賃上げ2025/正社員1万7000円以上アップ目指す、個別組合の支援を強化

2025年01月14日 14:31 / 経営

UAゼンセンは1月14日、2025年労働条件交渉において、流通・総合サービス・製造産業の各部門の方針案を発表した。

<中小組合の支援強化と西尾書記長>
中小組合の支援強化と西尾書記長

西尾多聞書記長は「UAゼンセン全体の方針として、実質賃金の上昇を定着させ、日本経済を持続的な成長軌道に乗せる。労組は賃上げの社会的流れを作る役割がある。また、一昨年から賃上げの流れが続いているが、300人以下の中小組合では賃上げが進んでおらず、企業規模間の格差が拡大している。そのため、今後個別労組の支援を強化する。条件交渉しやすくなる環境づくり、交渉の根拠となるデータ提供、各組合のスキルアップや本部からの巡回支援を拡充する」と説明した。

全体の方針案は、正社員組合員は、定期昇給制度など確立されている組合は4%・1万2500円、賃金体系が確立されていない場合は6%・1万7000円。短時間組合員は、制度昇給が明確な場合時給60円・5%基準、明確でない場合は時給80円・7%基準を目標に掲げている。全体の方針は1月16日開催の中央委員会で決定される。

<労働時間短縮をと桂氏>
労働時間短縮をと桂氏

流通部門の桂義樹事務局長は「全体方針案の賃金の数値目標に加え、労働時間の短縮・休日増に取り組む。人手不足の中、労働時間が長い流通業界の状況を改善しないと人が集まらない」と述べた。

<カスハラ対策を強化と高井氏>
カスハラ対策を強化と高井氏

総合サービス部門の高(正式にははしご高)井哲郎事務局長は、「総合サービス部門は3部門の中でも、賃上げでこの3年間思ったように結果が残せず、産業間の格差が広がっている。人手不足の中、他の業界と競争し、人が集まる環境にしなければならない。正社員1万7000円以上の賃金アップ、カスハラ対策の強化といった条件面を強めに交渉していく」と危機感をにじませた。

<金額を意識して交渉と吉山氏>
金額を意識して交渉と吉山氏

製造産業部門の吉山秀樹事務局長は「300人未満の中小組合は、昨年の賃上げでも1.1ポイントほど大手と差があった。賃上げ率で交渉すると格差が広がってしまうため、1万7000円以上の金額を意識して交渉する。また、地方の人手不足は深刻で、採用のためにも賃上げが必要だ」と話している。

なお、各部門の方針は1月17日の評議員会での審議を経て、決定される。その後、各労組は2月20日までに要求書を提出する予定。

UAゼンセンは2166組合・189万8966人(正社員73万7845人、短時間116万1121人、2024年9月現在)で構成されている。

取材・執筆 鹿野島智子

賃上げ2025/ファーストリテイリング年収最大54%増、新入社員で500万円強に

流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

メルマガ無料登録はこちら

経営 最新記事

一覧

UAゼンセンに関する最新ニュース

一覧

賃上げ2025に関する最新ニュース

一覧

最新ニュース

一覧