開眼類の触腕
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/02 07:48 UTC 版)
開眼類では触腕掌部の吸盤に機能による形態分化が見られ、基部 (carpus)、掌部(manus、または中央部)および先端部 (dactylus)の3群に分かれる。基部にある小さな吸盤はcarpal suckersと呼ばれ、反対側の触腕掌部の中央部のcarpal knobsに引っ付き、触腕掌部を固定する。carpal suckersとcarpal knobsの明瞭な塊をcarpal cluster carpal padと呼び、固着器(こちゃくき、club-fixing apparatus)として働く。掌部は先端部と基部の間にあり、触腕掌部の中央または「手」に当たる部分である。中央部にはキチン質の鉤爪状の鉤(かぎ、hooks)を持つことがあり、これは発生学的には吸盤に由来する。先端部は触腕の最も遠位端にあり、吸盤のサイズが減少することで特徴づけられる。 ユウレイイカ Chiroteuthis picteti Joubin, 1894の触腕柄は紐のように細長く、大きな発光器が十数個ついている。触腕掌部には吸盤がびっしりと並び、その先端には大きい発光器がある。これは誘蛾灯や擬似餌の役割をしているとも考えられている。 ヤツデイカ科に属する種およびテカギイカ科のタコイカ Gonatopsis borealis Sasaki, 1920は成長に伴って両方の触腕が失われ、イカ類でありながら8本腕となる。
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