年の瀬記者ノート 埼玉

「自分が殺したんじゃないかと思って怖かった」 高齢ドライバー事故で15歳少女亡くした母の言葉

 「自分が殺したんじゃないかと思って怖かった」。取材の中で最も印象的だった言葉だ。事故当日、母娘は服を取っ替え引っ替えして聖菜さんがライブに着ていく服を選ぶのに時間をかけていた。「電車に乗るため急いでいたのでは」と悔いたという。智恵美さんは取材中に涙を見せなかったが、それは事故から1年近くがたち、涙が枯れ果てていたように思えた。

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 聖菜さんをはねた男には今月16日、禁錮1年6月の実刑判決が言い渡された。「高齢者がハンドルを握る手に大きな影響を与えると思う。報われない死ではなかった」。判決後に智恵美さんは語った。

 署名活動を始めたのは、聖菜さんの中学時代の同級生、舟木優斗さん(16)だった。「聖菜さんが忘れられるのが一番つらい。運転できると過信している高齢者もいるので、事故を起こさないために家族で話し合ってほしい」と取り組んだ思いを話してくれた。

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