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正味現在価値の計算方法−NPV関数

対象:Excel97,Excel2000,Excel2002,Excel2003,Excel2007

このサイトで
「NPV関数 使い方」
といった検索が行われていることがあります。

NPV(Net Present Value)関数の使い方を調べている方の検索です。

一般的には、NPV関数は正味現在価値を計算する際に利用する関数として知られています。

正味現在価値とは、何らかの投資を行ったときに、その投資が生み出すキャッシュフローの現在価値の合計と最初の投資額とを合計したものです。

この値が負(マイナス)なら、生み出されるキャッシュフローの現在価値の合計より、初期投資額のほうが小さいわけですから、投資をしても儲けは出ないことになり、投資をしないという判断を行うことになります。

この正味現在価値を求めるのにNPV関数を利用するのですが、ちょっと注意が必要なのです。

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NPV関数という名前なのだから、NPV関数だけ使えばNPV(Net Present Value=正味現在価値)が一発で求められるような気がしますが、一般的にはNPV関数だけでは、いわゆるNPVは求められません。

▼操作方法:正味現在価値を計算する
※C2セルに割引率、C5セルに初期投資額、C6:C8セルに1年目から3年目に生み出されるキャッシュフローが入力されているとき、C10セルに正味現在価値を計算する例 C10セルに
「=NPV(C2,C6:C8)+C5」
という数式を入力する

NPVを計算する場合、一般的には上記のような数式となります。

NPV関数で求めた結果と初期投資額を足す必要があるのです、(しつこいようですが)一般的な正味現在価値計算の場合。


NPV関数の第1引数には割引率、第2引数以降に生み出されるキャッシュフローを指定します。

NPV(C2,C6:C8)で、生み出されるキャッシュフローの現在価値の合計が求められ、これに初期投資額(C5)を足した「=NPV(C2,C6:C8)+C5」が正味現在価値になります。

▼サンプルファイル(003285.xls 32KByte)ダウンロード

サンプルファイルでは、割引率が「5%」初期投資額が「280万円」3年間毎年「100万円」の収益が期待されるという条件で正味現在価値計算を求めています。

参考までにC12セルには「=NPV(C2,C6:C8)」という数式を入力して、キャッシュフローの現在価値の合計だけも表示させてあります。

時間価値の概念が理解できていないと、「280万円」の投資で毎年「100万円」合計「300万円」の儲けが期待できると単純に感じてしまい、うっかり投資していいと考えてしまいがちですが、NPV関数の入力されているC10セルの値は「-7.68万円」とマイナスになっていますから、割引率・初期投資額・生み出されるキャッシュフローがこの条件で変わらないならば、この投資はすべきではないと判断します。

実務ではこの一つの結果だけを判断材料にするのではなく、他の投資案件と比較したり、割引率・初期投資額・キャッシュフローを変更して複数の可能性をシミュレーションしたりといったことが行われるでしょう。

割引率を変更したとき、初期投資額や期待収益を変更したときに、C10セルの値がどうなるかをご確認ください。

なお、
このネタの中でやたら「一般的には」「一般的な」と強調しているのはもちろん理由があります。その件については近日中に別途ご紹介します。

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