INPEX、ブルー水素商用生産へ設計開始 新潟で30年稼働
INPEXは18日、新潟県内で水素の商用プラントの基本設計を始めたと発表した。国内やオーストラリアから調達した天然ガスで水素を生産し、製造時に出る二酸化炭素(CO2)を回収する「ブルー水素」として販売する。プラントの生産能力は年間10万トン規模とし、2030年ごろの商用生産開始を目指す。 南長岡ガス田(新潟県長岡市)や豪州で稼働する「イクシス」から調達した天然ガスを原料に水素を生産する。回収した
衛星で海の風況調査、精度1000倍 Synspectiveきょう上場
人工衛星スタートアップのSynspective(シンスペクティブ、東京・江東)が地球観測衛星の一種「SAR衛星」を活用し、海の風況を調査している。風況の良い場所に洋上風力発電所をつくれば発電量が増え採算を確保できる。SAR衛星の撮影画像から広範囲の風速を分析し、衛星画像を使った従来手法より約1000倍細かく推定できる。シンスペクティブは19日、東証グロース市場に上場し、調達資金は衛星の開発・製造
次期エネ基「予見可能性と柔軟性向上」 日鉄会長
経済産業省は17日、次期エネルギー基本計画の原案を公表した。2040年度に総発電量に占める再生可能エネルギーの割合を4〜5割程度に引き上げ、火力は3〜4割程度、原子力は2割程度とした。脱炭素を進めつつも将来の不確実性に対応するため、発電量や電源構成の見通しに大きな幅を持たせた。有識者からは柔軟性を評価する意見が出た。 AI・DXで電力需要は2割増 「不確実性のあるなかで柔軟性のある姿を示した。エ
双日、アイルランドで電力小売り データセンター需要増
双日は電力小売りのニューメジャードパワー(アイルランド)を買収すると発表した。2025年1月以降に、双日のグループ会社と共同で株式の98%を取得し、双日の連結子会社にする。データセンターの建設などで増加する現地の電力需要を取り込む。 ニューメジャードパワーが販売する電気は100%再生可能エネルギー由来で、法人販売に強みを持つ。また、傘下企業を通じて電気やガス、水などの使用量をリアルタイムで見える
大ガス、中古マンションを「ZEH」に 給湯器・窓・壁を改修
大阪ガスは中古の集合住宅の一室を省エネ住宅「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス、ゼッチ)」にリノベーションする事業を始めた。集合住宅の改築では太陽光パネルなど「創エネ」の設備導入が難しい。大ガスは高効率な給湯器を導入し、窓や壁の断熱性能を上げるなど、地道な省エネを積み重ね、ZEHに改修する。 「環境配慮型」より20%省エネ 大ガスは住設機器などを取り換えるリフォーム事業を30年以上前から手掛け、よ
編集者の視点 「ノルウェーで電力輸出の縮小論」
本日は「ノルウェーで電力輸出の縮小論」「英政府が再エネ優遇策を公表」を取り上げます。エネルギーチームキャップの山本夏樹が世界各地の報道などから紹介します。 ノルウェーで電力輸出の縮小論 欧州随一の水力資源を持つノルウェーで近隣国への電力輸出が政治争点化しています。英フィナンシャル・タイムズは12日、電力価格の高騰で輸出の縮小が議論されていると伝えました。各政党がデンマークとの相互接続の廃止を打ち
関西電力、ドイツで洋上風力31万kW スペイン社と合弁
関西電力は13日、ドイツの洋上風力発電事業に参画すると発表した。スペインの再生可能エネルギー事業者が設立した特別目的会社の株式を取得し、総発電容量31万5000キロワットの洋上風力発電所の建設・運用に携わる。再エネ先進地の欧州で事業ノウハウを積み、日本での開発にも生かす。 再エネの発電や小売りを手掛けるスペイン・イベルドローラグループの「ヴィンダンカー洋上風力発電」に関電が49%出資する。ドイツ
SAFの25年生産量2.1倍 IATA「がっかりするほど遅い」
世界の航空各社が加盟する国際航空運送協会(IATA)は2025年の再生航空燃料(SAF)の生産量が24年比2.1倍の27億リットルになるとの見通しを発表した。ジェット燃料の生産量全体の0.7%にとどまる。IATAは「SAFの生産量は増えているが、がっかりするほど遅い」とコメントした。 24年の世界のSAF生産量は13億リットルと23年(6億リットル)の2.2倍になったが、IATAが6月に公表した
マクドナルド、関西130店に再エネ 初のPPA
日本マクドナルドは10日、2025年2月から大阪府や兵庫県など関西地方の約130店で使用する電力を再生可能エネルギーに切り替えると発表した。発電事業者と長期契約を結んで直接電力を購入する「コーポレートPPA」(電力購入契約)を活用する。コーポレートPPAを使うのは同社としては初めてで、年間約3000トンの二酸化炭素(CO2)排出量をゼロにする。 関西電力と同社グループのKDS太陽光(東京・港)と
ダイハツ、牛ふん由来のガスで発電 滋賀に実証プラント
ダイハツ工業は滋賀県竜王町の工場内に牛ふんを活用したバイオガスの実証プラントを稼働したと公表した。数年後に規模の大きい量産プラントを稼働し、アルミニウムの溶解炉で熱源としての利用を目指す。熱源の約10%を牛ふん由来のバイオガスとする計画で、地域の特産品である近江牛の資源を生かして二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する。 ガスを取り出した後の残りかすは地元の近江米など農作物の有機肥料として供給する