エスパニョール移籍が決まった日本代表MF中村俊輔(30)が、山ごもり合宿でW杯シーズンを完走できる肉体をつくる。20日までに移籍が決まり、7月13日にチームに合流する日程も確定。これを受けて、中村と所属事務所「スポーツコンサルティングジャパン」は、7月初旬に日本国内で自主トレ合宿を行う方針を固めた。
すでに専属トレーナーと練習相手は確保した。期間は長くても1週間とみられるが、朝は走り込み、昼はボールを使った練習、夜はバスケットボールなどで汗を流す「3部練習」を敢行する。合宿地はこれから選定となり、都心を離れて郊外にこもり、集中してメニューを消化する予定だ。濃密な時間を過ごし、短期間で一気にコンディションを高める考えだ。
欧州移籍後、最長の休暇期間を得て、肉体の回復と強化の両立が可能になった。6月10日のW杯予選カタール戦後、チームから離脱。スペインリーグの開幕が他国リーグに比べて2週間以上遅く、1カ月以上のオフがとれることになった。現在は完全休養中。まずはセルティックで今季終盤に悪化させた股(こ)関節痛の回復に努める。
その上で短期合宿に入れば、肉体づくりの効果は倍増する。昨季はW杯予選、一昨季はアジア杯、06年はW杯ドイツ大会があったため、まともなオフが取れなかった。長いシーズンに向けて、自主トレでじっくりと体をつくる機会に恵まれていなかった。
今オフは横浜移籍が決定寸前で白紙になり、急転エスパニョール移籍が決定。中村にとって気持ちの整理も難しい状況だが、一方で長期オフを得ることができた。この「副産物」を生かし、来年6月のW杯本番まで続く長いシーズンを戦い抜く準備を、着々と進めていく。
[2009年6月22日7時30分
紙面から]ソーシャルブックマーク