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能登半島地震で、石川県珠洲市から輪島市、志賀町にかけて、沿岸部の海底が総延長約85キロにわたって隆起して陸地となっていることが、国土地理院の解析でわかった。これに伴い、以前より最大約200メートル、海岸線が海側にせり出していた。また、津波による浸水被害が珠洲市だけで約130ヘクタールに及ぶことも判明した。
国土地理院は、地球観測衛星「だいち2号」が地表に電波を照射して計測したデータを地震の前後で比較。能登半島の広い範囲で地盤が隆起し、半島北側の沿岸部では海底が露出していた。地図上で計測すると、約85キロになる。
輪島市皆月湾周辺では、地表が約4メートル隆起し、地震前に比べて陸地部分が約200メートル分拡大。珠洲市長橋町の漁港では海底が露出し、設置された津波観測計が観測できない状態になった。
国土地理院が撮影した航空写真を日本地理学会のグループが分析したところ、珠洲市から輪島市にかけての沿岸部約50キロの範囲だけで、陸地が約240ヘクタール増加していた。グループの後藤秀昭・広島大准教授(地理学)は「この周辺では地形を変えるような大地震が数千年に数回あったとされ、今回は同様の大きな地震が起きたと考えられる」としている。
一方、国土地理院が航空写真で津波による被害状況を分析した結果、珠洲市だけで浸水エリアの面積は約130ヘクタールに上った。エリア内では、広い範囲で家屋の倒壊が確認された。雲がかかって状況が分からない場所などもあり、さらに広がる可能性があるという。