「人道的休戦」を決議した国連総会 にじむイスラエルと米国の孤立
国連総会(193カ国)が27日、イスラエルとハマスの軍事衝突をめぐり「敵対行為の停止につながる人道的休戦」を求める決議案を採択したことは、国際世論の潮目の変化を浮き彫りにした。激しい空爆などで人道危機を引き起こしているイスラエルや、イスラエルを支える米国が、数の上では世界で孤立している傾向が示された。
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来年に大統領選を控えるなか、混迷をきわめる世界と向き合わなければならない米国。外交を動かす底流となってきたのが、冷戦終結後に手にした覇権が揺らいでいるという「焦り」の感覚です。その実像を描きます。
米東部27日夜時点の国連発表によると、決議案にはイスラエルや米国など14カ国が反対する一方、120カ国が賛成した。ハマスを明確に非難する文言を入れるよう求める修正案を出したカナダや、カナダに賛同した日英独伊を含め、棄権した国も40カ国超に上る。
今回の危機では、本来責任を負うべき国連安全保障理事会が、拒否権を持つ米ロなどの対立で機能していない。総会の採決結果は一枚岩とは言えないが、「休戦」が国際社会の一定の意思として示されたことになる。
採決結果に対し、パレスチナのマンスール国連大使は「我々は勝利した」と歓迎の意を示し、「総会は(イスラエルに対し)パレスチナ人への殺戮(さつりく)をやめ、『もうたくさんだ』というメッセージを送った」と述べた。
反対する米国 フランスさえ同調せず
採択には、賛成と反対を足し…
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- 【解説】
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