忘れん坊の外部記憶域

興味を持ったことについて書き散らしています。

社会全般

「リスクはあるが必要なもの」に関しての考察

2024年12月初頭に韓国の大統領が戒厳令を発令した事件の余波を受けて、日本でも戒厳令や緊急事態条項に関する議論がコロナ禍以降久しぶりに再燃しているようです。 法治国家及び自由主義国家 このトピックを語る前に、日本における戒厳令や緊急事態条項に関…

DEIに対する苦言

多様性と公平性は、存外に難しい。 非現実的な理念 近年の社会的なフレームワークの一つにDEIがあります。 これはDiversity, Equity, Inclusionの略で、日本語にすると多様性・公平性・包括性で、これらの考え方を重視するフレームワークです。 個人的な見解…

テレビを信じていた人と、Youtubeを信じている人

今回は特にデータの無い、想像を話していきます。 たぶん恐らく ここ最近、古いネットスラングですが「ネットde真実」的なことが一部の界隈で話題になっています。俗に言う「Youtubeで真実を知った」です。 古いスラングがあるようにインターネット上の情報…

「偉い」は意外と難しい

「偉い」の意味は主に二つあります。 一つは「品行や経歴や才能が立派である、優れている」ことであり、もう一つは「地位や身分が高い」ことです。 この言葉は非常に矛盾を抱えていると言いますか、実に徳治主義・儒教的な言葉なので、なにか上手いこと意味…

誤った情報が延々と流れ続ける事例の観測記録

誤った情報の拡散になってしまうので引用はしませんが、「日本が国連から貧困国に認定された」と間違った情報が書かれた画像がありまして、その画像を用いてSNSで騒ぐ方がいらっしゃる度に以下の記事のアクセス数がちょっと伸びる、そんなループが不定期に生…

お節介な人はどこかへ消えたのか?

現代は都市化が進んだことで人間関係が希薄になった時代だと言われています。 隣の家に住んでいる人をよく知らない。ご近所付き合いは減った。道端で悪さをしていたとしても知らない子どもを叱るなんてとんでもない。 そんな風に言われますが、実はそうとも…

上を変えなければ下は変わりようがない

現代社会における問題が明確になった際、「若者へ教育をすべきだ」とした意見を見かけることがあります。最も顕著なパターンとしては『いじめ問題』が筆頭で、それ以外にも人権関連などで若者への教育の必要性が時に語られているでしょう。 ただ、本当に効果…

武力行使が生じなければ他は許されるのか

中国による台湾への武力行使が生じるかどうかは近年の国際社会においてアジア太平洋地域の大きな課題であり続けています。 現実的にはそのような事態が生じる可能性は低いと各所で分析されていますが、そういった事態が生じた場合へのリスク管理は誰にとって…

低技能化と高技能化はどちらが人に優しいのだろう

恐らく、人によるとしか言えない。 今回は結論の無いふわふわした話をしましょう。 社会の高度化と人間の連動 先進国の基本トレンドとして少子高齢化があります。 少子高齢化については様々な切り口で理由や原因が説明されてはいますが、どのような因果関係…

戦争を動詞的に扱っていいものか

日本は「戦争を放棄している」とされています。 しかし、よくよく考えてみると「戦争を放棄する」とはどういった意味なのでしょう? 戦争の捉え方 あちらこちらでそこそこ見かける表現である「戦争を放棄」について、そもそも「戦争」をどう捉えているかが人…

判官贔屓と共感を生み出す人々の弱者性に関して

判官贔屓について思うところ。 科学的な理解 判官贔屓とは「弱い立場に置かれている者に対しては、あえて冷静に理非曲直を正そうとしないで同情を寄せてしまう」心理現象です。類語としては「弱気を助け強きを挫く」の前半部分が近いでしょうか。 これは何も…

「個人の悪」と「社会の悪」

先日、朝食を買った時のやり取り。 店員「お会計、368円です」 私「え、少なくないですか?」 店員「あ、すみません、ひとつ入っていませんでした」 実に大したことのない事例ですが、店を出て職場へ向かう途中に考えてみたところ、黙っていれば出費が減る利…

危機回避は認知の領域まで足を踏み入れている

心理学における二重過程理論(Dual process theory)は広く認知された考え方となっています。 二重過程理論を大雑把に言えば、人の思考は『自動的で無意識的』なものと『制御的で意識的』なものの二つに分類することができるとした理論です。それらは「情念と…

シェディングの根拠とされる論文を見てみましょう

10月に入りレプリコンワクチンの定期接種が始まったためか、ネット上でレプリコンワクチンの話題を各所で見かけるようになりました。 個人的に陰謀論は「お好きにどうぞ」と思う派です。人それぞれ思想信条の自由はありますので、他者に押し付けないのであれ…

注意力を有限資源として管理すること

注意を払う。 この言葉は実に言い得て妙です。注意とは金銭と同様に払い渡しをするものだと認識する必要があります。 ちなみに「注意を払う」を英語で言えば「pay attention」です。異なる言語であっても同様に、注意(attention)は支払う(pay)ものだと理解さ…

職業差別と上下を分ける線引きの仕方に関する私見

インターネットの一部界隈で職業差別について騒ぎになっていたので、そういった認知や差別に関する私的な見解を整理してみます。 今回の騒ぎの根源はよく見かけるような「ブルーカラーの職業に対する見下し発言」と「男性への統計的差別発言」でしたが、今回…

多数派に対する差別は成立し得る

時々ですが、差別に関する議論で次のような言説を見かけることがあります。 「差別とはマジョリティ(多数派)からマイノリティ(少数派)へ行うものであり、マジョリティに対して行われる言動は差別にはならない」 「差別を受けるのは常にマイノリティであり、…

情報の信頼性に関する私的な考え方

昨今はフェイクニュースに関する言及を各所で見かけるようになりました。 そういった嘘情報や情報の信頼性について、特に深い思索ではなくただ思っているところを述べていきます。今回は定量的な分析や主張ではなく、ただの思い付きの意見です。 情報の信頼…

集団における意思統一の是非

だから心の中では住み分けましょう。 意思統一の限界 集団において参加者全員の意志を統一できるか否かは規模に依存します。 サークルや部活動くらいの小集団であればまだ検討の余地もありますが、それですら時に軋轢を生じることもあるでしょう。それが企業…

陰謀論者の特徴

最近、陰謀論に関する記事を書き過ぎているような気がする。 学者先生は容赦がない 昨今世論を騒がせている・・・かは微妙なところですが、時々話題を目にする陰謀論。 そんな陰謀論にハマってしまうのはどんな人なのかと疑問を持ったところ、ちゃんとした学術…

レプティリアンとレプリコンはちょっと似ていると思った

特に興味もないレプリコンワクチンの話題がぞくぞくと流れてくるのは、なんというか、困ります。 要するに、押し付けは駄目ですよ、というだけのこと 陰謀論に対する私個人の考えとしては、 「個人で楽しむ範囲であれば思想信条は自由です」 「人に押し付け…

差別の解消に万能薬は存在しない

差別の本質は”違う”ことにある。 貴方と私は”違う”から差別が生まれる。 これは一般論として妥当であり、納得感のある言葉だと思います。 自分や自分の所属する集団と異なることを理由に攻撃や排除の形で現れるものを差別と定義するのであれば、違うことこそ…

絶対的平和主義は信念ではなく論理に頼るべきではなかろうか

あまりにも重いテーマだが、この時期には向き合わねばならないと思う。 平和主義の類型 平和主義(Pacifism)には主に2つの形態があります。 一つはありとあらゆる暴力を否定する絶対的平和主義(absolute pacifism)、もう一つは防衛の範囲に限定して暴力の行使…

話し合いとは努力が必要であり、本質的に難しく、大抵の場合で苦しいもの

物事において「話し合いが大切だ、話し合いをしよう」とする方向性は至極一般的かと思います。多くの人は暴力よりも話し合いによる物事の解決を望みますし、それは実際に良いことです。暴力に頼らない問題解決は文明社会にとって望ましい発展の方向性だと言…

否定を信条のコアとすることの問題点

私たちが暮らす民主主義の国では精神の自由が保障されており、他者の権利を侵害しない範囲において自由な内心を持つことができます。よって個々人がどのような信条・理念・思想を持っていようとそれは個人の自由です。 ただ、個人的には否定を信条のコアに据…

失敗を批難する人は、ただ足を引っ張っているだけ

たまには珍しく、少し直接的な苦言を。 失敗は必ず生じる上、目にもつきやすい 新しいモノやコトにトラブルは付きものです。特に複雑系の大きなシステムを変える時には失敗せずに順調に置き換わることのほうがレアケースだと言えます。 なぜならば私たちは預…

無知への謙虚さ

私たちは日々様々な情報に触れています。 しかしそれらは世界に存在している情報量からすれば極めて僅少なものに過ぎません。 よって私たちは知っている情報を基に物事を判断することよりも知らない情報があることを前提として思考をしたほうが適切な場合が…

何かを絶対悪にすることの副作用

当ブログで度々言及してきたものの、しつこくとも伝えたいこと。 悪の外部化 この世には善と悪があります。それはまごうことなき現実です。大抵の場合は白黒まだらに入り乱れたものですが、少なくとも白と黒、そしてそれらが混在したグレーが存在しています…

双方が悪の場合、共感では認知が誤る

最近は英語の勉強がてら、イスラエルとパレスチナの情報に関して英語圏の情報を集めています。あえてイスラエル寄りのイスラエル・ハヨム、パレスチナ寄りのアルジャジーラ、西側諸国の視点としてのロイターと3社の情報を見比べてです。 同じ戦争を報道して…

他者の人権や人格を侵害する権利はない

昨今社会問題化しつつあるカスタマーハラスメント。 カスタマーハラスメントとは顧客による著しい迷惑行為を指す言葉です。迷惑行為とは脅迫や暴言といった言葉によるものに限らず、不当な要求やクレーム、物理的な暴行として現れることもあります。 カスタ…