自己相関関数
ある関数(あるいは図形)同じものを二つ用意し、それらの位置を相対的にずらして、関数の重なりの強度を位置について積分した関数(あるいは図形)。対象とする関数をf、二つの関数の位置のずれをx、位置の変数をXとすると、Rffは次のように書ける。Rff=∫f(X)f*(X-x)dX. ただし、*は複素共役を示す。像等の実関数の場合は、f*(X-x)=f(X-x)である。相対位置xを大きくしても重なり強度が強い場合は、関数(あるいは図形)はx方向に広がっており、相対位置を大きくするとすぐに重なり強度が弱くなる場合は、関数(あるいは図形)の広がりは小さい。このようにを計算すれば、関数や図形の形状に関する知見を得ることができる。例として、電顕像を二回撮影し、撮影の間に像がどれだけドリフトしたかに関する二つの像の間の相関を求めることができる。(相関が大きければ、ドリフトが少ない。)の計算にはコンピューターでの計算の高速化を図るために、高速フーリエ変換法を利用して行う。この計算は「ある関数ののフーリエ変換は、中のそれぞれの関数のフーリエ変換の積になる」という定理に基づいている。すなわち、各関数のフーリエ変換を計算して、その積を取り、その結果を逆フーリエ変換することによってを計算する。
- 自己相関関数
- 相互相関関数
自己相関関数
自己相関
(自己相関関数 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/06 15:04 UTC 版)
自己相関(じこそうかん、英: autocorrelation)とは、信号処理において時間領域信号等の関数または数列を解析するためにしばしば用いられる数学的道具である。大雑把に言うと、自己相関とは、信号がそれ自身を時間シフトした信号とどれくらい一致するかを測る尺度であり、時間シフトの大きさの関数として表される。より正確に述べると、自己相関とは、ある信号のそれ自身との相互相関である。自己相関は、信号に含まれる繰り返しパターンを探すのに有用であり、例えば、ノイズに埋もれた周期的信号の存在を判定したり、 信号中の失われた基本周波数を倍音周波数による示唆に基づき同定するために用いられる。
- ^ Spectral analysis and time series, M.B. Priestley (London, New York : Academic Press, 1982)
- ^ a b Patrick F. Dunn, Measurement and Data Analysis for Engineering and Science, New York: McGraw–Hill, 2005 ISBN 0-07-282538-3
- 1 自己相関とは
- 2 自己相関の概要
- 3 回帰分析における自己相関
- 自己相関関数のページへのリンク