ネコショカ

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『刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機』
女真族の襲来と軍事貴族たちの台頭

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『夏の名残りの薔薇』恩田陸 物語の揺らぎを楽しむ

あとがき+解説+インタビュー付き 2004年刊行作品。「別冊文藝春秋」の245号から250号にかけて連載された作品を単行本化したもの。文藝春秋の「本格ミステリ・マスターズ」レーベルからの登場であった。 単行本にしてはめずらしくあとがき付き。更に杉江松恋に…

『第二音楽室』佐藤多佳子 奏でる喜び、合わせる喜び(音源付き!)

School and Musicシリーズ一作目 2010年刊行作品。2005年から2009年にかけて、「別冊文芸春秋」「飛ぶ教室」に掲載されていた作品を単行本化したもの。学校音楽をテーマとしたSchool and Musicシリーズの一冊目である。 第二音楽室 作者: 佐藤多佳子 出版社/…

『雲は湧き、光あふれて』須賀しのぶ 弱小野球部の成長を綴った三部作

須賀しのぶの高校野球小説! 『雲は湧き、光あふれて』は2015年~2017年にかけて、集英社オレンジ文庫から刊行された須賀しのぶ作品である。高校野球の世界を舞台とした作品で全三巻。ラインナップは以下の通り。 『雲は湧き、光あふれて』(2015年) 『エー…

『DIVE!!』森絵都 飛び込みの世界を舞台としたスポ根小説

講談社版と角川版がある 2000年刊行作品。当初は講談社から単行本が四分冊で刊行されていた。第52回の小学館児童出版文化賞を受賞している。 しかし何故か文庫版は角川からリリース。文庫化に際して上下巻の二巻構成に改められている。内容的にはかなり手が…

『夢館』佐々木丸美「館」シリーズ3部作を読む(3)

昭和の名作を紹介するシリーズ、佐々木丸美編、七作目の登場である。 二時代前の作品をすることになってしまった。昭和時代に明治の作家の作品紹介をしていた人はこんな気分になったりしたのだろうか。 佐々木丸美「館」シリーズの完結編 1980年刊行。『崖の…

『死にたがりの君に贈る物語』綾崎隼 小説家と物語を愛するもののお話

綾崎隼の40冊目! 2021年刊行作品。綾崎隼(あやさきしゅん)は2010年のデビュー以来、数々の作品を上梓してきたが、40冊目の著作となるのが本書『死にたがりの君に贈る物語』である。表紙イラストはorieが担当している。 綾崎隼の作品を読むのは二作目。先…

『隷王戦記1 フルースィーヤの血盟』森山光太郎 ファンタジー世界をベースとした戦記物

森山光太郎の戦記ファンタジー 2021年刊行作品。筆者の森山光太郎(もりやまこうたろう)は1991年生まれ。2018年『火神子 天孫に抗いし者』で朝日時代小説大賞を受賞して作家デビュー。「隷王戦記」は全三巻の構想が示されており、本作はその第一巻となる。 …

ゴーストハント(悪霊)シリーズ新旧読み比べ(6)『悪霊とよばないで』と『ゴーストハント6』

ゴーストハント(悪霊)シリーズ新旧読み比べ六回目! 小野不由美のゴーストハント(悪霊)シリーズを、旧作、新作両方読んでレビューする企画。本日ご紹介するのはシリーズ第六作『悪霊になりたくない!(ゴーストハント6)』である。 『悪霊とよばないで…

『水に描かれた館』佐々木丸美「館」シリーズ3部作を読む(2)

遅々として進まない、佐々木丸美作品の全作レビューだが、本日は「館」シリーズ二作目の『水に描かれた館』をご紹介したい。 佐々木丸美「館」シリーズの二作目 1978年刊行作品。佐々木丸美としては四作目。この時期までは「孤児」シリーズと、「館」シリー…

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』富野由悠季 劇場版でどう変えてくるのかが気になる!

祝☆劇場版『閃光のハサウェイ』上映開始! コロナ禍で延び延びになっていたが、劇場版『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の上映がようやく開始となった。 本日は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の小説版の感想を改めて、お届けしたい(過去記事の…

『黄昏の百合の骨』恩田陸 それからの理瀬の物語

「理瀬」シリーズの実質的な二作目! 2004年刊行作品。講談社のミステリ誌『メフィスト』の2002年5月増刊号~2003年9月増刊号に連載されていた作品をまとめたもの。表紙及び、作中の扉絵イラストは北見隆。『麦の海に沈む果実』後の水野理瀬を描いた作品であ…

『キョウカンカク 美しき夜に』天祢涼 第43回メフィスト賞受賞作品

天祢涼の第一作 2010年刊行作品。天祢涼(あまねりょう)のデビュー作。第43回のメフィスト賞受賞作品である。講談社ノベルス版のカバーイラストは鈴木康士(すずきやすし)が担当している。 作者の天祢涼は1978年生まれ。デビュー以降、年二冊近いペースで…

『崖の館』佐々木丸美「館」シリーズ3部作を読む(1)

佐々木丸美作品の全作レビュー第二期、「館」シリーズ編をスタートしてみよう。まずはシリーズ一作目の『崖の館』の登場である。 佐々木丸美「館」シリーズの一作目 1977年刊行作品。デビュー作の『雪の断章』の次に書かれたのが本作である。 この作品で、作…

『夏のロケット』川端裕人 サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞作

川端裕人のデビュー作 1998年刊行作品。第15回のサントリーミステリー大賞の優秀作品賞受賞作。作者の川端裕人(かわばたひろと)は1964年生まれで、本作がデビュー作となる。ちなみに大賞は結城五郎の『心室細動』。 夏のロケット 作者:川端 裕人 文藝春秋 …

『ホテル』エリザベス・ボウエンの第一長編作品

ボウエン作品が日本語で読めるようになった 作者のエリザベス・ボウエン(Elizabeth Bowen)は1899年生まれ。アイルランド生まれの小説家。1973年没。 本作『ホテル』は2021年刊行作品。原題は『The Hotel』で1927年の刊行。100年近く前の作品ということにな…

『おにぎりスタッバー』大澤めぐみ 饒舌な一人称文体が魅力の青春小説

大澤めぐみのデビュー作 2016年刊行作品(奥付的には2017年1月1日)。小説投稿サイト「カクヨム」等で活躍していた大澤めぐみの商業デビュー作品である。イラストはU35(うみこ)が担当している。 続編(というか前日譚)に『ひとくいマンイーター』がある。…

『風花の里』佐々木丸美 「孤児」シリーズ4部作を読む(4)おまけ付

『雪の断章』『忘れな草』『花嫁人形』と読み進めてきた、佐々木丸美の「孤児」シリーズ、最後の一冊である『風花の里』をご紹介しよう。 「孤児」シリーズ全てについてネタバレをしているので、未読の方はご注意頂きたい。 「孤児」シリーズの四作目 1981年…

『赤目のジャック』佐藤賢一 フランス中世最大の農民反乱の顛末

文庫になる際にタイトルが変わっている 1998年刊行作品。『ジャガーになった男』『傭兵ピエール』に続く佐藤賢一の三作目である。 1997年~1998年にかけて雑誌「鳩よ!」に連載されていた作品が『赤目 ジャックリーの乱』というタイトルでマガジンハウスから…

『不屈の女神 ゲッツェンディーナー』菅浩江 PCEゲームとのコラボ作品

ゲームとのメディアミックス作品 1995年刊行作品。メディアワークスのゲーム雑誌『電撃PCエンジン』の、1994年2月号 ~7月号にかけて連載された作品をまとめたもの。角川スニーカー文庫からの登場。イラストは赤井孝美(あかいたかみ)が担当している。 角川…