英銀行、給与カットなしの週4日勤務制に移行 「週5日制は20世紀の遺物」
ロンドン(CNN Business) 英アトム銀行は23日、全従業員を対象に、給与カットなしの週4日勤務制を採用したと発表した。週4日制を実現した英国企業の中では最大手になるとしている。
従業員430人の勤務時間は現在の週37.5時間から34時間に削減し、ほとんどが月曜か金曜に休みを取る見通し。変更は自発的に行い、1日当たりの勤務時間はわずかに増えるとしている。
制度の変更は、従業員の「心と体の健康」を支え、生産性を向上させる目的で今月1日から実施したと同社は説明。従業員の大半が新しい働き方に切り替えたという。
マーク・マレン最高経営責任者(CEO)は声明の中で、「週4日制によって、従業員が自分の情熱を追求し、家族と共に過ごし、より健康的なワークライフバランスを築く機会が増える」と指摘した。
マレン氏は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の間の経験を通じ、オフィスで働く必要性も含めて現代の職場に関する固定観念が打ち砕かれたと説明する。
アトムは2016年にモバイル銀行として開業し、アプリを通じて預金口座や融資、住宅ローンなどの業務を展開している。
マレンCEOはCNN Businessの取材に対し、これまでのところ生産性の低下や顧客サービスの水準低下は起きていないと説明した。ただ、従業員が慣れるまでには時間がかかると述べ、「20年間1つの方式を続けてきて、突如として新しい方式の中に投げ込まれれば、金曜の朝に目を覚まして『この時間全部を使って何をしよう』と考えるだろう」と話している。
マレンCEOは声明の中で、週5日勤務制は20世紀の遺物であり、「もはや目的に合わなくなった」として、アトムに追随する企業が増えることを願うと述べている。