「ここも炎が近くダメです!」叫ぶ乗務員 乗客語る「奇跡の18分」

有料記事日航機・海保機事故

山口啓太 後藤遼太 島崎周 宮崎健 高橋豪 平林大輔
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 羽田空港日本航空(JAL)の旅客機と海上保安庁の航空機が衝突した事故から1週間。機内では何が起きていたのか。乗客の証言から、事故発生から脱出の完了までの18分間が明らかになってきた。

 2日午後4時15分、JAL516便は北海道・新千歳空港から東京・羽田空港へ向けて出発した。

 乗客367人、パイロット3人、客室乗務員9人が乗り込んでいた。

着陸直後に「ドン、ドン、ドン」

 年末年始を帰省して過ごした家族やスキー客、これから海外へ向かう人たち。機内は満席だ。

 前方右の通路側に座っていた川崎市の金子洋之さん(67)は、年末を札幌市にある実家で過ごした。

 「家に帰ったら、片付けを済ませよう」。そんなことを考えていた。

 午後5時47分。着陸の様子をモニターのライブ映像で眺めていた。

 ガタンと着陸した直後に、「…

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この記事を書いた人
平林大輔
西部報道センター次長
専門・関心分野
地域経済、地方自治、人口減少、交通、インフラ、エネルギー、住宅政策
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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2024年1月10日19時58分 投稿
    【視点】

    「東日本大震災の時、日本人が静かに物資の配給などの列に並んでいる様子を私たち欧州人は『すごいね』って尊敬の目でみていた」 スペインに長く住む日本人の友達から聞いた話です。実はそれまで彼女の周囲の人たちの日本人に対する印象は「ハラキリ(切腹

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    吉岡桂子
    (朝日新聞記者=中国など国際関係)
    2024年1月9日22時2分 投稿
    【視点】

    「乗務員も乗客も正しく対応した。日本人は規律正しく行動することで知られている」。事故直後、私が滞在していたウィーンのホテルで目にした現地紙の報道です。「多くの乗員が荷物に手を伸ばせば多くの死者を出す大惨事になっていたおそれがある」。オースト

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