なんかCSいけそうな気がちょっとしてきたので読者投稿させていただきたく思います。
テーマは伸張反射（脊髄反射）とムチ動作について。

◯
{!ﾊ
ヽ !}　　　　　　　　　　　　　　　　　 ムチ動作とは、体幹-肩甲-上腕-前腕-手首-指、あるいは
　ヽ.ヽ
　 ヽ_..ヽ　　　　　　　　　　　　　　　骨盤-大腿-下腿-足首-前足部、といったようにまず中枢側が動き、
　　 ヽ:::::ヽ　　　　　　　,ｨ::::::ヽ
　　　 ヽ:::::|＼__　　　 ｨ|/￣三}　　 そこに末梢側の動きを連続して上乗せしていき、
　　　　 ＼|　　 `'ｰ-､ 〉　　 /
　　　　　 ＼　　　　 !::!＿-´　　　　四肢先端速度を最大化していく動作です。
　　　　　　./　　　　∧::ノ＼
　　　　　 /　　　　　　　　　{、
　　　　 /　　　　　　　／丑気
　　　　 {ﾐ≡＿ , -､{〃=、／,
　　　　 |　 ￣/　　￣∧ ヽ}´　　　上半身では投球動作、下半身では蹴球動作が代表的です。特に投擲は
　　　　 |　　 {　　　／
　　　　..|　　 |　　 /　　　　　　　　二足歩行をする人類の特権であり、遠隔攻撃手段として他動物に対する
　 　 　 |　　|　　 |
　　　　　| 　 }　　/　　　　　　　　 原始人類の大きなアドバンテージとなってきました。
　　　　　￣/　　/
　　　　　　/　　/
　　　　　　三=/

.

　　　　　　　　　　　　　,. . . : : ─: . . . . .
　　　　　　　　　　 ＞: : : : : : : : : : : : : : : : ｀ . ＜
　　　　　　　　 ／: : : : ::､＞ ￣:＼: : : : : : : : : :ヽ＼
　　　　　　　 /: : : : :／: : : : : : : : : ＼: : : : : : : : ::ヽ:必､
.　　　　　　 /: : : : :/: : : : : : : : : : : ヽ: ＼: : : : : : : : :∨ｌﾑ _＿＿＿
　　　　　　/: : : : :,': : : : : : : : : ∨: : : :ﾏ: :＼: :∨: ::ｌ: ::∨ヾilililililililil/　　　　　動作の要点は
　　　　　 /: : : : : {: : : : : : : : : : ::∨: : :}ヽ─:＼‐: : :ｌ: : :∨く}ililililil/
　　　　　/: : : : : :{: : : : ::､::ﾑ: : : : :∨／| ＼:: : ::}ﾏ: :|: : : ∨:}ili　　　　　　　　（1）中枢の高度な緊張と筋力（よく混同されるが別物）
　　　　 ,': : : : :: :::{: ::{: : ::∨ﾑ: : : : ::}: : :|　_ｨ｀从|ｪｭ::|: : : ::∨il_-=ﾆ二
.　　　　　{: : :ｌ: : : : :|: ::{: : :‐∨ﾑ: : : : :}: : | f/r::心　 }: |_-ﾆニニニニニ　　　（2）手足の適度な脱力と伸張反射の誘発、
　　　　{: :ｌ::}: : : : ::ｌ: :／{: ::|ヽ::ヽ: : : |ﾏ::|　 乂i:::ﾘ_-ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニニ
.　　　 {: :{: }: : : : :ｌ:/: {ﾏ从|z忝 ∨: :| ﾏ} 　 _-ﾆニニﾆﾆﾆﾆ＞. ´￣　　　　　 そして（3）各関節の自動化された連続動作です。
　　　ｨ{: :{:/ : : : : :|:{: :ｌ　/　.f::心 ヽ::ｌ xx_-ﾆニニﾆﾆ＞: :´: : : ::∨ilil＞
　 　　.ilil|: :,': : : : : : |: ｌ､:{ﾘ{　 乂i::ﾘ /' _-ﾆニﾆﾆﾆア´ |:|: : : : : : : :∨　　　　 それぞれちゃんと学ぶには複数コマの授業が必要な代物ですが、
　 　　　il∨: |: : :: : ::|: : :ヽゞ　　｀ﾞ　 _‐ﾆニニニ／u　/ |: : : : : : : : :､
.　　　 /: : |: : : : : :|:ヽ::{ ヽ r ＾ヽ_-ﾆニニﾆ／　　 ｲ::::|: : : : : : : : : }　　　　　　今回は（2）を中心にざっと語りたく思います。
　 　 /: : : |: : : : : ::|: : ﾞ: : :_.ｌ　　}ﾆニﾆﾆ／　　／　|::::|: : : : : : : : : :}
　　/: : : : |: : : : : : :ｌ: : ::r''"乂_ﾉﾆニニ/─　 '　／￣||: : : : : : : : : :}
　 ,': : : : : |: : : : : : ::ｌ f'~|　　∨ﾆニニ,'

.

　　　　　　　　　　　　　　, : ':´ : : : : : ｀` :.
　　　　　　　　　　　　／: : : : /: : : : : : : : : ｀ヽ
　　　　　　　　　　　.: : /: : : :,':: : : : : : : : : :l : : :.
　　　　　　　　　　/: : /: :ﾄ、｛: : : : :lヽ:,イ: :l: : ,.. - ..、　　　　　　,.. - ..、
　　　　　　　　　 /: : :i: : :l:/｀∨ : : l ´}:∧: l: f　,、ﾍ ∨　　　　 / ヘ,、 ｌ
　　　　　　　 　 <: : : l: : :イ抃ﾐ∨: l ｲ抃ﾐ:,|:∧ ',:::::::', ∨　　　f /::::::/ /
　　　　　　　　　 /: : :l: :ﾑ' Vzｿ 从l　Vzｿﾑ: :∧ ',::::::', ∨　　 ｌ l::::::/ /
　　　　　　　 　 /: : : i: : :＼　　　'　　　／イ: : ∧ ',::::',　l ＿　ｌ l:::/ /
　　　　　　　 ／イ: :从: :込、　 （__）　　ｲ:/: :／ :.>｀´　　　　　　｀ く
.　　　　　　　　 / : : : :ヾ: :｝ ＞　 _　＜／イ/: : / ,. - .、_ ,,. - ' ¨ " ',　　　　　　　伸張反射は脊髄反射とも呼ばれます。
　　　　　　　　人: :ゝ: :ﾉﾙ' ｝=┘　　 ﾄ=.｛: :/ : :ｆ ｛::×::｝　　　　∩　 ∨「
　　　　　　　　 ,ュヽ:＼ : : : l　 ＼ ／　ゝ／: : ｛_,.ゞー　　 ，　　U　　 ｝　　　　　　脊「椎」反射じゃありませんよ？
　　　　　　　／二二',: ｝: : ﾉ＼/´Y｀ヽ ∥: :, :く 、/⌒ヽ────ｧ /、
　　　　　 ／二二二｝/: ／===ﾃ介ﾐ＝/:／: : ∠l　　　ｌ＿＿＿_ノ／／ー 、　　　脊椎は背骨のこと、脊髄はその中を通る下位神経中枢です。
　　　　／二二二二ｌ: :/、,_〃´ ハ ヾ/ : : ／=≡l　　 /ー - -─　　＼＿ソ
　　 ／-＜二二／/: /｛ニニゝ/｀´lゞヽ: :/=l二ニゝ　 l＼／＼／ﾍｌ￣　　　　　　（「関節」「間接」と同じくらい誤字られます）
　 ｛ ニ ニ ヽ／　 ｛:｛　ｌ二l∥二くﾉ二ｌ＼ヽlニニ二/ゝ＿＿＿_ ソ
　　ヽ二二二＼　 ヽ｝　l二ｌ○二二○l二ﾍ:＼ニニニニニ/
　　　ヽ二二二ユ、 ｿ　.｝=ｌ二二二二l二ソ: ノ二二二二/
　　　　`、二二二｝　　/二ｌ○二二○ｌﾑイ、　　ゝ、二／
　　　　　',二=/´三＼/二/二二 二二l二ユ　　　　 ¨
　　　　 　 ー｛=/　　/二/二二二二二ｌニニ＼
　　　　　　　 iヽｌ_,,ィ'二/○二二 二 ○lニニニ＼
　　_;;x-=≡二二二／/二 二二二 二∧=ニニ二＼
f⌒ヽrーュ、=二／::::/ニニニニニニ/:::::',ニニ二二＼

.

　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _,.　-‐…‐-　 .,_
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ,　 ´ : :／⌒｀ヽ、: :｀ヾ''* ,,
　　　　　　　　　　　　　　　　／／: :.:/: : : : : : : :ヽ : : : ⅵ1:ヽ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ｨ´: /: :.:/ :|ⅰ: .:|i:.ｉ: : : :ｉ:. : : : ⅵi 　　　　　　　　　筋肉には大別して2種類の末梢神経～運動神経と
　　 　 　 　 　 　 　 　 ／/: .:,ﾞ : ,ｲ: :ｉ|ⅰ: .:|ｉ |:. : : ｉ ｉ: : : : ｉi:ｉ: : :'仁ﾆﾆ}
　　　　　 　 　 　 　 〃　' : : ｉ: :/ |ｉ: .:! i : : || ﾄ､: :ⅰ!: : : :ｉ|i:i: : .:|ﾆニ=}　　　　感覚神経～があるのですが、脱力した筋肉が
　　　　　　　　 　 　 || 　l:ｉ : :|i.:l￢ト､|ⅰ: .:|斗‐￢ｉ i : : : ｉ|⌒Y.:|ﾏニ=}
　　　　　　　　 　 　 |! 　l:ｉ : :|i ｨ示ミ!! i : : {ｨ示芋ﾐ:i : : : ｉ|ｰｲ Yﾆﾏニ}　　　　急に伸張されたとき、「引っ張られてる！このままだと筋線維がちぎれるかも！？」
　　　　　　　　　　　 {　 从 : |i :|弋ツ乂___.ゝ弋ツ1li : : : ｉl.:ノ｀}!ﾆﾆﾏ7
　　　　　　　　　　　　　　ハｲi :ゝ　　'　　　　　　 ,州: : : .:| Υ二ﾆﾆ｢　　　　　という情報を脊髄に伝えます。
　　　　　　　 　 　 　 　 //i :ﾚﾍ{ 　 ､　　 , 　 　 /,.:ｉj: : : :,ﾞ,:ｲ=ﾏ二ﾆ|
　 　 　 　 　 　 　 　 　 // j!ｉ:i〕 : 〉,　　￣ 　-=彡'/,ﾞ: .: :/´ﾆﾆ=}寸ﾆ{　　　　 脊髄は小脳など上に報告する一方、当面の現場対応として
　　　　　　　 　 　 　 //_,ﾉ|: jﾘﾞ/;伐in．,. -‐≦: /:,': ; ｨi{ニﾆﾆ={_ `マ､_
　　　　　 　 ,斗-＜￣￣　| jﾘ : ム三ミ;)　/: : /..:∠ﾆヾ二二二ﾆ=､ ｀´　　　 同じ筋の運動神経に指示を出し、筋収縮を促して伸張に抵抗させます。
　 _,, *'”＞'´￣”''*､_　 　 И: :ム二ア_,ｨi7: : .'∠二ﾆﾆﾆヽ二二ニﾆ
/　　　　　　　　　　　￣｀ヽｌ: :{二ア二ﾆ7 : : ムィ　　　　｀ﾏ:､　　￣ヾ、　　　　この現場対応が伸張反射です。
.{ /　 　 　 　 　 　 　 　 ,.斗ヾ:{二二ﾆ-7 : :/　　　 　 　 　 }ﾆヽ＿＿_
　〈　　　　　　　 　 　 ∠ニﾆﾆム'´　　_,.l: .:/　　　　　　　　 }二二二ニヽ
.　＼_　　 　 /　　　ムニ=ア゛　 ＼＜　!ﾊ{　　　　　　　　 ,仁二二二ﾆﾆ〉
　　 　 ￣￣｀ヽ==ｧﾏﾆﾆ7　　　　_ ヽ ヽ{　　ヾ、　　　　　.: }二二二ﾆアﾞ　　　いちいち上（大脳運動野とか）からの指示待ってたら組織は回りませんからね。
..　　　_, ‐''´￣￣ 　 ＞-ｨヽ　ｌ |_j ＼＼￣｀ヽ､_　　　　 .: /}二ﾆﾆア゛
.　　　 {/￣｀ヽ､　　 ´　 　/` ｰ'´　＼ ￣　　　　 ＼　　　,: ├一''´

.

　 　　 　 ,,＞‐=≦≧x､
　　　,ｨ／√/｀´: :＼＼｀ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　 伸張反射を活用する利点は2つあって、
.　　 /:/: :,: : : : : : : : ﾊ : ',: :l
.　　 {_|: : l: : : :l : : : : :｣＿ : l　　　　　　　　　　　　　　　 1つは発動が早いので各関節の連動がしやすいこと、
. ＿{_|: : l ＿_ﾊ: : : :ｨzzzx: :ヽ　　　 ,ｨzxzx￣ヽ
　 ﾏ=ﾑ : Ｖ,ｨzzx从:/ ﾋﾘ　从:ﾄヽ. ／ニニﾆ}.イ｣　　　　　もう1つは無意識的に筋収縮できることです。
　 ﾏ=ﾑ: :.ヽ ﾋﾘ　　 , 　　 ': :ﾘ ／ニニﾆ=-'　　　　
　 /ア∧: :ヽゝ　　　 ｧ ,ｲ＞'´ニニﾆ／　　　　　 　　　　つまり意識というリソースを、体幹を強く締めて安定性を上げたり、末梢を器用に動かしたり、
　　 ⌒/ﾆﾍ: : :})h､ ｀ -=ﾆニニニﾆ／　　　　 　 　
　　/ﾆﾆﾆ＞''´ニニニニ=ﾆ=-　､　　　　　　　　 　　　　あるいは各関節に意識して力を上乗せすることで先端出力を上げたり、
　　 　 　 {ニニニニニﾆ=-　ヽ: : : ＼　　　　　　
　　 　 　 {ニニニﾆ=- ﾍ:i:｀ヽ┘､: :}⌒　　　　　　　　　　状況に応じて選択的集中投下できるんですね。
　　 　 　 ∨ﾆ=-　ニﾍ０ﾍi:i:i:Ｖﾆﾍ:}_＼
　　　　　∨二ニﾆﾆﾍニヽi:i:＼二ﾆﾆ＼
　　 　 　 　 ∨二ニﾆﾆ}０ニ＼i:i::｀''＜ﾆﾆ)h､　　　　　　これにより1から10まですべて随意運動で行くよりもよほど安定して、正確で、
　　 　 　 　 ∨ニニニ}ニニニ≧=≦/二ﾆﾆ}　　
　　　　　　　∨二二 }ニニニﾆ}. ,ｨ(二二ﾆ/　　　　　　　そして強く速い動作が可能になります。
.　　　　 　 　 }二二ﾆ}０ニニﾆ／￣｀寸ア
　　　　　 　 〈二ニニ}ニニﾆ//// ,　/　　　　　　
　　 　 　 　 ｢｀''＜ﾆ=- ￣　 7//ゝ‐'　　　　　　　　　　　運動神経が良いと言われる人は、大抵がこの
　　 　 　 　 ∧　 　 《===◯==ﾚ　　　　　　　　　
.　　 　 　 /ニニニﾆ≧zzzzzzﾑ　　　　　　　　　　　　　 「自動化された動作と、そこへの随意的な上乗せ」の共存が上手です。
　　　　 　 /ニニニニ}ニニニﾆ０ﾑ　　　　　　　　
　　　　/二二二二/０ニニニﾆ_ ﾑ　　　　　　　　　　　　本当はこの自動化された動作の制御には、
　　　　{///｀''＜ﾆ/二二＞''´//∧
..　　,,ィ///////////}///////ヽ /)h、　　　　　　　　　小脳からの赤核脊髄路とかいろんな制御系が関わってくるんですが……
　 　 ∨//////////./! ////////ヽ //ヽ
.　　/ ///////////::| //////////ヽ///〉　　　　　　　そこまではやらなくていいですよね？
.　　 ⌒''＜///////:::::| /////＞i''⌒ヾ￣
　　 　 　 {　｀''ー‐' ￣7z＞''´. 　 }
.　　 　 　 {　　　　　　 ﾉ: :￣￣￣}
.　　　 　 l｀''ー―‐''´/: : 　 　 　 !

ttp://www.waseda.jp/sports/supoka/research/sotsuron2012/1K09A004.pdf
こちら今回初めて見たんですが、結論の後段とか割と興味深かったです。

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　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 -=＝＝=-　ミ
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 __､丶`:: ::／::⌒ヽ＿:: :: :＼
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／ .: :: :: : : /:: :: :: : : ｉ:: :: ::＼:: :ヽ―――‐＜
　 　 　 　 　 　 　 　 ∥/.: :: : : /:/:: :: :: : : : |:: :: :: :: :: :: :}_.................../
　 　 　 　 　 　 　 　 　 V:: :: :: ::/: ' :: :: :: :: : : |:: :: :ｉ:: :: ::∨::〉............ /　　　　ムチ動作にはもうちょっと付言すべきコツがあって、
　　　　　　　　　　　　　 : :: :: /_|::{:: :: :: ／::/:|:: :: :|:: :: ::.:i: : 〉........../
　　 　 　 　 　 　 　 　 |:: :: :: {　|∧:: :: :: : / ::|:: :: :: :: :: : |⌒〉....／'　　　　　　それがRSSC（回旋系伸張反射）、
　　　　　　　　　　　　 八:: :: :冬ミ　､: : |/ /八:: :/:: :: :: :|⌒〉.... }
　 　 　 　 　 　 　 　 /:: : ＼: }　Vﾘ　＼|冬ミト∨:: :/:: :: ／......./　　　　　　　つまりひねりを加えることによる多数筋の動員・連動と、
　 　 　 　 　 　 　 　 {:: /:: :: ::{ .:.:　 　　　　ヒシ:: ::/:: :: /＞-彡
　 　 　 　 　 　 　 　 ∨{:: :: 八 　 `　 　 .:.:.: __彡ｲ:: :: ∧　　　　　　　　　　　リリース・インパクトの直前における体幹の急制動です。
　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼/ }: ＼　 V　ァ.　　 /:: ／:/
　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／:: :: ::ヽ _　 -/::::::/＿＿」＞ 、　　　　　　　　　　それまで前方移動の慣性がついていた体幹を急に止めようとすると、
　　　　　　　　　　　 　 ／/:: :: :/ﾆ{⌒ ／::::::/‐'　　　　　 ト.、
　　　 　 　 　 　 　 　 （: /:: : : 〈二. ／:; - '‐-- 、　　　 ノ、::ヽ　　　　　　　　上で言った制御系がブレーキの原動力を求めて、
　 　 　 　 　 　 　 　 　 {:: :: ::..　／:::/　　　　　　ヽ　／　 .ｌ:::::|
.　　　 ｌヽ 、　　 　 　 　 从..　／:::,イ　　　　　　　 .V　　　 |:;　-‐‐‐、　　　　 体幹の代わりに手足の先端を前に押し出そうとします。
　　　　ヽ.ヽヽ _　 　 　 　 　 .'/:::/ /　　　　　　　　/　　　　ﾄ、　 　 /
　　　　, ┘　｀ヽ　　　　　　 .ｌ:::::| /　　　　　　 　 /　　　　　ｌヽ 　 ./
　 --‐ '　　　　　 ｀,`=、　　　 |::::::ﾄ'　　　　　　　　/　　　　　 |　|　./　　　　　ムチ動作は基本的に、
￣,＞　　　　　 .ｌ　　 .ｌ.　 　 |　/　　　　　　　　 ﾉ　　　　　 .ｌ　|　',
.,　' ,　ｩ ._　　　　|　　　｀ヽ＝|:::|　　　　　　　　 ./　　　　　 /　.ｌ ,ｲ　　　　　　「体幹の太い筋肉で生じた強い力を先端出力に変換していく動作」
ゝ' .／.／.| ∥￣`|　　　　　ｌ, 、'　　　　　　　　./　　　　　 /　./　|
.　 ゝ' 　 .| /　　　|　　　　　　　　　　　　　　　 ｌ　　　　　./ ／ 　 ｌ　　　　　　 と理解してよいでしょう。
　　　　 └'　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　ヽ　　　／-'、　　/
　　　　 　 　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　,ｲ___∠-.、 |ヽ-.'　　　　　　　　ムチ動作の開始と停止には、体幹の強さが重要になってきます。
　　　　　　　　　　 |　　　　　　　　　　　　　　 |＿＿|
　　　　　　　　　　 ヽ　　　　　　　　　　　　　./＿＿」
　　　　　　　　　　　 ﾄ　　　　　　　　　　　　./　　　 ヽ
　　　　　　　　　　　 |.＼　　　　　　　　　　 ｌ　　　　 .ヽ
　　　　　　　　　　　 ヽ　＼　　　　　　　　　ヽ　　　　　|

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　　　　　　 　 　 i{........../ ....../ ......｛.... / ........./................../.........................ﾟ,.......､.................
　　　 　 　 　 　 j{....__ ﾟ........,ﾟ..........｛.../ ........./......,.......... ,ﾟ.......................... ｉ{........`,..............
　 　 　 　 　 　 __Y⌒}ｉｌ ......................｛/.........../....../...........,{............................从........ ﾟ,............　　　　　なお、野球のピッチャーではここで問題が発生しまして……
.　 　 　 ,､丶`ﾆニ|　 {ｉli{........j............./..........,/.......'___...／！..................,.....ﾊ....}ｉ､......i............
　__／ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ|　 {ｉli|.......i{............ﾟ.......／ﾟ........i...／￣　}.... ,........../.../　}.ﾉ,ハ ..|i...........　　　　　　腕が脱力した状態で高速でしならせて遠心力を生み出すため、
　'⌒ ､ﾆﾆﾆﾆニ人_,八|......li{..........l{..／　i{....／l'ﾞ 　 　 ,ﾉ.../........,.'...jI斗f七I"}i...|i...........
　 　 　 ＼ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＼i|......li{..........l{(　　,斧竿竿竿弌⌒7.....／.／ リﾉ抓 } 八｣l..........　.　　　　筋肉による保護を得られないまま肘関節などに
　　　 　 ＼ﾆﾆﾆﾆﾆ=l|....,小, ....... ｛　 ｛{　 ﾉハ爪}　　厶イ}／　　` 冖＾ﾉ ...iｌ..､..........
.　　 　 　 　 `'≪ﾆﾆﾆl| /{「ハ........｛,　 ヾ　` 冖 '"　　 　 　 　 　 　 　 　 .....il... ＼.....　　　　　 強い遠心力と外反力がかかり、
　　 　 　 _　 -=≧=-l|ﾑ乂　ﾟ, .....｛.ﾟ,　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,　　　　 ん .il........l{＼
　　,､丶` =ﾆﾆﾆﾆﾆﾆl|{ﾆﾆ｀＾lｉ......｛.. ,　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ハ ..il........l{　　　　　　　 時には内側側副靭帯損傷が起こります。
　_／=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆl|{=ﾆﾆ=l|......｛....ﾟ,　　　 　 　 　 　 　 　 　 ┐ 　 / ........il........l{
^⌒`''ｰ=ﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆl|{ﾆﾆ／l|......｛......％｡　　　　　 　 　 i/　　ノ 　.ｲ.............il........l{
　 　 　 　 　 ￣｝ﾆﾆﾆｱ⌒ /＾l|......｛.........＼ニ=-　 _　　　　 　 　 ／！...........ⅰ......l{　　　　　　 個人的にはプロ球団がユースとか作って、
　　　　　　　　 ＼,／___／三l|......｛...............＼　 　二ﾆ=- 　 _ イ　　 ................,..........,
　 　 　 　 _　-=ﾆ三三三三l|...... ﾟ,.................. 丶､、　 /　　　　　 ,ﾉ} ﾟ,..............ﾟ,.........ﾟ,　　　　　　　プロ志望の子は肘を温存させて
　　　　 ／ﾏ三三三三三三八....... ﾟ ,.........................｀`'ｰ_--- ‐ ''"..ﾉ　`､............ﾟ:,.........
　 ,､丶`　　}三三三三三三三＼........＼...... ,,.｡s≦ﾆ==ﾆ≧s｡.,,イ　　　`､...........`,......　　　　　　過負担から守ってやるべきだと思うのですが……難しいのでしょうね。
.､丶`　　　　　ﾉ三三三三三三三三,≧=-‐ ''",､丶`　　　 　 ｀`' ､＼　　　　＼........`､..


以上になります。お邪魔しました。

本来の筋肉の使い方と違うのかな？怪我しやすそうに思った。