佐々木八段の二枚角、藤井竜王の二枚飛車の激流…「封じ手の封筒いらないね」ダンディー・中川八段が検討<七番勝負第6局・藤井聡太竜王-佐々木勇気八段>

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羽織を脱ぐ藤井竜王=リモートカメラで若杉和希撮影

 竜王戦七番勝負第6局・藤井聡太竜王-佐々木勇気八段戦は相掛かりで、かなり早い進行となっています。

おやつタイム直前に藤井竜王が攻防の△1六角で「終着駅」へのレールを敷く…青野照市九段「決め手級です」<七番勝負第6局・藤井聡太竜王-佐々木勇気八段>
1図

 藤井竜王の△2四歩(1図)まで、前例は2局あります。1号局は今年11月の第45回JT将棋日本シリーズ準決勝▲広瀬章人九段―△藤井聡太竜王戦で、その将棋は広瀬九段が勝ちました。

 前例2局は1図で▲2九飛△1六歩▲1八歩と進んでいましたが、佐々木八段は▲4五飛と変化しました。以下△1六歩▲同香△同香▲1三歩と香損で攻め込んでいます。恐らく、これが佐々木八段が用意してきた研究手順でしょう。香を捨ててじっと歩を垂らす攻めに、青野九段と中川八段は驚いていました。

 藤井竜王も研究済みとあってか、手を止めずに淡々と指し続けています。

2図

 △2六馬(2図)が指されたのは午前10時36分。このまま終盤に突入してもおかしくありません。1日目で終わってもおかしくないようなハイペースなので、中川八段は「封じ手の封筒、いらないね」と笑って控室を和ませました。

 しかし、本譜の中にも複雑な変化がいくつも潜んでいるようで、青野九段と中川八段は対局さながらの真剣な表情で駒を動かしています。控室の予想通り、大駒を取り合う激流へと局面は進行しました。佐々木八段の二枚角、藤井竜王の二枚飛車という構図です。(紋蛇、吉田祐也)

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