膠着状態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 14:50 UTC 版)
「よど号ハイジャック事件」の記事における「膠着状態」の解説
このあと、よど号の副操縦士が犯人グループの隙を見て、機内にいる犯人の数と場所、武器などを書いた紙コップをコックピットの窓から落とし、犯人のおおよその配置が判明した。韓国当局はこの情報をもとに特殊部隊による突入を行うことも検討するが、乗客の安全に不安を感じた日本政府の強い要望で断念する。 日本政府は、ソビエト連邦や国際赤十字社を通じて、よど号が人質とともに北朝鮮に向かった際の保護を北朝鮮政府に要請した。これに対して北朝鮮当局は「人道主義に基づき、もし機体が北朝鮮国内に飛来した場合、乗員および乗客はただちに送り返す」と発表し、朝鮮赤十字会も同様の見解を示した。しかし、韓国にとって、前年に発生した大韓航空機YS-11ハイジャック事件の乗員乗客がこの時点で解放されていなかったこともあり、よど号をその二の舞として人質の解放がなされないままに北朝鮮に向わせることは、絶対に避けなければならないことであった。 日本政府はさらに、犯人グループが乗客を解放した場合には、北朝鮮行きを認めるように韓国側に強く申し入れ、韓国側は最終的にこれを受け入れた。なお、よど号には日本人以外の外国籍の乗客としてアメリカ人も2人搭乗しており、北朝鮮に渡った場合、「敵国人」であるアメリカ人が日本人に比べて過酷な扱いを受ける懸念があったため、アメリカ合衆国連邦政府が善処を求めている。
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