リーゼントのマスターが魂込めて焼き上げる「炭火焼鳥ろっか!」

f:id:Meshi2_Writer:20150707102239j:plain

“ロックンロール”

それは1950年代アメリカで生まれた黒人音楽のひとつです。ブルースやR&Bを起源とするこの音楽ジャンルは、チャック・ベリーやリトルリチャード、ファッツ・ドミノらによって確立されました。これらをポピュラーミュージックへと定着させたのが、誰しもが知っているロックンロールキング、エルヴィス・プレスリーです。

 

このエルヴィス・プレスリーが奏でた音楽は、新たに"ロカビリー"と呼ばれて世界中に広まっていきます。

 

日本では1960年代にロカビリーが大流行、1970年代には“革ジャン”、“リーゼント”、そして“ロックンロール”が若者たちの間で最新のトレンドとなっていきます。こうした時代背景の中評判だったのが、矢沢永吉さん率いる『キャロル』、舘ひろしさんや岩城滉一さん率いる『クールス』、宇崎竜童さん率いるダウンタウンブギウギバンドなどが有名です。

 

今回は、そんな日本の伝説のロックンローラーたちが足繁く通う、まるでリトルトーキョーの日本居酒屋のような炭火焼鳥店があると聞いて潜入してきました。

 

南林間駅東口より徒歩2分……ツイスト10分!?

f:id:Meshi2_Writer:20150707110557j:plain

噂のお店は、神奈川県大和市にありました。その名も「炭火焼鳥ろっか!」。事前にネットで調べた情報によると、最寄駅の南林間駅から徒歩2分と書いてあるのですが、その脇に“ツイスト10分”と書いてあります(笑)

 

「ツイスト!? マックで売ってるソフトクリーム!?」

そんなすっとんきょうな声が聞こえてきそうですが、ツイストとは1970年代から1980年代にかけて日本で大流行したダンスのことです。

 

▲ツイストダンスをご存知ない方は、こちらの動画をご覧下さい

 

「ロックンロールにはツイストがつきもの!」

足腰に自信のある方は、是非ツイストでお店に向かってみましょう。お店に到着する頃には、きっとお腹がすいて、美味しいヤキトリが食べられますよ。

 

f:id:Meshi2_Writer:20150707114308j:plain

店内に入ると、ロックンロールショップさながらの雰囲気。

 

f:id:Meshi2_Writer:20150707114602j:plain

アメリカンなロカビリーミュージックが流れる店内の壁には、貴重なレコードがたくさん飾られています。

 

f:id:Meshi2_Writer:20150707114744j:plain

そして、ロックンローラーには欠かせないリーゼントをキメるポマードまで。「本当にここでヤキトリ食べれるの!?」と不安になってしまうほど、どこにもヤキトリの要素は見当たりません(笑)。

 

f:id:Meshi2_Writer:20150707113952j:plain

店内を見渡すと・・・いました! ポマードでバッチリとキメた、リーゼントで硬派なマスターが美味しそうなヤキトリを焼いています。

 

「自分だったらこんなお店がやりたい」をカタチに

f:id:Meshi2_Writer:20150707115831j:plain

マスターの向山さんは、現在45歳、ロカビリー歴28年。若いころにライブハウスでロカビリーと出会い、そのカッコよさに魅了されてからはロカビリーひと筋。ローラー族で踊るために、必死でツイストを覚えたと思い出を語る向山さん。駅からのお店までのツイスト所要時間もその経験から。

 

当時サラリーマンだった向山さんは、飲食店向けの業務用冷蔵庫を販売する営業をしていたそうです。営業歴は11年、飲食店に出入りしていたときに「自分だったらこんなお店がやりたい」というインスピレーションが湧いたといいます。

 

今では伝説のロックンローラーが通うほどのお店に

f:id:Meshi2_Writer:20150707122152j:plain

「決して味で勝負したくないんです!」

そんな気になるこだわりを話す向山さん。「美味しいものを提供するのは、お店を始めるスタートライン」と、どこまでも自分にストイックです。お客さん同士のコミュニケーションを大事にする、他店にはないおもしろいお店づくりを心がけているという店内には、平日にもかかわらずたくさんのお客さんがいました。

 

お客さんに話を伺ってみると、向山さんがサラリーマン時代のお仲間さんたち。「週末の忙しいときには、みんなで手伝いに来るんですよ」という言葉に、向山さんの人望の厚さが感じられました。

 

そんな向山さんのお店には、キャロルやクールス、ダウンタウンブギウギバンドのメンバーが足繁く通うといいます。きっと向山さんの人柄が、伝説のロックンローラーまでをも魅了しているのでしょう。

 

他店では食べられない珍しいヤキトリ4本

f:id:Meshi2_Writer:20150707125851j:plain

ロカビリー談義に花を咲かせていると、肝心のヤキトリが焼きあがりました。「他店にはないメニューだから食べてみて」とまず出てきたのは、お店こだわりの珍しいヤキトリ4本セット。

 

写真左から

  • 砂ずり・・・コリコリした砂肝の筋(130円)
  • レツ・・・レバーとハツの間の脂がのった部位(180円)
  • ひも・・・ハツの根元の部位(130円)
  • タンシタ・・・ジューシーな豚タンの喉元(180円)

どれも希少部位のため、毎日なくなり次第終了の数量限定メニュー。お店のこだわりが表れた逸品です。気になったら早めにお店に行きましょう。

 

どこまでもロカビリー!ポマードケースに意外なものが……

f:id:Meshi2_Writer:20150707131711j:plain

珍しいヤキトリと一緒に出てきたのが・・・なぜかポマード?

 

「いくらロカビリーなヤキトリ屋さんだからって、さすがにヤキトリにポマードはつけませんよね?」

 

意味深な笑みを浮かべるマスター。裏側のラベルを見てみると・・・

f:id:Meshi2_Writer:20150707131953j:plain

おつまみになる、ビールとの相性抜群の『ろっかグリースZ』と。やはりお好みでヤキトリにつけて食べるように書いてあります。ますます意味がわかりません。(注:グリースを通称ポマードといいます)

 

おそるおそるフタを開けてみると・・・

f:id:Meshi2_Writer:20150707131454j:plain

なんと中にはみそが!ポマードの正体は、ヤキトリにお好みでつける自家製みそだったのです。どこまでもロカビリー、感服いたしました。

 

 çµ¶å“ãƒ¬ãƒãƒ¼ã¨ãŠã™ã™ã‚å®šç•ªãƒ¡ãƒ‹ãƒ¥ãƒ¼

f:id:Meshi2_Writer:20150707133501j:plain

そして、続けて登場したのがお店自慢の絶品レバーとマスターおすすめの定番メニューです。

 

写真左から

  • ズッキーニ巻き(200円)
  • ねぎま(130円)
  • とりニンニク(130円)
  • つくね(150円)
  • 自家製タルタルささみ(200円)
  • 絶品レバー(90円)

特に絶品レバーとタルタルささみは、熟練の技術で一番美味しく食べられるレアの状態に焼き上げています。常に新鮮なとり肉を取り扱っているからこそなせる技ですね。どれもリピート率が高いメニューなので見逃せませんよ!

 

炭火焼鳥店でまさかの生ライブまで!?

f:id:Meshi2_Writer:20150707143034j:plain

美味しいヤキトリを堪能していると、なにやら楽器をもったバンドマンが続々と入店してきます。「今日は2ヶ月に1度のろっかライブの日なんですよ」とマスター。ロカビリーでヤキトリというだけでも驚きなのに、炭火焼鳥店で生ライブまで楽しめるなんて……もうどうかしてるぜ!!

 

f:id:Meshi2_Writer:20150707143632j:plain

音の問題でフルバンドでのライブは難しいそうですが、こうしてたまにライブイベントも開催しているとのこと。ロカビリーを中心に、ブルースやフォークなど様々な音楽を楽しむことができます。

 

まるでリトルトーキョーの日本居酒屋

f:id:Meshi2_Writer:20150707144018j:plain

日本ならではの炭火焼鳥店なのにロカビリー。絶品ヤキトリから生ライブまで楽しめる「炭火焼鳥ろっか!」は、リトルトーキョーの日本居酒屋さながらの雰囲気です。

 

「都会の下町とは違う田舎感がここにはあります。空気も全然違うし、都会生まれ都会育ちの若者にこそ来てほしいですね。ここにはとにかく元気が溢れていますよ!」とマスターの向山さん。

 

ここ南林間は、小田急片瀬江ノ島線上にあります。渋谷からも隣駅の中央林間駅まで、田園都市線で1本の好アクセス。ちょっとした小旅行のつもりで、ロカビリー好きから、若者、カップルまで、是非足を運んでみてはいかがでしょうか?

生ライブを楽しみたい方は、お店のTwitterを要チェック!

 

お店情報

炭火焼鳥ろっか! ※移転後の情報を掲載しています

住所:神奈川県大和市林間1-4-2
電話番号:046-273-3370
営業時間:17:00〜24:00

www.hotpepper.jp

 

書いた人:矢口優太

矢口優太

ARROW ENTERTAINMENT 代表|大手旅行会社勤務後、音楽業界を経て独立。海外フェス・コンサート・ツアーの制作、舞台監督、ツアマネとして活動中。昭和60年・山形県最上町産。歴史と温泉とロックンロールを愛する体育会系スイーツ男子。趣味はボクシング|(有)赤倉観光タクシー 代表取締役|海外旅行・グルメライター。

過去記事も読む

トップに戻る