まるで南国、東京湾がサンゴだらけに 温暖化で変わる生態系と漁業
東京湾でサンゴが増えている。主に紀伊半島や四国などに生息するサンゴだ。背景に地球温暖化の影響があり、専門家は「急激な変化は生物に悪影響をもたらす」と警鐘を鳴らす。
房総半島の東京湾入り口にある千葉県鋸南町勝山。取材で潜った9月9日の海水温は28.2度に上った。港から船で10分ほどのポイントに潜ると、一面のサンゴの群集が見えてくる。
紀伊半島・四国などでみられるエダミドリイシの群落で、100平方メートルほどの海底を覆っている。サンゴの上には、鮮やかな青色のソラスズメダイやオレンジ色のキンギョハナダイが泳ぎ、南国のような華やかさだ。
サンゴ礁をつくるサンゴの北限は房総半島最南端の館山とされている。だが、そのポイントはそこから北へ15キロに位置する。
勝山地区で「かっちゃまダイビングサービス」を営む魚地司郎(うおちじろう)さん(68)は、サンゴが周辺に現れ始めたのは約30年前という。当初はポツポツとある程度だったが、5、6年前から、急に生息範囲が広がってきたという。
サンゴの進出の背景には、海…
- 【視点】
今、沖縄の海は海水温の上昇により、大規模なサンゴの「白化」が進んでいる。沖縄に住む人間としては美しいサンゴが打撃を受けることや生態系へのダメージなどが心配だし、それによって漁業にも影響が出るのではないかという心配もある。 しかし、日本近海の
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