「人間性はどこへ」 英スコットランド首相義母、ガザから出られず

イスラエル・パレスチナ問題

藤原学思
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 英スコットランド自治政府のハムザ・ユーサフ主席大臣(首相に相当、38歳)は13日、パレスチナ自治区ガザ地区から出られなくなっているという義母の動画をX(旧ツイッター)で公開した。義母は「人道性はどこにあるのか」と訴えている。

 ユーサフ氏によると、スコットランド出身の義母エリザベス・エルナクラさんは先週から、病気の親族のお見舞いで、ガザ地区南部を訪れていた。イスラエル軍は13日、同北部の約110万人に、24時間以内に同南部へと避難するよう通告。40秒の動画はその後で撮影されたとみられる。

 エリザベスさんは動画で「これが最後のビデオになるでしょう」と切り出し、人びとが食料も水もなく、爆撃が続くなかで逃げざるをえないことを指摘した。

 さらに、病院にいるすべての市民が避難することは不可能だとして、「今日この時代に、こんなことを起こしてしまうなんて、人としての心は一体どこにあるのでしょうか」と涙ながらに訴えた。

 ユーサフ氏は動画とともに「彼女は(イスラム組織)ハマスとは何の関係もない」と投稿した。また、英BBCに対して「無力感と苦悩」を吐露し、イスラエルについて「行きすぎている」と非難。無実の一般人を巻き込むべきではないとして、国際社会が物資の供給や人道回廊の設置で団結する必要性を訴えた。

 スコットランドは、イングランド、ウェールズ、北アイルランドとともに英国を構成し、ユーサフ氏はスコットランドの行政府のトップを務めている。

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この記事を書いた人
藤原学思
ロンドン支局長
専門・関心分野
ウクライナ情勢、英国政治、偽情報、陰謀論
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