河村電器産業、SCSK、Pixiiの三社が社会の脱炭素化実現に向けて 業務提携協議に関する覚書を締結
～『分散エネルギー最適制御プラットフォーム（仮称）』を２０２５年度に提供開始へ～
2024年12月9日
河村電器産業株式会社（本社：愛知県瀬戸市、代表取締役社長：水野 一隆、以下 河村電器産業）、ＳＣＳＫ株式会社（以下ＳＣＳＫ ）、Pixii AS（以下 Pixii）は、各社の技術力を活用して開発した『分散エネルギー最適制御プラットフォーム（仮称）』を2025年度から提供開始するために、業務提携協議に関する覚書を締結しました。
本プラットフォームは、高圧受電設備（キュービクル）とパワーコンディショナー※1、蓄電池を組み合わせ、電力の最適なマネジメントをおこなうことで建物の脱炭素化を推進するとともに、分散配置されたエネルギーリソースをクラウドから一括で統合管理・制御することにより、CO2削減および効率的な電力消費を実現します。本覚書により、本プラットフォームの提供に向けて検討を加速し、各種契約の締結に向けて準備を進めていきます。
※1 太陽光発電や蓄電池の電力を、ビルや工場などで使える電気や系統電力に変換する機能を備えた機器
（左からＳＣＳＫ 業務役員 奥原 隆之、Pixii CEO Kenneth Bodahl、河村電器産業 代表取締役社長 水野 一隆）
１．背景・目的
世界的にカーボンニュートラルへの取り組みが加速するなか、日本においても電力の消費者である需要家側で再生可能エネルギー発電設備の導入が普及し、エネルギーリソースの分散化が浸透する見込みです。再生可能エネルギーの発電には、天候や時間帯による発電量の変動や、余剰電力の発生に伴う出力制御の対応から、使用電力量に応じて柔軟に充放電できる蓄電システムの活用が期待されています。これまでの蓄電システムは、既存の機材と要件に合わせた特注の機材の組み合わせで構成されており、システムの設計や製造に時間を要していました。また、導入には送配電事業者の系統連系規定にも個別の対応が必要でした。
上記課題の解決に向けて、河村電器産業、ＳＣＳＫ、Pixiiの各社の強みを結集し、多様な用途にソフトウェアで柔軟に対応できるシステムの商品化に向けて共同で検討を進めており、このたび『分散エネルギー最適制御プラットフォーム（仮称）』として2025年度からの販売活動開始を目指すことで合意したため、本覚書の締結に至りました。
河村電器産業の強み
●高圧受電設備（キュービクル）の国内トップシェア（2024年3月 河村電器産業調べ）
●100年以上にわたる取引先との強力な関係性を構築
●電気設備の設計段階からアプローチ可能な電気設備設計支援サービス『Qrespo※2』を提供
※2 https://www.kawamura.co.jp/news/20221114-2/
ＳＣＳＫの強み
●ITサービスの提供を通じて構築した約8,000社のお客様との強固な信頼関係
●業界固有のITサービス需要に応えるさまざまな業務ノウハウと技術力
●業務用建築物の省エネ・脱炭素化を支援するサービス『ZEBiT※3』を提供
※3 https://www.scsk.jp/news/2024/pdf/20240329.pdf
Pixiiの強み
●一つのハードウェアコンポーネントで、系統とバッテリー間の双方向電力変換や太陽光発電用DC/DC変換、非常時のバックアップなど、多様な分散電源システムのニーズに対応できるモジュラー型、ソフトウェア・デファインドのパワーコンディショナーを提供
●安全で運用保守が容易な分散電源システムの構築を可能にする低電圧（４８VDC）のバッテリーの並列接続を採用
2.分散エネルギー最適制御プラットフォーム（仮称）について
本プラットフォームは、高圧受電設備（キュービクル）とパワーコンディショナー、蓄電池を組み合わせて一体型で提供し、設備全体のエネルギーをクラウドから統合管理し、電力を最適にマネジメントすることで効率的な電力消費を実現します。
製品イメージ（コンセプトモデル）
製品コンセプト
●モジュラー型による高い拡張性・設計、設置工事の省人化
高圧受電設備（キュービクル）・制御盤・管理機器・パワーコンディショナー・蓄電池のモジュール化により、顧客要望ごとの出力・蓄電池容量に対応が可能となります。さらに、生産工場で組み立てやシステムアップをおこない一体型で提供することで、電気設備設計業務の軽減や現場での設置の省人化を実現します。
● 顧客に合わせた運用で価値の最大化を実現
Pixiiのパワーコンディショナーは、システムおよびハード面を自由に組み換えできる点が最大の魅力です。組み合わせにより顧客に合わせた運用が可能となり、顧客価値の最大化を実現します。
● 分散エネルギーリソース管理機能を標準搭載
SCSKが提供する省エネ・脱炭素化支援サービス『ZEBiT』の分散エネルギー管理機能により、建物全体のエネルギーをクラウドから統合管理することが可能となります。本機能により遠隔で設備の制御や状態監視が可能となり、運用にかかる業務負荷を軽減します。
2024年12月11日～13日に東京ビッグサイトで開催するJAPAN BUILD TOKYOの「第2回 建物の脱炭素 EXPO」のＳＣＳＫブース（コマ番号：8-98）において、本プラットフォームのコンセプトモデルを初展示します。詳しくは、https://www.japan-build.jp/tokyo/ja-jp/about.htmlよりご確認ください。
河村電器産業株式会社について
河村電器産業株式会社は、配電盤やキュービクル、住宅用分電盤などの製造・販売をおこなう受配電設備メーカーです。国内に7か所の製造拠点を有しており、直近では2024年4月に郡山工場の稼働を開始いたしました。海外では1996年の中国進出を皮切りに、近年ではタイ・ベトナム・シンガポールで現地メーカーや商社のグループ化をおこなうなど東南アジアでの事業拡大を図っています。また、創業100周年にはミッション「アクティブ・ディフェンス 新しい世界には、新しいあんしんを。」を制定し、新しいリスクから人々を守るために何ができるのかを考え、製品開発をおこなっています。
https://www.kawamura.co.jp/
ＳＣＳＫ株式会社について
ＳＣＳＫ株式会社は、コンサルティングから、システム開発、検証サービス、ITインフラ構築、ITマネジメント、ITハード・ソフト販売、BPO（ビジネス・プロセス・アウトソーシング）まで、ビジネスに必要なすべてのITサービスをフルラインアップで提供しています。また、ITを軸としたお客様や社会との共創による、さまざまな業種・業界や社会の課題解決に向けた新たな挑戦に取り組んでいます。
https://www.scsk.jp/
Pixii ASについて
電力とテレコム業界の経験に基づき２０１８年にパワーコンディショナーと蓄電システムの専門企業として創業。幅広い電力仕様や多様な市場ニーズに対応できるモジュラー型で拡張性の高いパワーコンディショナーを開発。再エネ電源と連携した蓄電池システムを提供することにより、エネルギーコストを削減し、脱炭素社会の実現に貢献しています。本社は、ノルウェークリスチャンサン市。グローバル市場で事業拡大中。２０２３年にデロイト社からノルウェーで最も急成長のテクノロジー企業と認定されました。
https://www.pixii.com/ （英語サイト）
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