NHK取材メモがネットに流出か 幹部ら「本物では」「重大事案だ」
NHKの報道に携わる職員が作成した取材の企画案や関連の取材メモなどが記された文書が外部に流出した可能性があることが、複数のNHK関係者への取材でわかった。X(旧ツイッター)では、流出したとみられる文書が拡散されており、複数のNHK関係者が朝日新聞の取材に「本物とみられる」と証言。取材で得た情報を報道目的以外で流出させた可能性があるとして調査をしている。
X上で拡散されている文書は、ネットの誹謗(ひぼう)中傷の問題を取り上げる取材の企画概要が記載されたものと、関係者インタビューを文字起こししたものがあり、いずれも「文書種別」の項目に「連絡メール」と記載されていた。また企画概要には「放送希望」「12月1日 『首都圏ネットワーク』で5分程度」とも書かれていた。
NHK関係者は「(文書の)仕様はNHKのもの」とした上で、こうした文書は、局内のネットワーク上に保管され、不特定多数の局員が閲覧できる状態にあるという。
インタビューは、都内の虐待や性暴力被害を受けた女性を支援する団体に、ネット上でかつて中傷を繰り返した「匿名男性」に対して行ったとされるもので、19ページにわたってその一問一答などが記されていた。
また、このインタビューで男性が中傷するきっかけになったと言及し、この団体を批判している人物が、11月28日にX上で、「(男性に)インタビューしたこちらの記事が放送されるかもしれない」と投稿し、文書を入手できるリンク先を掲載していた。
NHKは朝日新聞の取材に「取材・制作の過程についてはお答えしておりませんが、ご指摘の内容は把握しており、現在、事実関係を確認中」とコメント。あるNHK幹部は「情報が流出してしまった重大事案だとみて、流出の経路などを調べている」と話す。