事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

朝日新聞&共産党「反撃能力は敵基地攻撃能力と書き続ける」安保関連3文書改訂で:「汚染水・共謀罪・戦争法案」などと共通点

言葉を破壊する工作

安保関連3文書改訂:いわゆる「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」へ

国家安全保障戦略について | 内閣官房ホームページ

防衛省・自衛隊:「国家安全保障戦略」・「国家防衛戦略」・「防衛力整備計画」

安保関連3文書(国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画)の改訂に伴い、政府はいわゆる「敵基地攻撃能力」と呼ばれてきたものについて、「反撃能力」という用語を用いることを明確にしました。

この反撃能力とは、我が国に対する武力攻撃が発生し、その手段として弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合、武力の行使の三要件に基づき、そのような攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限度の自衛の措置として、相手の領域において、我が国が有効な反撃を加えることを可能とする、スタンド・オフ防衛能力等を活用した自衛隊の能力をいう。

この反撃能力については、1956 年2月 29 日に政府見解として、憲法上、「誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能である」としたものの、これまで政策判断として保有することとしてこなかった能力に当たるものである。
この政府見解は、2015 年の平和安全法制に際して示された武力の行使の三要件の下で行われる自衛の措置にもそのまま当てはまるものであり、今般保有することとする能力は、この考え方の下で上記三要件を満たす場合に行使し得るものである。 

ところが、この用語法が気に入らないメディア等が出現しました。

朝日新聞&共産党「反撃能力を敵基地攻撃能力と書き続ける」

https://digital.asahi.com/articles/ASQDJ257PQDHUTFK02V.html?iref=ogimage_rek

朝日新聞や共産党の志位和夫委員長は、今後も「敵基地攻撃能力(反撃能力)」と表記し続ける、としました。

しかし、これはおかしい話です。

そもそも政府は正式な用語として「敵基地攻撃能力」を使っていたのではありません。

例:参議院議員小西洋之君提出いわゆる敵基地攻撃能力に関する質問に対する答弁書

議員が口頭で述べる際にはそう呼んでいた場合もあったと思いますが、実際には昭和三十一年二月二十九日の衆議院内閣委員会における鳩山内閣総理大臣の

わが国に対して急迫不正の侵害が行われ、その侵害の手段としてわが国土に対し、誘導弾等による攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうには、どうしても考えられないと思うのです。そういう場合には、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、たとえば誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能である

との答弁(船田防衛庁長官代読)がベースになっていたものでした。

つまり、『「敵基地攻撃能力」という用語を使っていたのを「反撃能力」という用語に言い換えた』のではなく、最初からそんな用語は正式には使ってなかった中で、実用的な用語を用い始めたというものです。

他のメディアは「反撃能力(敵基地攻撃能力)」など、両用語の関係性を踏まえつつ正式名称としての扱いとそうでない扱いという事実に即した表記の仕方をしています。

「汚染水・共謀罪・戦争法案・新基地建設」などの言い換え或いは捏造表記との共通点

  • 処理水⇒汚染水
  • テロ等準備罪⇒共謀罪
  • 特定機密保護法・安保改正⇒戦争法案
  • 普天間基地の辺野古への移転⇒辺野古新基地建設

こういった事実と異なる実態を表す用語の使用という捏造、或いは印象操作のための言い換え表記というのは多数行われてきました。

それによって国民の実態把握・事実認識を歪めさせてきました。

朝日新聞の今回の用語法に関する強弁は、こうした流れに位置付けられるでしょう。

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