イスラエルで35万人デモ「未来が怖い」 迫る司法改革、軍人も批判
イスラエルのネタニヤフ政権が進める司法改革が「史上最大の抗議運動」と評される猛反発を呼んでいる。市民のデモが半年以上続いていることに加え、軍の予備役らが兵役を拒む事態に発展し、軍内部に賛同者が広がっている。政権の強硬姿勢は、米バイデン政権との関係にも影を落としている。
国会で議論されているのは、司法改革案の一つで最高裁が「合理性」を基準に政府の決定や人事を取り消す権限を奪う法案だ。政権は24日の可決をめざす。ただ抗議運動の広がりを受け、妥協を検討しているとの報道もある。
「自分の未来が怖い。だから来た」
23日夜、エルサレムにある国会周辺での抗議デモで、大学生オフェック・ヘギさん(21)は話した。ヘギさんは南部ネゲブ在住。デモに加わるのは初めてだ。
国の根幹が揺らいでしまう――。司法改革の話を聞くほど、そういう思いに駆られた。「この国はいろいろなタイプの人が住んでいる。そして『敵』も多い。だから、さまざまな意見の間でバランスをとることが欠かせない。今の政権にはそういう感覚がない」
昨年末に発足したネタニヤフ政権は今年1月、「選挙で選ばれていない裁判官の権限が強すぎる」として司法改革案を発表。裁判官の人事への国会の関与を強め、最高裁判決を国会の過半数で覆せるようにすることなどが盛り込まれた。
発表直後から抗議運動が広が…
- 【視点】
パレスチナ問題やIT以外では注目されにくいイスラエルだが、現代における民主主義の危機を考えるうえでは、知るべきことの多い国である。 比例代表制の一院制のため、支持層の人口比で国会議席が決まりやすい。宗教保守派は多産のためもあって、人口
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