廃止予定のはずが…スキー客でにぎわう北海道・余市駅、混み合って乗客乗り切れず
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北海道新幹線の札幌延伸に伴って廃止予定のJR函館線・余市駅で今月、小樽行きの列車が混雑して利用者が乗り切れない事態が2度起きていたことが分かった。JR北海道は「乗車定員としては満員ではなかったが、スキー客などの荷物が多くて乗りにくい状態だった」と説明。乗れなかった人々はバスなどで目的地に向かったという。
「積み残し」があったのは、1月2日午前10時27分と6日午後0時31分に余市駅を出る2両編成で、ともに倶知安駅が始発だった。
JR北によると、冬季の午前10時台と正午過ぎは、ニセコ地区に宿泊してスキーなどを楽しんだ外国人観光客がチェックアウトし、札幌や新千歳空港に向かうために乗車することから、特に車内が混み合う時間帯だ。今回の2件のケースでは、乗客のスーツケースなどが列車の乗降口を塞いでしまっていたという。
JR北は「駅員も対応したが、容易に乗り込める状態ではなかった。自ら乗車を諦めたお客様もいた」と説明。増結などの対策は車両や人員の関係で難しいとする。その上で、延伸した新幹線が倶知安駅にも止まることから、「延伸が実現すれば混雑は解消する」と理解を求めている。
一方、余市観光協会の高野清隆専務理事によると、同様の事態は昨シーズンも起きているといい、高野専務理事は「廃止が決まった路線の列車がこれほどまでに混んでいる。JRには新幹線が延伸されるまでの期間もしっかり対応してほしい」と注文をつけた。