アップカット畝立マルチ播種機による早生エダマメの省力的播種技術
ポイント
- 早生エダマメの播種に関わる複数作業を効率的に行える。
- 作付面積の拡大や作業人数の削減が可能になる。
- 砕土率の高い畝を1行程で2畝同時に形成できる。
- 慣行と同等の出芽率で収量は同程度である。
播種関連作業体系の比較
上:改良、下:慣行
アップカット畝立マルチ播種機を用いると、早生エダマメの播種に関わる耕うん・畝立て・マルチ展張・播種の複数同時作業が可能である。また、本技術では平高畝を1行程2畝同時に形成できる。
土壌および試験年次の違いによる作業能率、投下労働量などの比較
注1 最大負担面積は、1日の作業時間を8時間、作業可能日数を21日として算出した。また、試算は投下労働量の平均値から、各作業人数における作業能率を算出して最大負担面積を算出した。
注2 現地と農試の作業時の長辺はそれぞれ200m、15mであり、改良播種の作業速度は、0.1~0.2m/sとした。
作業能率は3.3a/hで、播種作業のみの慣行に比べ2.2倍向上する。また、3人作業時の改良の作業能率は、6人作業時の慣行に相当する。投下労働量は慣行に比べ53%削減され、最大負担面積は慣行の約2倍以上に増加し、高能率で省力的な播種作業が行える。よって、同一作業人数で作付面積の拡大を図ることや、同一作付面積で播種作業人数を減らすことが可能である。
砕土率と出芽率、収穫本数の比較
注1 それぞれの数値は平均値で、試験は1~3が現地、4~6が場内で行った。また、改良1、3のみ一発耕起で、その他は粗耕起が行われた状態で試験を実施した。
注2 砕土率は畝全体の土塊径20mm、10mm未満の重量分布割合を示す。
注3 土壌水分は改良と慣行でそれぞれ、24.6~35.5%、26.8~32.8%の範囲であった。
本技術の砕土率は慣行に比べ高く、手作業で行う覆土に近い作業が行えるため、慣行と同等の安定した出芽が確保できる。
農林水産省のコメント
従来手作業で行われていた作業を行う機械であり、作業の効率化が期待できる。【生産局技術普及課】
播種作業の機械化により、作業性の改善による軽労化や、省力化による生産性の向上が図られることが期待される。【生産局園芸作物課】
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本研究の一部は、生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)」『寒冷地北部における野菜導入とリモートセンシングの活用による大規模水田作経営体の収益向上技術の実証』により実施されたものである。
成果に関するお問い合わせ先秋田県農業試験場 企画経営室 企画班 |
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