大雨で孤立の宿泊客ら、ロープにつかまり崩落した橋渡って脱出「早く家に帰りたい」
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台風9号から変わった低気圧による大雨で孤立状態となった青森県風間浦村で12日、旅館の宿泊客約60人が救出された。孤立解消に向け県は同日、崩落した小赤川橋(むつ市、長さ約18メートル)の仮橋設置を国に要望した。
風間浦村下風呂地区にある旅館の宿泊客らは、約2・5キロ離れた小赤川橋手前までバスで移動。ヘルメットをかぶり、自衛隊員の手助けを受けながら、ロープにつかまって崩落した橋を渡った。妻と旅行中だった埼玉県の会社員男性(54)は「早く自宅に帰って普通の生活に戻りたい」と疲れ切った表情だった。
県などによると、むつ市赤川地区で自主避難していた約30人は12日、新たな土砂災害の危険があるため「むつ市下北自然の家」へ移動した。風間浦村では12日午後4時現在、計27人が避難所に身を寄せている。
小赤川橋の仮橋設置について、県は12日、「高度な技術力を有する国の支援が不可欠」として、国土交通省に設置を要望。整備に向け、東北地方整備局が派遣した技術職員が現地調査を始めた。また、国道279号は風間浦村下風呂地区の約2キロ以外は緊急車両が通行可能となった。
水道の復旧も遅れている。七戸町では12日も大雨により2000世帯以上の断水が続いた。臨時給水所には、ひっきりなしに町民が訪れ、飲み水や調理、トイレ用の水を求めていた。同町のパート(44)は、「昨日は2回、今日は朝から3回給水に来ている。5人家族なので大変」と困り果てていた。むつ市や風間浦村でも計約340世帯が断水している。