道だぜ」難易度でも楽々クリアできる感じ。

バランスブレイカーの「まものよび」。最強魔法のギガデインでも250しか出ないゲームでこの火力はやりすぎ。そしてもうひとつのブレイカー「ビーストモード」を使えばこれが2倍になる・・

一方で「いばらの道だぜ」難易度や追加ボスの設計は、とにかく敵のHPと攻撃力上げて多段攻撃させて、復活やら仲間呼びやらで長期戦させときゃええやろみたいな思想なのがもう全体的に雑だなーって感じですごく退屈だった。

バフデバフ入れる前に初手3回も行動されると普通に壊滅するので、良い行動を引くようにお祈りするか、キャラを育成しまくってパワーで殴るしかない。実につまらん。工夫して低レベルで勝つとかそういう楽しみはない。

ただ一応理解を示すと、リメイクである以上システムに手を入れられないのでこれしかやりようがなかったのではとは思う。まあそれでも敵に新しい行動を増やす、みたいな方向で調整してほしかった感はあるが・・。

リソース管理が実質不要。時代って感じ

オリジナル版と異なりふくろシステムやMP回復アイテム、商人の「おおごえ」が存在するため、HPもMPも回復し放題、実質管理不要となった。なのでダンジョンの奥深くでMPもアイテムもなくなり詰む、というようなリソース枯渇による全滅が起きない。戦闘で全滅してもオートセーブからロードすればお金を半分失うこともない。

まあただこれについては時代かな、という感じ。近年のゲームではこの辺のリソース管理にゲーム性を設定していない事が多いし、システム面は利便性が重視されている。いまオリジナル版の思想をそのまま再現しても不便さや理不尽さ、喪失感の大きさがデメリットになるだけという気がする。

あれだけ辛かったピラミッド地下のじゅもん禁止ゾーンも「とくぎ」の存在で回復し放題、ヌルゲーに

フィールド探索の楽しみが増え、買い物の楽しみは無くなった

ドラクエにおけるフィールドは街やダンジョンをつなぐ存在でしかなくて特に探索の必要性はなかったが、今回キラキラやひみつの場所が追加されて隅々まで歩く価値が生まれた。正直後半は作業的になっちゃうのは否めないけども、自分的にはプラス。特に船を手に入れたあとの発見の楽しさが増した。

反面、いいものやお金が拾えすぎて武器と防具屋の存在意義がなくなってしまっている。店で装備を買った記憶がほとんどないし、買うときもお金の心配をした記憶がない。これもリソース管理の話で、時代だなあというやつ。

クリア直後。25万もある。特に金策とかしてないでこれ

日和るな

あぶないみずぎがパレオ付きで全くあぶなくない。女戦士や遊び人女がしっかりケツを出しているのだからこれも素直に出しておけばいいのに。なぜ日和った?

<figcaption>持ってる武器も相まって原住民って感じ

おわり

なんだかんだ書いたけど、睡眠時間削ってストーリークリアまで楽しんだので総じて良かったかなと思います。おすすめ。

天キーVol.7参加メモ

天キーこと天下一キーボードわいわい会 Vol.7に参加してきたのでメモ。

自分の持ってきたキーボードたち

並べ方も写真もセンスが欲しい

Henge40

キーケットで頒布予定の金属塊40%キーボード。YouTubeのビルド動画で一目惚れしたMenhirというキーボードのインスパイア。台形状と無駄な余白最高。

展示してたものの中身は拙作Slab40の基板を使っているけども、いま製造中の正式版になるケースにはその上に置いてある改良基板を搭載する予定。

今回展示のR4行を思い切ってそぎ落としたデザインも好きなんですけどねえ。さすがにやりすぎたかなとか。

YM60JIS / YM60A

いつもの拙作60%基板。今回はYM60Aを持参。初めて来た人が結構普通のもあるんやなーと思ってくれたらいいなと思い。

60%って自作キーボード入門にちょうどいいと思うので初心者向けに供給し続けていこうと思ってたけど、遊舎工房さんがYK60ってのを出したのでついにお役御免かもしれない。

でもほらYK60はスペースバー長いしさ・・。

Brick40

niuniuさん作のBrick40。緑色が本当に鮮やかでかっこいいヤツなんだけども自分の写真の腕じゃ表現しきれなくてどうしても見て欲しくて持ってきた。モノとしてはビルドログで詳しく書いてるのでぜひご参照。

Keychron Q9 Plus with Cerakey

Cerakeyを買ったのでそれを見せたくて持ってきた。タイル張りのキッチンみたいで清潔感がすごい。

列省略無しの40%って結構需要あると思うんですよね。Excelとかプログラミングとかだとなんだかんだ記号がいつもの位置にあるのは強い。

気になったキーボードたち(会話できなかった編)

ttさんのInductionとBourdieu

Induction実物本当にかっこいい。やっぱ横長よ。BAEも良すぎる。Bourdieuもかっこいいのはもちろん、打鍵音が異様に良かった。特にポリカ?のスペースバー。どういうことかと色々問い詰めたかったのですが、話しかけるタイミング合わずで無念。どこかで捕まえたい(?

キーキャップも含めてセンスが良すぎる

河村さんのCerakeyのやつ (Nada65)

自分もKeychron Q9 PlusにCerakey付けたの持ってきたけど、自分のとは全然次元が違う音がしてた。筐体側の工夫だろうなあ。キーキャップセットとの差額考えるとタダみたいな値段だからNada65買っておけば良かったーって後悔するほどには新体験の音でした。

Pandaじゃないカラーもあったのね。。

konifarさんのLumberjack

THT部品むき出しのデザインが男の子心くすぐる。キーキャップのデザインが自然物と機械のコントラストになってて素敵。

こういうの自分も一回やってみたい。けど半田付けめっちゃ大変そう

krisさんのLAZYDESIGNERSのやつ

LAZYDESIGNERSのキーボード、全体的にすっごい好み、でも買い方がちょっとハードルあってなあ。。

これの他にもDUO60とかツボ

(お名前不明)さんのCisne

鏡面のいわゆるピアノブラック。ホンマかっこいい。

指紋付くけどそれを拭き取るところまで含めて愛おしく思えそう

会話させていただいた皆様

話すのに夢中で全体的に写真がない。。

Mogma Productsさん

キー部8%の時に変形機構について色々お話聞かせてもらったMogmaさんが隣の席でご挨拶いただきました。機構を改良されたとのことでお話伺いたかったですが、ちょうどオープニング始まってしまいその後タイミング合わず無念。次の機会にまたお願いします!

くりきさささん

40%Alice配列キーボードyak40の作者さん。テーパーの付いた台形状ケースが自分のHenge40に似ていて一方的に親近感湧いてましたが、くりさささんも同じように思っていてくれたらしく意気投合。(FreeCAD系のエンジンで)テーパーの付いた面の面取りがエラーになる・・というまさかのピンポイント過ぎる共通の話題で盛り上がり。

ケースのコスト削減に繋がるアイディアや、Alibabaの活用についてお話しいただけてすごく参考になりました!大変感謝・・

このクオリティを自分も出さないといけないな・・と身が引き締まる思い

ぴろりどんさん

開始前に声かけてくださってご挨拶。今回はセッションもありお忙しそうだったので激励だけさせていただき。キー部とかでもっとお話しできるといいなあ

halfさん

セッションで静音スイッチについて発表されてた。ステム形状で音変わる話は初めて聞いたとき目から鱗な感じでした。キースイッチをめちゃくちゃ沢山持ってて比較してる人なのですごく信頼できる。お勧めスイッチは多分思考停止で買っていい

ぎーくらびっとさん

相変わらずケース造形がすごい、ちゃんとした製品みたい。断面の厚みが変わるところで歪みやすいとのことで対処の構造のよう。

(その構造を伝える写真を撮り忘れている・・)

あと同時に展示されてたタッチパッド基板をいただいてしまいました。搭載キーボード作りたい。KeeBarの真ん中にタッチパッド置きたいわね。。

フォローしてなかったことに今気づいた。フォローしました(報告

ゆびながモンキーさん

拙作Slab40をビルドして持ってきてくれていました。ありがたい~~。ゆびながモンキーさんのBuffer49はR4行がかなり細かく刻んであるのですが、搭載されてたPBS Blanksのコンベックスキーの豊富さが遺憾なく発揮されてた。欲しい・・

余らせてた左手基板と交換でスイッチテスター基板いただきました。タクトスイッチの見た目がカラフルでかなり映えるので、せっかくだから自分も作ってみようかな・・

foostanさん

Corneliusの作りとかこだわりの梱包材について根掘り葉掘り聞いてしまった、あんまり面識無いのに今思えばちょっと不躾だったかもしれない。ごめんなさいね。でもめっちゃ参考になりました。大感謝です!

やはりAlibaba、そして最も大切なのは数を作る覚悟なんだわなと。

Murasakiさん

ご挨拶に来てくださって感謝。Akasha、以前Twitterでファームウェアビルドできずで止まっているところからそのまま進んでないとのこと、なんとか克服して開発再開して欲しくて色々お節介を言ってしまったかもしれない。

KLEでレイアウト作ってボタンぽちーしたらファームが出てくるくらいのがあってもいいよなあ、とは思う。作るか・・

ほか展示物前で会話してくださった皆様

興味持っていただいて感謝です!

ずっと張り付いてもいられなかったのでもっとお話しできる人もいたのだろうなあと思うとその辺の配分がやはり難しい。

企業ブース

Nuphyさん、Lofreeさん

スタビを売ってくれたのむ・・という話をした。世間的に需要はないんだけど、この会場の人は泣いて喜ぶからと。たのむ・・

FCLコンポーネントさん(旧 富士通コンポーネントさん)

Libretouchは昔一時期使ってたこともあったので復活するかも?と聞いて感慨深し。古いメンブレンのキースイッチと差し替えられるスイッチ(理解あってるか?)が興味深かった

終わりに

立ちっぱなしで足が破壊されたけど楽しかった!人の制作物とか見たり話聞いたりするとすごく刺激されて自分の創作意欲も湧いてくる。

キー部、次はどうしようかなーと思っていたけど行きたくなってきたので頑張って進捗出していこうと思います。

Brick40ビルドログ

Brick40紹介

多様なマルチレイアウト対応が特徴の40%キーボードBrick40を購入しました。

Brick40カバー画像

WK、WKL、HHKBの3種類のケース形状を選択でき、WK/WKLで15種類、HHKBで10種類の計25種類のレイアウトを選択できます。

Brick40形状

Brick40レイアウト

今回私はHHKB形状のケースを、プレートは17番と19番を選択しました。ANSIスタイルのEnterキーと分割スペースレイアウトの組み合わせです。19番は1列分キーが少ない感じですね。ISO Enterのスタイルもユニークでカッコイイなと思ったのですが、右上にBackspaceがないのは辛いかなと思い断念・・。

ケースは6色から(緑を選択)、ウェイトは仕上げ違いで2種類(なしを選択)、PCBもUSBのみ、Bluetooth対応、Bluetooth/2.4GHz対応の3種類(USBのみを選択)とカスタマイズ幅豊富。

ビルドログ

開封

開封

化粧箱にキャリングケース、その中にアルミケースと必要部品が収められていた。追加で購入したプレートはラップでくるまれて到着。

アルミケース。緑は攻めすぎたか?と思ってたけど、思った以上にいい感じの色合いで気に入った(果たして私のしょぼい写真で伝わるか・・)。「牛」は作者のお名前だそう(NiuNiu=牛牛さん)

付属品は左からドーターボード(USBコネクタ、LED)とフラットケーブル、LED用のディフューザ、バッテリモジュール用の穴を埋める用フォーム、マウント用ガスケットパーツ、ネジ類、PCB、フォームセット(ケースフォーム、PCBフォーム、スイッチパッド、スイッチフォーム)

付属品。KBDFans Tofu60/65 2.0用のマウント部品がそのまま入ってて潔い

組み立て

開封して気づいたのだけど説明書の類いが入っていない。Webサイトもろくに無い(もしくは中国語圏内にある?)し販売サイトにも掲載が無い。ということでノリで組み立てていく。

ボトムケースのバッテリ用穴にフォームを詰めて、ドーターボードをネジ止め

その上にケースフォームを敷く

トップケース側にLEDディフューザとLEDモジュールをネジ止め

プレートマウントスタビライザー初体験。表側からワイヤー部分の出っ張りを引っかけるように入れて(写真は裏面から見た様子)、お尻側を押し込む感じ

PCBの上にスイッチパッド、スイッチフォームを敷き、その上にプレートを載せてスイッチを取り付けていく。PCBはマルチレイアウト対応のため無数の穴が開いている。ノースフェイスとサウスフェイスごちゃ混ぜになるので、プレートを合わせながら合う向きにスイッチを取り付けていくと良い。しかし、スイッチパッドを載せると穴の向きがわからなくなってしまう・・・

マウントはシリコンソックスを選択。シリコンボウルマウントの場合はボトムケースにPORONも貼る。貼り方はTofu60 2.0のチュートリアルが参考になる。たまたまTofu60 2.0を組んだ経験があったからピンときたけどそうでない人どうすんだこれ・・

PCBフォーム。ボトムケース側に乗せてその上からPCBを置く感じでやってしまうとフォーム穴にPCB出っ張りがうまくはまらず、後でケースが閉まらなくなってしまった。試行錯誤の末、PCB裏面にマスキングテープで固定してからボトムケースに乗せるといい感じであった。そしてUSBケーブル側のフラットケーブルを接続する

USBコネクタ側のケーブルのコネクタはよくある跳ね上げ式の固定方法だったが、LED側のケーブルのコネクタは初めて見るタイプだった。黒い部分の部品を矢印方向に水平に引き出すことができて、この状態でケーブルを差し込み、再び黒い部分を元の方に押し込むと固定される

ケーブルをいい感じに気合いで折りたたみながら、トップケースとボトムケースをネジ止めして完成

設定

Vialに対応していた。レイアウト選択、LED調整も可能。

tofu40という名前で認識。40%のTofuっていうコンセプトなんだろなー、などと察し

複数レイアウトに対応。最下段がSHIFTになってる。Spaceの誤記か?

LED調整。デフォルトは輝度全開の真っ赤っかだったのでケース色に合う落ち着いた緑色系に変更

12レイヤーが準備済み。すご。キーマップはこんな感じで

終わりに

いつも自分で設計してばかりで、他人が設計したキーボードの組み立ては久しぶりで楽しかった。ビルドガイドがないのは辟易したけと、キーボードには多少の経験があったので、良いスパイスだった。

この記事はBrick40で書きました。

自作キーボードのキーの減らしかた

自作キーボード界隈の人はキーボードのキー数を減らすことに熱心です。キーが減るとキーボードが小さくなって机が広くなるうえ、キー配置がホームポジション近辺に整理されることで打鍵時の指の移動距離を最小化できるからです。そして何より小さいキーボードはかわいい。いいことしかないわけですね。自分も順調にキーを減らしていき、今は39キーまでたどり着きました。

最近設計したSlab30。この写真は41キーだが、今は左下右下のCtrlを取って39キーで使っている

しかし効率を求めるあまりキー配置やキーボード形状を大きく変えてしまうと、職場で使わざるを得ない普通の日本語キーボードのノートPCが逆に使いづらくなってしまいます。これは自分のポリシーに反するので、キー数を減らすにあたっては次のようなことを念頭に置いて進めました。

  • 一体型のロースタッガード形状を維持すること
  • 元の位置から大幅に異なる極端な配置換えを行わないこと

そしていきなり30%を目指すのではなく、ある程度のまとまりで段階的にキーを削っていくことで無理なく移行できたと思っています。下記の通りステップごとにまとめておきますので、誰かの参考になれば幸いです。

STEP 0: なぜキーを減らしても困らないのか

レイヤー機能

キーを減らした結果、減らしたキーの文字が打てなくなってしまうようでは困ります。なので減らしたキーの文字は「ある特別なキーを押している間にキーを打つと本来とは別のキー入力を行う」機能を使って入力できるようにするわけです。これはレイヤー機能と呼ばれています。ノートPCのFnキーと同じ機能ですね。

例えばレイヤー側の「1キー」に「F1入力」を割り当てておけば、レイヤーキーを押しながら1キーを押すことで、F1が入力されるようにできます。そうすると物理的なF1キーは不要になりますね。このようにして実用性を損なわずに物理的なキーの数を減らしていけるわけです。

Slab30ではメイン+3枚のレイヤーを定義しています。
写真1枚目がメイン(0番目のレイヤー)、写真2枚目が1枚目のレイヤー

レイヤー切り替え用のキーをどれに割り当てるかは重要で、かつ好みの分かれるところです。レイヤー切り替え中はそのキーを押し続ける*1都合上、手の動きが制限されてしまうからです(Shiftキーを押しているときなどを想像してください)。

私はスペースキーにレイヤー機能を割り当てています。スペースキーは左手と右手どちらの親指でも自然に押せる位置にあるのと、もともと親指はスペースキーを押すくらいしか仕事がなく他の指を邪魔しないため、レイヤーキー係として都合が良いのです。

Mod-Tap

スペースキーをレイヤーキーにしてしまったら、スペースは入力できなくなってしまうのでしょうか。大丈夫です。Mod-Tapと呼ばれる機能を使うと、長押しの場合と短押しの場合それぞれに別のキー入力を割り当てられます。

先ほどの私の例だと、スペースキー短押しでスペース入力、長押しでレイヤー切り替えを割り当てています。レイヤー切り替え用に専用のキーを確保しなくて済むので、キー数削減にも貢献していますね。

Vialに対応したファームウェアだとグラフィカルにModTapが設定できて便利

STEP 1: ファンクションキー行の削除

では具体的なキー削減の話に入っていきます。

よくあるノートPCの日本語配列は次のような感じですが、ここからファンクションキーの行と最下段のかなキーを減らせば、いわゆる60%サイズに移行できます。

よくあるノートPCの日本語配列

つまり、下記のような感じになります。この図では67キーです。

拙作60%キーボードのYM60JIS

この記事では、レイヤーに割り当てたキーはキーの前面(灰色部分)に記載することで表現しています。

下の図の例では、1~3キーの前面にF1~F3の記載があります。これはレイヤーキー+1~3キーでF1~F3が入力できることを表しています。

ファンクションキー

ファンクションキーはレイヤーに移動し、数字の1~0キーの位置にそれぞれF1~F10を割り当てています。物理的な位置もほぼ同じですし、キーの名前も数字と対応しているため違和感はほとんどありませんでした。

また、ファンクションキーに割り当てられている機能には代替となるショートカットキーがあることが多いので、今回を機になるべくショートカットキーを使うように矯正しました。

私がよく使うのは下記の通りです。

ファンクションキー 用途 代替ショートカットキー
F2 ファイル名の変更(エクスプローラー)、セルの編集(Excel) (残念ながら)なし
F5 再読み込み(Chrome) Ctrl+R
F6 ひらがな変換 Ctrl+U
F7 全角カタカナ変換 Ctrl+I
F8 半角カタカナ変換 Ctrl+O
F9 全角英数字 Ctrl+P
F10 半角英数字 Ctrl+T, もしくはCtrl+Pの後にCtrl+O
F12 デベロッパーツール(Chrome) Ctrl+Shift+I

よく使う割に替えが効かないのはF2だけですね。Microsoftはこれなんとかしてほしい・・。

半角/全角キー

日本語入力のOn/Offに使うキーです。60%の段階だとまだ居場所がありますが、いずれ40%になると置き場所に困ることになります。

加えて、そもそも頻繁に使うキーの割に位置が遠すぎるという問題もあります。キー数の削減を抜きにしても、日本語入力のOn/Offは別の使いやすいキーに割り当てるべきだと思います。

Windows標準の日本語入力機能(MS-IME)は、設定で日本語入力のOn/Offのキー割り当てを変更できますので変えてしまいましょう。私のおすすめは無変換キーにIME Offを、変換キーにIME Onを割り当てることです。

OnとOffを別のキーに割り当てることで、今OnなのかOffなのか覚えておく必要がなくなります。日本語を打ちたいときは常に変換キーを押してから打ち始めるようにすれば、日本語入力Offのままで謎のアルファベットの羅列を打ってしまう事故を避けることができます。

Escキー

半角/全角キーは不要になったので、Escキーは半角/全角キーの位置に移動します。慣れるまで半角/全角キーを維持したいなら、Escはレイヤー側に割り当てておくと良いでしょう。

Home、Endキー

HomeキーとEndキーは主にテキストエディタで行頭や行末へ移動するのに便利ですね。私はレイヤーの←キーと→キーにそれぞれ割り当てています。←が行頭、→が行末と連想しやすく、またPageUpとPageDownがレイヤーの↑キーと↓キーに割り当てられていることもあり、移動系がカーソルキーにに集約されてしっくりきます。

Delキー

レイヤーのBackspaceキー位置に割り当てます。元々の位置とも近いですし、いずれも字消しのキーですからイメージしやすいです。

かなキー

かな入力を使わない人にとっては誤爆の原因にしかならない邪魔なキーなので単純に捨てます。これで1キー分の空間が空くので、拙作YM60JISではスペースキーと変換/無変換をホームポジション中央に対象となるようにサイズ変更と移動を行っています。

STEP 2: 英語キーボード風BackspaceとEnterの導入

日本語キーボードの大きなEnterキー(ISO Enter)は2行に渡って空間を占有しているため、キー数を減らして「土地」を効率的に使いたいという観点では少々贅沢です。そのためEnterはANSI風の横長キーに置き換えるべきだと考えました。

Enterが横長になるとホームポジションから近くなるというメリットもあります。ホームポジションを維持できるとタイプミスを減らすことができるので大変重要なことです。より遠いBackspaceについても同様のため、こちらもANSI風の横長のキーを採用することにしました。

拙作YM60A。あくまで日本語キーボード

これらの変更により閉じ角括弧キーの位置が変更、円記号キーが削除され、キー数は66キーとなりました。

角括弧キー

閉じ角括弧キーは今までEnterキーの上半分が占有していた位置に移動となります。ただ、開きと閉じの位置関係が今までの縦配置から横配置に変わったため、なかなか違和感が拭えませんでした。

結局、私はその違和感を克服するよりも、角括弧キーをレイヤーの山括弧キーの位置に割り当て、そちらをメインで使うことを選びました。

山括弧キーは元々横配置のため打ち慣れていますし、同じ括弧仲間なのでイメージもしやすいです。この配置はすぐに慣れることができました。

円記号キー

円記号はWindowsにおけるパス区切り文字であるため多用しますから、これがなくなると結構不便です。しかし円記号はバックスラッシュキー(いわゆる「ろ」キー)でも打つことができるので、そちらを使うようにすれば苦労はありません。

しかしながらパイプ(|)記号を打つには依然として円記号キーが必要なので、レイヤーのバックスラッシュキーの位置に円記号キーを割り当てることにしました。行の位置が元の位置から大きく変わるものの、同じ円記号のキーとしてイメージしやすいと思ったためです。

ちなみに「ろ」キーは英語キーボードには存在しませんが、拙作YM60Aでは残してあります。

ちなみに一時はEnterキーの上半分の位置のキーに割り当ていましたが、この位置はイマイチ慣れませんでしたね。閉じ角括弧として使っていた時期があったから混乱してしまったのかもしれません。

STEP 3: 数字行の削除

数字行を削除すると、いわゆる40%と呼ばれるサイズになります。数字行には数字キーの他にいくつかの記号キーが含まれますが、特にマイナスキーは日本語の長音記号の入力に使われるため、これをどう解決するかが難しいところです。

非対称なスペース分割も悪くないな、と思ったKeychon Q9 Plus

40%の時代はKeychron Q9 Plusを上記のようなキー配置で使っていました。これは53キー+ノブです。

数字キー

慣れなかった横一直線の配置

数字キーはそのままQの行に下げてレイヤーに割り当てました。数字キーに十分慣れている人は違和感なく移行できると思います。

しかし恥ずかしながら私は数字キーのブラインドタッチができなかったために、最後まで慣れることができませんでした。特に右手側の1つめの指である人差し指が7から始まるというのがどうしても違和感があって、毎回探してしまっていました。

さらに、Shift+数字キーで打つ記号の入力も難しくなっていました。レイヤーキーとShiftの2つのキーを押しながらの入力になるため、ホームポジションが大きく崩れるうえに、%や&あたりは指が遠くてプルプルします。

「&」を打つ際の運指。キツい

これらの問題は次のステップで一応の解決を見るのですが、Keychron Q9を使っていた時代は良いキー配置を見いだせず、結局40%を諦めてしばらくの間60%に戻っていました。

マイナスキー、ハット(^)キー、Backspaceキー

これらはそのまま1行下にずらし、Pの隣に移動しました。元々置いてあった@キーはレイヤー側に移動しています。日本語入力の関係でマイナスキーの方が利用頻度が高かったため、このような判断となりました。

しかし元々@キーのあった位置に別のキーがあるわけですから混乱しがちです。@はSNSやチャットツールで利用頻度が高いこともあって悩みどころです。

角括弧キーはすでに山括弧キーのレイヤーに割り当て済みであり必須ではなかったため、そのままハットキーとBackspaceキーで置き換えとなりました。

Escキー

これはレイヤーのTabキー位置に配置しました。Escは利用頻度も低いですし、位置的にも特に違和感はなくすぐ慣れました。

STEP 3.5: 右手小指の記号キー削除

右手小指ゾーンは左手小指に比べてキー数が多く、EnterやBackspaceへの距離が遠くなっています。距離が遠いとホームポジションが崩れ、結果ミスタイプが増えがちです。

この問題に対して、多くの40%キーボードはLの隣のセミコロンキーやコロンキーを削ってEnterキーをホームポジションに近づけています(これらが残っているKeychron Q9は珍しい方です)。

右手小指の列を1列削るか2列削るかは大きな問題です。2列削ると右手小指の真下にEnterキーが来て指の負担が最小化しますが、記号キーの置き場所がメイン側になくなってしまい、特に日本語入力時の長音記号の取り扱いに著しい支障が出ます。

1列削りの拙作KeeBar S

2列削りの拙作PinKey。数字キー維持と外側に4キー設置しているので長音記号問題が救われてる

また、削られた記号キーはレイヤー側に逃がすことになりますが、右手小指キー位置の割り当てが渋滞するため、元の位置と全く関係ない場所に割り当てる必要性が出てきます。こうするともう無理矢理新しい位置を覚えるしかなく、冒頭に掲げたポリシーに合わなくなってしまいます。

結局私は、サブレイヤーを2枚に増やしそれぞれのレイヤーのPキーとセミコロンキー位置に割り当てることにしました。しかしどっちがどっちのレイヤーかがまだ慣れません。

STEP 4: 矢印キー、および最下段行のAlt、Win、Ctrlの削除

40%からさらに矢印キーといくつかの修飾キーを削れば、30%の世界が見えてきます。矢印キーをレイヤーに移動し、利用頻度の低い修飾キーを削減していきます。

試作中のSlab30。39キー

矢印キー

矢印キーをレイヤーに移すわけですが、カーソル移動ごときにレイヤーキーが必要なのはさすがに煩わしいのでは、と疑念がありました。しかし実際にやってみるとホームポジションを崩す必要がなくなり、非効率どころかより効率が良いことに気づきました。レイヤーキーを押すのが面倒ではとも思いましたが、矢印キーを押したい場合は大抵キーボードに両手があるので問題ありませんでした。

割り当てる位置にはいくつか候補があります。

  1. HJKL (viのキーバインド)
  2. WASD (ゲームでよく用いられる)
  3. IJKL (WASDを右手ホームポジションに移動。キーボード愛好家の中では実績が多い模様)

viを使い慣れている人は1がベストでしょう。しかし私はそうではありません。2は親しみがありますが、左手というのがいただけません。またホームポジションから1つズレているのも気になります。

ということで私は3つめのIJKLを選択しました。カーソルキーは右手、という意識と合いますし、ホームポジションを維持できるので位置取りもしやすく、思った以上に違和感なく利用を始められました。

IJKL最高

あまりに快適なので、今は60%キーボードにもIJKL割り当てを逆輸入して使っています。AutoHotKeyを使えば会社のPCでも同じ操作が実現できそうなので、今度試してみようと思っています。

また、すべてのレイヤーのIJKLに割り当てることが重要です。一部のレイヤーのみにするとテキスト編集中の運指が複雑になってしまって非効率でした。今どのレイヤーにいるかを考えずとも、とにかくIJKLでカーソル移動できる、という状態にできると安心です。

Winキー、Altキー

AltとWinキーは、ほとんど使っていない右Shiftの位置に移動しました。誤爆時のダメージを最小化するため、メインをAlt、レイヤーをWinとしています。

しかしずっと左手Altに慣れていたせいで、右側にAltがあるのは違和感が拭えません。特にAlt + EnterやAlt + Tabの操作は体に染みついているし、これを右Altに矯正するのは冒頭に掲げたポリシーを逸脱します。

Slab30にはちょうど左Altキーの位置にレイヤーキーがありますので、レイヤー側でAlt + Enterを定義することで、レイヤーキーをAltを押しているかのように扱えないかと考えました。これが結構うまくいってお気に入りです。

Alt + Enterに近いキー配置

ただ、単発でいいAlt + Enterはともかく、Altを押したままTabだけを何度も押すという操作することの多いAlt + Tabはこの方法だとうまくいかないのですよね。ここはもう少し探求が必要そうです。

左下のCtrlキー

CapsLockの位置にCtrlキーを割り当てることで削減できます。が、自分は左下Ctrlが完全に体に染みついており、かつ会社のPCではCapsとCtrlの入れ替えが難しいということもあり悩み中です。ただ、CapsLockの位置のキーは今まで完全に役割がなく勿体なかったので、Ctrlとして使えるようにしばらく訓練してみようと思っています。

数字キー

40%で結局慣れなかった数字キーの配置ですが、6以降を左手側Aキーに割り当てるように変えたところ、違和感が幾分マシになりました。右手親指をレイヤーキーとして、数字入力専用のレイヤーを設定しています。

右手親指キーを押した状態では、左手は数字入力専用モードになる感じ

また、数字キーの記号が打ちにくい問題については、US ANSI Shifted Symbolsと呼ばれるShiftキーなしで直接記号を割り当てられる機能でさらに別レイヤーに割り当てます。こうすることでレイヤーキー+数字キーだけで対応する記号を打つことができます。

左手親指キーを押した状態では、記号入力専用モードになる感じ

さらに次のステップへ

私はまだ未到達ですが、Mod-Tap機能を駆使すればまだいくつかの修飾キーを削減できる余地があります。例えばQAZと呼ばれる配列ではAの長押しにCtrl、Zの長押しにShiftを割り当てることで、左手のTab、Ctrl、Shiftを削減しています。

制御コードの入力で知られるように、レイヤー+HにBackspaceを、レイヤー+MにEnterを割り当ててそれに慣れるようにすれば、右手の修飾キーをすべて落とせるかもしれません。

33キー。理論値か?

キー削減の道はまだまだ続きそうです。

*1:押したままという操作以外にもレイヤー切り替えする方法は色々あるが、ここでは割愛

キー部 8% 参加メモ

キー部 8%に行ってきました! のでレポートというかメモ。

キー部の印象

キー部への参加は今回初めて。広く一般向けの天キーよりもキーボード設計者向けの会ということなので、研究レポートの1本でもこしらえてセッション発表しないといけないのかな・・なんて怯えていましたが、行ってみたら全然そんなことはなく、会の雰囲気自体は天キーと大体同じ感じでゆったり、人数が絞られているぶんコミュニケーションにたっぷり時間を使うことができました。

持って行ったもの

今回は手提げで行けるように厳選して2本だけ。

  • 右下:Frame60(仮)。打鍵音研究&追求用試作ケース(PCBはYM60A)。今回は専用スイッチパッドをXometry.comで作成して搭載してみた。音がまろやかになった気がする
  • 中央:MonakaPad。打鍵音比較用マクロパッド。片方にはスイッチパッドとスイッチフォームが搭載されている
  • 上部:YM60A/JIS用スイッチパッド。ニトリルゴム製。ゴムくさい
  • 左下:Slab30(仮)。30-40%試作。前日に青い箱が届いたのを急ぎ組み立てた

見てくれた人の反応:

  • Frame60の打鍵音を褒めてくれる人が多った。嬉しい。スイッチパッドの効果については肯定多し(正直会話の流れのバイアスあったとは思うけど)
  • スイッチパッドのコストは5æžš$86+送料$36。まあ高いみたいな反応。わかる。でも国内業者で見積もったら1æžš1万5千円とか言われたので、それに比べたら全然安いのよね
  • ケースとキーキャップのデザイン合わせ褒めてもらえた。かわいいよね。自分でもかなり気に入っている
  • 真鍮の枠、$90+送料$9で自分では高い~と思ってたけど、金属ベテラン勢いわくそんなもんらしい。金属怖い
  • Slab30はWKLのような切り欠きデザインが良いね、と言ってもらえた。あとサンドイッチマウントだと試作感が強いみたいで、ケース作るの?みたいなコメントは多かったかも。作ります
  • Frame60のマウント方式について、自分を捕まえてまで質問してもらって嬉しかったけど、真鍮を上から置いただけのマウントも何もない構造なのでちょっと申し訳なかった感(言及いただきました→ キー部8%に参加した話|Murasaki)
  • 3Dプリントケースの精度(収縮)について。0.7-0.8mmくらい縮んで試作ケースを1個ダメにしたので、逆算して作り直したという話

気になっていろいろ聞いたもの

Mogma Productsさん

  • 折りたたみ機構がカッコ良くて質問攻めしてしまった。真ん中のヒンジの部分をバラしてまで構造を説明してくれて感謝しかない
  • 左右の接続は1mmピッチ10ピンのフラットケーブル。やはり左右を単純接続しようと思うとどうしても信号線が増えるから1mmピッチはコンパクトでいいなと思った。ピン数はギリギリとのことで、これ以上キー数増やすならもう少し幅広になるが許容範囲な感じあった
  • ピッチが狭いからコネクタの半田付けの難易度が高いとのこと。頒布となるとその点が上級者向けになってしまいそう

KK@Kさん

  • キーケットの時に気になってた(忙しすぎて買いに行けなかった)Trackeyを見せてもらった
  • 左右のボタンはスライドスイッチ的な構造で、押すだけじゃない。スライド強さに応じて高頻度で入力が入る感じ。すごい
  • あとTwitterで見かけていいなーと思ってたRiemannの実物を見てかっこいーばっかり言ってた。曲線的で無駄のないデザインと、ロゴの字体がマッチしてて好き

donchiさん

  • 見た目がとても美しくて心奪われてしまった。写真撮り忘れてたことに気づいてショック
  • 素材とか聞いたら普通にJLCPCBの黒レジンだった。これをさらに黒塗装したとのこと。明らかに質感が増していて塗装すごいってなった
  • 適切なサイズの無刻印のキーキャップがなかったからレジェンドを塗装して作り出したとのこと。パワー

覚道健太郎さん

  • 上のはJLCPCBのMJF(ナイロン)、めっちゃ軽い、表面仕上げなし塗装なしの状態で、グレーのスエード素材っぽい見た目になってていい感じだった。MJF検討したことないけどちょっと気になってきた
  • 下のは板金、2枚で構成。それでもアルミCNCより断然安い。そしてやっぱりメビー。底面は複数回折り返しでガスケットマウント用の台座まで作った。ステンレス自体が重くて何もしてないけど音が良い、やっぱり重さは正義と再認識した

threeさん

  • ベースがオフホワイト塗装でキーキャップがモカな色合い、そして余白多めのキー配置とタクトスイッチむき出しな感じとかが産業機械の制御盤みたいでレトロかわいい。んですごく薄い。サリチル酸さん本見て初めて作ったらしいが1作目でこれはすごい
  • ノートPCみたいなアイランド型のトッププレートが攻めてる。1mm幅のドリル穴開けになったろうからJLCPCB頑張った感(やはり結構ガタガタ)、ai03さんも途中から混ざってきて、実際世間のノートPCはどうやってこういうほっそい壁の穴作ってるんだろね?みたいな話した

(お名前失念)

  • 40%のキーレイアウトについていろいろお話
  • QMKとアプリが通信して画面にレイヤー情報とか出せたらおもしろいよね、的な話をした

ぴろりどん さん、ai03さん

  • 打鍵音は変数が多すぎてつらい、自分の耳で聞く以外にないって話で共感。世間で話されている打鍵音に関する言説は個人の感覚で話している部分が多いから、好みとしてはもっと工学的な観点が良くて、客観的に感覚を共有できる共通言語的なものが欲しい
  • 波形で分析とかちゃんとしたいと言ったら、機嫌を損ねたシェフ さんがやってるよとのこと →ホットスワップで打鍵音エンドゲームのキーボード自作
  • Thockな音作りを目指すと音の個性が消えがち。まあ基本方針がフィルタだからそれはそうかもなーと。まあ好きだからいいか・・
  • ステム素材とステム先端形状が押し込み時の音に、リリース時の天衝き音はハウジングの素材が影響。ステム先端が平たいか丸いかで大分変わる。ステムがUPE素材だと同じような音に寄りがち。PCのハウジングだけはどうも変な音が鳴る気がする。最近HMXとBSUNしか買ってないからこの辺偏ってる気がした。違うメーカーのも買ってみようと思った
  • プレート素材は指への衝撃吸収に大きく影響。柔らかいのがよいのでPC最強。但しアルミ等の金属素材でもマウント構造などの別要素で吸収するなら、アルミ素材自体の音とか剛性は評価できるとのこと。ずっと最近FR4だけど、アルミプレート再評価してもいいかもって気持ちになった
  • リーフスプリングマウントって実際どうなの?バネ性が強くなるから打鍵時の振動が全体に伝わるようになる、それがいいかどうかは好みが分かれるね、とのことで、まあじゃあ無理せんでいいか・・KiCADで曲線引くのめんどくさいし・・となった

この記事は

Frame60(仮)で書かれました。