メディアの甘い追及と日本型幕引き 「ジャニーズ問題で繰り返すな」
「誤解を与えた」「重く受け止める」。政治家や経営者の釈明会見で繰り返される、あいまいな謝罪。まかり通るのは、責任追及という当たり前のことをメディアが怠っているからだ――。そう指摘するのが、英紙インディペンデントなどの東京特派員を務めたジャーナリスト、デイビッド・マクニールさんだ。日本型謝罪とジャーナリズムの抱える課題とは。
役人が「同僚」になっていないか
日本に移住して20年以上が経ちますが、この国では「謝罪」に特別な意味があるように思えます。神妙な態度で謝れば、あるいは反省の意思を示すために職を辞せば、責任を取ったことになる。西洋では「責任」(responsibility)は文字どおり応答義務ですが、日本ではかなり意味合いが違う。むしろ謝罪は、責任の追及を避けるためのパフォーマンスという要素が強い。
ただ、私としては、この問題を文化論に還元したくありません。政治家や企業トップが、あいまいな釈明の言葉で済ませてしまえる背景には、やはり日本メディアが抱える問題があります。
首相官邸の会見にも出席して…
- 【視点】
「私の意識では、記者は仲間ですが、大手メディアにとっては役人のほうが守るべき『同僚』で、外国プレスやフリー、雑誌記者などは部外者なのだと感じました」……僕も、新聞記者から雑誌記者になった25年前からずーっと感じていますよ。特に、記者クラブで
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ジャニー喜多川氏の性加害問題
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