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前の記事の最後に “I feel Coke. :-)” と書いたのをめざとく見つけた人から「あれ、何ですか?」とこっそりご質問をいただいたので。
ある程度以上の年齢の方なら覚えていると思うけど、“I feel Coke.” って、1980年代の終わり頃にコカコーラの広告キャンペーンで使われていたスローガン。佐藤竹善とか上田正樹が歌っていたコマーシャルソングが耳に残ってる人も多いと思います。さわやかテイスティ。
で、これって、英語圏の皆さんのあいだでは「日本の街中にあふれている不思議な英語のようなモノ」の代表格として有名な作品。
私は当時、外資系のソフト会社に勤め始めたころで、出張で東京に来たアメリカ人の同僚が社内のコーラの自販機でこのスローガンを大きく書いたポスターを見てみんなで大笑いしていたのを思い出します。白状すると、私も最初は彼らがなんで笑っているのかわからなかった。で、聞いてみました。
英語ネイティブの感覚では feel 〜 と、feel のあとに名詞が来るときは fear とか anger とか pleasure とか、感情を表す単語を期待しちゃうので、そこに唐突に Coke と来られると、なんだかとにかくすわりがわるいヘンな感じになるようです。文法的にどうとかという以前に、感覚的に意味が分からん、気持ちが悪い、と。それを、アメリカを代表する大ブランドの広告キャンペーンでやらかしてるから、特にアメリカ人からすると気持ち悪さ倍増なんでしょうね。たとえて言うと、日本人がアメリカのテレビでソニーのコマーシャルを見たら、「てにをは」が違うヘンな日本語のキャッチフレーズを連呼していた、みたいなもんですかね。
日本人コピーライターとしては、とくにあの時代は「フィーリング」とかが重視されていた頃でもあるので「コークを感じる!」とか「コークな気持ち」ぐらいの意味合い(それも、意味よくわからんけど)で提案したんでしょうけど、英語的にはどう転んでもありえないおかしな単語の羅列だったという例でございました。
How do you think? :-)