食物アレルギーがある児童生徒が全国の公立小中高校に約52万7千人いることが、昨年度、9年ぶりに実施された大規模調査で判明した。2013年の前回調査より約12万人増えた。激しいアレルギー症状「アナフィラキシー」を起こしたことがある児童生徒の数も増加した。教育現場では食物アレルギー対策が進むが、道半ばだ。
調査は公益財団法人・日本学校保健会(会長=松本吉郎・日本医師会長)が昨年、全国の公立の小中高校と特別支援学校、義務教育学校、中等教育学校を対象に実施。77・6%にあたる2万5466校(児童生徒約830万人)から回答を得て、今年3月に結果をまとめた。同会は04年と13年、文部科学省の委託事業として同様の調査を実施。22年は国の補助金を受けて同会の事業として実施した。
食物アレルギーがある児童生徒は、04年調査では32万9423人(回答校の児童生徒の2・6%)、13年は40万7546人(同4・5%)、今回は52万6705人(同6・3%)。花粉症になると果物類のアレルギーを発症しやすいと指摘されており、花粉症の子どもの増加が食物アレルギーの子どもの増加につながっている可能性を指摘する専門家もいる。
食物アレルギーはじんましんやせき、嘔吐(おうと)などの症状を引き起こす。複数の症状が急激に出る全身性のアナフィラキシーが起きることもある。
今回の調査ではアナフィラキシーを起こしたことがある児童生徒の数も集計。04年の1万8323人(同0・14%)、13年の4万3621人(同0・48%)からさらに増え、5万1881人(同0・62%)だった。アナフィラキシーなどを想定した緊急対応の模擬訓練をした学校は26・8%だった。
増加の原因、専門家の分析は
アナフィラキシーが起きた際…
- 【視点】
子どもを学校に通わせていると、アレルギーの有無について、年度初めや宿泊行事前など、書類への詳しい記入が求められる。ただ、この記事にもあるように、クルミなどもあり、家庭であまり食べさせていない食材だと、保護者の方も気づかない。 普段
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