のび太と恐竜が架け橋 化石「ノビタイ」命名学者、福井の恐竜博に
新種の恐竜の化石にドラえもんの「のび太」にちなんだ「ノビタイ」という名前を付けた中国の学者が、恐竜好きの子供ら約30人を率いて来日した。目的地の一つは「恐竜王国」福井の県立恐竜博物館(勝山市)。23日に訪問し、最前線の研究や発掘の歴史を学んだ。
訪問団を率いるのは、中国地質大学准教授の邢立達(シンリーター)さん(40)。3年前に四川省で肉食恐竜の足跡化石(3本指で長さ30センチほど)を見つけ、ノビタイと命名して話題になった。幼い頃から日本のアニメや映画が好きで、「勉強がうまくいかない時は漫画をめくり、のび太に慰められた経験」から命名を決めたという。
今回は公益財団法人・日中友好会館(東京)の交流事業で来日。応募者約3500人から選ばれた中国の小中高生や大学生とともに、20日から6泊7日の日程で滞在している。
21日に東京で日本の中高生らと交流した訪問団は、23日午後に福井県立恐竜博物館に到着。同館は海外客員研究員12人のうち7人が中国出身で関係が深い。訪問団を迎え入れた谷川由美子館長は、「恐竜がいたころ、中国と日本は地続きだった。コロナ禍で止まった中国との共同発掘を再開させたい」とあいさつした。
その後、訪問団は7月にリニューアルオープンしたばかりの館内施設を見学。福井で見つかった新種の恐竜が動き回る巨大スクリーンや、化石を削り出す体験ラボなどを見て回った。50体の全身骨格標本が並ぶ展示ホールを観察した広東省の中学2年生、梁軒睿さん(14)は「中国の化石がたくさん展示されていて驚いた。自分もいつか国際的な発掘作業に関わりたい」と声を弾ませた。
見学後、邢さんは「展示品の見せ方や丁寧な説明が印象的。世界一の博物館だと感じた」と評価した。この経験を「中国で子供向けの博物館を造る計画に生かしたい」とし、最後にこう付け加えた。「恐竜を通じて、子供たちは日本の若者や文化と触れ合う機会を持てた。恐竜は世界をつなぐ架け橋になる」
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