群馬県が舞台のテレビアニメ「菜なれ花なれ」(通称・なれなれ)を巡り、作品に登場した「ぐんまちゃんようかん」を再現しようと、老舗和菓子店の舟定(桐生市本町)が挑戦している。商品化は未定だが、同社が10月21日、X(旧ツイッター)で、「頂いていた宿題」と試作品の写真を公開すると32万回以上表示され、大きな話題になっている。

過去一番の難しさ​

 「なれなれ」は7~9月に放送された、女子高校生6人が応援を通じて成長する物語を描いたアニメ。「ぐんまちゃんようかん」はある主要キャラクターの好物という設定で登場する。金太郎あめのように、切っても切っても県のマスコット「ぐんまちゃん」の顔が続くことが特徴で、実在はしていない。

作品に繰り返し登場する「ぐんまちゃんようかん」(c)なれなれプロジェクト/菜なれ花なれ製作委員会

 アニメを共同製作したDMM.com(東京)が製造できる企業を探していると報じた4月の本紙記事を見た東山迅児社長(54)は挑戦を決めた。Xのフォロワーや知人からの後押しもあったという。これまでに、ぐんまちゃんや様々なキャラクターを題材に、和菓子の「練り切り」を作ったことはあったが、「過去一番の難しさだった」と振り返る。

ぐんまちゃんようかんの試作品。30回近くの試行錯誤があった(舟定提供)

 ようかんは寒天に砂糖、あんこを混ぜ、煮詰めた液体を固めて作る。その過程で、ぐんまちゃんをどのようにようかんに入れるかが課題となった。型を取り、顔の部分ごとに白ようかんをオレンジ、赤と着色したパーツのようかんを用意。型の途中まで通常のようかんの液を流し入れ、ある程度固まったらパーツを差し込む。その後に残り半分ほどの通常の液を流し入れるという。