ネコショカ

小説以外の書籍感想はこちら!
『刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機』
女真族の襲来と軍事貴族たちの台頭

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『パーフェクトフレンド』野崎まど 友達とは、素晴らしいものである

野崎まどの第五作 2011年刊行作品。『[映] アムリタ 』『舞面真面とお面の女』『死なない生徒殺人事件』『小説家の作り方』に続く、野崎まどとしては五作目の作品である。 さらに続く『2』を含めて、野崎まどの初期六部作を構成している。 この野崎まどの初…

『亡国のイージス』福井晴敏はこの作品でブレイク!

『Twelve Y.O.』の続篇 1999年刊行作品。第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞日本軍大賞、第53回日本推理作家協会賞長篇を受賞。「このミス」2000年版でも国内三位にランクイン。福井晴敏(ふくいはるとし)の出世作と言ってよいだろう。 亡国のイ…

『樒(しきみ)/榁(むろ)』殊能将之による「密室本」!

殊能将之の第五作 2002年刊行作品。これまでに何作か紹介している、講談社ノベルズ20周年記念企画「密室本」の一冊である。「密室本」歴代メフィスト賞受賞作家による、密室をテーマとした競作シリーズ。ちなみにタイトルの読みは『樒(しきみ)/榁(むろ)…

『エヴァンゲリオンの夢』碩学・大瀧啓裕のガチ考察本

あの大瀧先生がTV版「エヴァ」をガチで解読 テレビ版の『新世紀エヴァンゲリオン』が放映されていたのは1995年~96年にかけてのこと。なんともかれこれ四半世紀も前のことになる。 そして、『エヴァンゲリオンの夢』は2000年に刊行されている。『新世紀エヴ…

『模倣犯』宮部みゆき 最後に明らかになるタイトルの意味に戦慄

2002年の「このミス」第一位作品 2002年版『このミステリーがすごい!』で国内部門1位となった作品。 2001年刊行作品。当時としては、1998年の『理由』以来久々に登場した宮部みゆきの現代ミステリ作品だった。 上下巻構成で二段組み1,400ページ余の超大作だ…

『宇宙(そら)へ』メアリ・ロビネット・コワル わたしは宇宙に行きたい!

ネビュラ賞、ヒューゴー賞、ローカス賞、サイドワイズ賞を受賞! 2020年刊行作品。作者のメアリ・ロビネット・コワル(Mary Robinette Kowal)は1969年生まれのアメリカ人作家。 本作『宇宙(そら)へ』の、オリジナル米国版は2018年に刊行されており、原題は…

『小説家の作り方』野崎まど ”この世で一番面白い小説”は書けるのか

野崎まどの第四作 2011年刊行作品。『[映]アムリタ』『舞面真面とお面の女』『死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~』に続く、野崎まどの第四作にあたる作品である。 その後刊行された『パーフェクトフレンド』『2』を含めて、野崎まどの初期…

『迷宮学事件』秋月涼介 講談社ノベルズ20周年記念企画「密室本」の一冊

秋月涼介の第二作は「密室本」 2002年刊行作品。秋月涼介(あきづきりょうすけ)としては、デビュー作である『月長石の魔犬』に続く第二作。第20回のメフィスト賞受賞後、初めて上梓した作品である。 『迷宮学事件』は講談社ノベルズの20周年記念企画「密室…

『夜のピクニック』恩田陸 2005年の本屋大賞の第1位作品!

恩田陸、高校三部作の完結編 2004年刊行作品。2005年の第2回本屋大賞の第1位に輝いた作品である。 恩田陸としては『六番目の小夜子』『球形の季節』に続く、高校三部作の完結編的な位置づけの作品(クリエイターズワールドの恩田陸インタビューより)とされ…

『ラスト・イニング』あさのあつこ 「バッテリー」シリーズのその後を描く

「バッテリー」シリーズ待望の外伝作品 「バッテリー」シリーズは、正編6冊の感想を書いたものの、長らく本書の存在を知らずにいたので、遅まきながら入手して読んでみたよ。 本作は2007年刊行。新田東対横手の再試合と、その後を描いた「マウンドへと」「白…

『閻魔堂沙羅の推理奇譚 金曜日の神隠し』木元哉多 シリーズ初の長編作品

「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズの六作目 2019年刊行作品。かれこれ三か月ほど続けている、木元哉多の「閻魔堂沙羅の推理奇譚」シリーズを全巻読もう企画だが、今回でようやく六回目である。 ドラマ版の放映前に全部読めるかなと思ったら、9月にシリーズ七…

『リバーズ・エンド』橋本紡 世界の存在を賭けた戦いと少年少女

橋本紡の第三作 『リバーズ・エンド』は2001年から2003年にかけて刊行された作品である。 作者の橋本紡(はしもとつむぐ)は1967年生まれ。1997年に『猫目狩り』電撃ゲーム小説大賞を受賞し作家デビューを果たす。 2000年代前半まではライトノベル(電撃文庫…