「キセキ」が今春の選抜高校野球の行進曲に使用された4人組グループ、GReeeeNが25日発売のベスト盤を最後に電撃解散することが4日、分かった。同グループはメンバー全員が現役歯科大生で、勉学と音楽の両立を目指し活動を続けてきた。だが、全員が将来について話し合った結果、今後は4人全員が歯科医としての道を進むことを決めたという。デビューからわずか2年で音楽活動にピリオドを打つことになった。
アルバム「塩、コショウ」が今年発売のオリジナル盤で唯一のミリオンヒットとなったGReeeeNが、全盛期での解散を決めた。4人は現役歯科大生だった07年にシングル「道」でメジャーデビュー。大学では周囲に音楽活動を知らせず、デビュー以来一貫してメディアに顔を露出することなく活動を続けてきた。
今年までにHIDE(29)navi(29)92(27)が歯科医の国家試験に合格。SOH(28)も来年の合格を目指し勉学に励んでいる。勉強と音楽の両立を目指した4人だったが、国家試験に合格して将来の道を模索した時にたどり着いた答えが、歯科医の道に進むことだった。メンバー全員で真剣に話し合った結果、解散を決めたという。25日発売のベスト盤「いままでのA面、B面ですと!?」が最後の楽曲作品となる。
4人はデビュー当時、地元東北地方の放送局で曇りガラスで顔を隠して1度だけテレビ出演したことがあった。以降、テレビ出演もライブもせず、CDのジャケットもイラストや外国人の子どもの写真を使用してきた。
テリー伊藤氏がプロモーションビデオの監督を手がけた「愛唄」のヒットから、耳に残る強い旋律を武器に「楽曲」だけの勝負で音楽界のトップに躍り出た。アイドルグループNEWSに「weeeek」を楽曲提供したほか、ドラマ「ルーキーズ」の主題歌「キセキ」、同映画の主題歌「遥か」とヒットを連発した。
今年6月発売の3枚目のオリジナルアルバム「塩、コショウ」は、今年発売されたオリジナルアルバムの中で唯一、日本レコード協会からミリオン認定された。そんな中でのベスト盤発売に「オリジナル盤が売れるのに、なぜこのタイミングにベストを発売するのか」と疑問の声が上がっていたが、メンバーが解散を決意した故のベスト盤発売だったようだ。
全盛期での解散は顔を出さずに音楽業界のトップに立った4人の美学ともいえそうだ。CDセールス不況と言われる今の音楽界で、猛スピードで駆け抜けたGReeeeNが、わずか2年で音楽の世界から去ることになった。
[2009年11月5日9時39分
紙面から]ソーシャルブックマーク