日本政府、パレスチナ国家承認を見送りへ 首相は国際会議欠席見通し
日本政府は、パレスチナを国家として承認することを当面、見送る方向で最終調整に入った。国家承認がパレスチナ情勢に悪影響を与えかねないとの懸念や、米国との関係を考慮した判断とみられる。22日に米ニューヨークで開かれるパレスチナ問題をめぐる国際会議には、石破茂首相は出席しない見通しだ。
複数の政府関係者が明らかにした。イスラエルがパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続け、ガザの人道危機が深刻化する中、7月にフランスや英国などが国家承認する意向を相次いで表明。今月22日、国連本部で首脳級が参加する「ハイレベルウィーク」に合わせ、イスラエルとパレスチナが独立した主権国家として共存することを目指す「2国家解決」を議題にした国際会議が予定される中、日本政府も対応を検討してきた。ただ、政府内では、この時期に国家承認すればイスラエル側の態度を硬化させかねず、「2国家解決」に資するか疑問視する声が上がった。また、親イスラエル姿勢を取ってきたトランプ政権は、パレスチナの国家承認に反対。日本政府関係者によると、米側から国家承認に反対する意向が伝えられていたという。
パレスチナの国家承認を表明した国は、これまでに約150カ国にのぼる。
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イスラエル・パレスチナ問題
2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエル領内を奇襲攻撃。報復としてイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区への空爆や地上侵攻を始め、6万7000人以上の犠牲者が出ています。25年10月、トランプ米大統領の停戦案に双方が合意しました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]