田村専門委員の「まるごと医療」
医療・健康・介護のコラム
専門医を目指す医師 内科、外科が減少 診療科の偏在解消へ課題も
19基本領域に9500人超 日本専門医機構 2022年度
専門医の統一した認定を図る一般社団法人日本専門医機構(寺本民生理事長)は2月21日、オンラインで開いた定例記者会見で、2022年度に専門医研修を開始する専攻医の領域ごとの採用者数を発表した。総数は前年を300人ほど上回る9519人(最終的な人数は今後、変動の可能性あり)。全体的な領域別の志望者の割合に大きな変動はないとしているものの、主要な診療科である内科や外科が前年度に比べ減少しており、寺本理事長は「これからの診療科偏在(解消)の問題として、重く受け止めておかなければいけない」などと述べた。
内科は1・5ポイント減、外科は9%台を割り込む
日本専門医機構が運営する新しい専門医制度は2018年度に開始され、22年度で5年目になる。
医師免許取得後、様々な診療科を回る2年間の初期臨床研修を終えた医師が、内科、外科など19に分類された基本領域のいずれかを選んで、3~5年間程度の専門研修へと進む仕組みだ。基本領域の専門医取得後は、さらに細分化・専門化したサブスペシャルティー(○○外科専門医など)へと進む仕組みもつくられている。
発表によると、22年度に専門医研修を開始する専攻医の人数は9519人。うち研究医枠が18人だった。なお、例年、採用決定後に辞退者が発生しており、事務局によると全体で50人以上は変更になる可能性があるとしている。数字が確定するのは3月中旬になる見通し。
主な診療科では、内科が2931人で全体(研究医枠を除く9501人)に占める割合は30.85%と、前年度の同時点に比べ1・5ポイントほど減少した。外科は852人で8.97%と0・9ポイントほど減少し、暫定値ではあるものの9%台を割り込んだ。全体の人数が増えているにもかかわらず、内科、外科とも実数でも前年度よりも減少した。
そのほか、産婦人科は521人で5.48%、総合診療は250人で2.63%と、いずれも前年度に比べて増加した。
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