「飛鳥・藤原」見直し意見目立つ 橿原市全職員アンケート
清水謙司
奈良県橿原市の全職員を対象にしたアンケートで、「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」の世界遺産登録推進事業の見直しを指摘する意見が目立ったことがわかった。20日の市議会一般質問で明らかになった。廃止を求める声も含まれていたといい、亀田忠彦市長は、「私の説明がまだ足りていない」などと答えた。
アンケートは市のチームが昨年7月から職員約900人に行った。市は2021年3月に財政危機宣言を出して、財政再建に取り組んでいた。見直してほしい事業や業務について尋ねたら、約490件の回答が寄せられた。その中で、世界遺産登録推進事業は、見直してほしい事業の上から2番目に挙がった。
関係者によると、「廃止」や「変更」などを挙げる意見の中には、登録されても費やしてきた費用以上の観光収入が見込めるわけではない▽登録実現で知名度や来訪者が増えても、一過性に終わる▽福祉など必要不可欠なものに予算を割いた方がいい――などの声があったという。
市には「飛鳥・藤原」の構成資産として、藤原宮跡や本薬師寺跡などがあり、県などと2026年の世界遺産登録に向けて取り組んでいる。亀田市長はアンケート結果についての松尾高英市議の質問に対して、「飛鳥・藤原」の価値をあらためて市職員や市民に周知する考えを強調した。
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