若い世代が自民離れ? かつては自民支持層、「安倍さんは良かった」
添田樹紀 伊藤隆太郎 伊藤未来
10月にあった衆院長崎4区補欠選挙で、自民党は野党候補に接戦に持ち込まれた。有権者への取材から、安倍政権では強く自民を支持していた若い世代が、岸田政権で離れつつある可能性が浮き彫りになっている。
京都府立大の秦正樹准教授が全国の有権者に実施したオンライン調査では、若者の「自民党離れ」がじわりと起きているそうです。記事の後半で、それはなぜなのか解説してもらいました。
「給料がびっくりするほど少ない」
不動産会社の事務職の女性(29)は最近、収入に関する不満が自分や会社だけのせいではなく、政治の責任もあるのではないかと思い始めた。
5回目の国政選挙となる今回、初めて自民以外に投票した。
政治は、安倍政権の時から自民党がするのが当たり前と思ってきた。
県外の大学に進学したが、就職活動で苦労した。「(選考の不合格を告げる)『お祈りメール』をたくさんもらって」。くじけそうになりながら、なんとか就いた金融系の営業職の仕事も合わなかった。
「それを政治のせいだという人も周囲にいたけど、自分はそうは思えなかった」。うまくいかないのは、自分がふがいないからだと思ってきた。
そんな心持ちが、昨年の転職…