完了しました
カナダ人ユーチューバーのグレッグ・ラムさん(44)が、鳥取県江府町を「日本の地方の小さな町」と称して撮影した動画が、約2か月で200万回以上視聴され人気だ。支え合って生きる住民らの姿や、自然の素晴らしさに感動する人が続出。11月にも再び取材し、続編を公開する予定で、「その地域ならではの深い部分まで紹介したい」と話す。(林美佑)
ラムさんはユーチューブに、国内外の生活を紹介するチャンネル「Life Where I’m From」を開設。日本の公衆トイレや鉄道などをテーマに動画を制作してきた。
「小さな町の日常を撮りたい」と昨年5月頃、人口約2500人の江府町に約1週間滞在。今年9月末に45分の長尺動画を公開した。
グーグルマップの航空写真や車から見える景色のなかで、気になる場所があれば取材を進めた。移動販売車が高齢者の見守りを兼ねていることや、集会所が多いことなどをインタビューを交えて紹介。瞬く間に再生回数が伸びた。
「すごくフレンドリーな町」とラムさんが言うように、好意的な感想を中心に英語を含めて2300件以上寄せられた。
「移動販売の運転手が信じられないくらい親切だ」「本当に平和だ」「住んでみたい」――。
現在、日本人の妻とカナダに住むラムさんは「日本人の考え方を紹介したい」と、趣味でユーチューブを始めた。日本の風呂を紹介する動画が人気になったことをきっかけに約5年前、動画編集の会社を設立した。
今回の動画では、町の豊かな自然環境や整った社会基盤に加え、空き家の賃料が安いことなどから絶賛するコメントも多い。視聴者から江府町に、移住についての問い合わせもあった。
ラムさんは11月上旬、再び江府町を訪れて取材し、年内の公開を目標にする。「住宅密集地が多い日本では、持ち家だからといって勝手気ままに騒いではいけない」「町特有のルールもある」。移住を希望する人に向けたメッセージも盛り込む予定だ。
「国や町それぞれの習慣や生活を尊重しながら、これからも動画で紹介していきたい」