水素製造用の膜、川崎に生産設備新設 旭化成350億円投資
旭化成は18日、水素を製造する水電解装置向けの膜などの生産設備を新設すると発表した。川崎市内の工場で2028年度の稼働を予定し、投資額約350億円のうち政府から最大114億円の助成を受ける。水素向けだけでなく食塩電解用向けなど既に手掛けている製品も生産できる兼用設備にする。水素需要を見通しづらい事業環境を見据えた生産体制を整える。 旭化成は水素製造のためのアルカリ水電解システムを開発しており、今
DMG森精機社長、スコープ3削減へ「調達先の費用負担も」
工作機械最大手のDMG森精機は2030年のスコープ3削減目標を19年比13.5%減から27.5%減に引き上げた。同社のスコープ1〜3のうち、購入した部品・サービス由来や製品使用時の二酸化炭素(CO2)が9割を占める。森雅彦社長はNIKKEI GXのインタビューに対し、サプライヤー(調達先)の費用を負担するなどして目標を達成する考えを示した。主なやり取りは以下の通り。 スコープ3「予定より早く削減
東レ、CO2分離膜を実証生産 26年度の販売めざす
東レは17日、天然ガスやバイオガスから二酸化炭素(CO2)を分離する膜の実証生産設備を滋賀県内の工場に導入すると発表した。2025年度中の稼働開始を目指し、量産技術構築に向けての検証や、生産した膜を使った実証実験を進める。35年までをめどに売上高で100億円規模を目指す。 数億円を投じて実証生産設備を設けて量産に向けた技術構築を進める。生産した膜で自社内や社外と連携しての実証実験も目指す。26年
地殻の力から地熱開発の適地分析 東北大学、高温に対応
東北大学流体科学研究所などでつくる研究グループは、地下深くの岩石に加わる力(地殻応力)を測り、地熱発電の開発に必要な熱水や水蒸気の流れを的確につかむ測定法を開発した。従来の測定法と比べ、より深くかつ高温の地中での計測ができる。開発業者と検証を重ね、地熱開発への応用をめざす。 この研究は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託によるもので、地質調査や環境コンサルティングなどを手がける応
EV電池のリチウム、膜で効率的に回収 東洋紡エムシー
東洋紡エムシーは使用済みの車載用電池からレアメタル(希少金属)のリチウムを回収するために使う膜素材を開発した。役割を終えた電気自動車(EV)用電池を破砕した粉を溶かした液体を膜に通し、リチウムを濃縮して取り出す。従来の手法に比べて濃縮工程時の消費エネルギーを7割削減できるという。 このほど中国の電池リサイクル大手、格林美(GEM)に初めて納入した。EV用電池に使うレアメタルの確保は世界で課題とな
軸受け改善で船の燃費1%向上 バレーボールのミカサ
ミカサ(広島市)の船舶スクリュー向け軸受けを商船三井系がばら積み船に導入したところ、1%強の燃費削減効果があった。海運のカーボンニュートラルで本命視されるのはアンモニアやメタノールといった次世代燃料の導入だが、船の構造そのものを変える必要があり、スペースに制約がある小型船などでは難しい。小幅でもコツコツと排出量を減らす取り組みの積み重ねが重要になる。 バレーボールの経験者なら「MIKASA」のボ
GHG減らす森林農法、アサイーで拡大 ブラジル農業組合
植林と農作物の栽培を同じ場所で同時に進め、農業と温暖化ガス(GHG)削減の両立を目指す「アグロフォレストリー」が、南国産の果実「アサイー」で成果を出している。アサイーの輸入販売を手掛けるフルッタフルッタが契約するブラジルの農業共同組合が採用。対象農地はこの20年強で約6倍の約2万ヘクタールまで広がった。 農地に植林、日伯2国間協定でも言及 アグロフォレストリーは農業を指す「アグリカルチャー」と林
GXの黒子「SiCパワー半導体」を一貫生産 基板を国産化
光学系部品のオキサイドは半導体受託生産会社のJSファンダリ(東京・港)と組み、新型パワー半導体に使う炭化ケイ素(SiC)のウエハー(基板)の生産を始める。2025年3月までにサンプル品の出荷を目指す。SiC半導体は送配電設備や電気自動車(EV)などの電圧制御に使われ、30年に市場規模は約6倍に拡大する見込み。国内で素材から半導体デバイスまで一貫生産する体制を整え、グリーントランスフォーメーション
日本郵船、液化CO2船の建造検討 常温で省エネ輸送
日本郵船は二酸化炭素(CO2)を液化して運ぶ船舶の建造を検討すると発表した。CO2を「常温昇圧」で液化する技術を採用する。低温で液化する従来の方法に比べて電力の使用量を抑えられる。発電所や工場から発生するCO2を回収し、地下に貯留するCCS事業での活用を見込む。 日本郵船は、ノルウェーのクヌッツェン・グループとの合弁会社であるクヌッツェン・エヌワイケイ・カーボン・キャリアーズ(KNCC)、造船大
パナソニック、英工場に燃料電池・蓄電池 再エネ100%
パナソニックは英国内の自社工場で使う電力をすべて再生可能エネルギーで賄う実証実験を始めたと発表した。燃料電池と蓄電池、太陽光パネルを工場の電力使用量や天候に合わせて制御する。燃料電池が発電時に発生させる熱は工場内の暖房と給湯に活用する。2026年にも現地企業や行政との連携による社会実装を目指す。 英国ウェールズで電子レンジを製造する工場に実証設備を導入し、試運転を始めた。工場の年間消費電力は約1