LGBT法案が衆院通過 自民内からは「腹痛」で採決時に退席者も

松山紫乃
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 性的少数者に対する理解を広めるための「LGBT理解増進法案」は13日の衆院本会議で、自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党などの賛成多数で可決し、衆院を通過した。立憲民主、共産、れいわ新選組、社民各党が反対した。16日にも参院本会議で成立する見通しだ。

 この日衆院で可決したのは、性自認を「ジェンダーアイデンティティー」と表現する与党の修正案。与党案のほか、立憲・共産などの案、維新・国民民主案の計3案が提出され、「性自認」の表現が最大の論点となっていた。

 自民は幅広い政党の賛同を得るため、法案の審議入り直前に維新と修正に向けた協議を開始。「性同一性」とした与党案を元に、いずれにも訳せる言葉で、折衷的な位置付けとなる維新・国民民主案の「ジェンダーアイデンティティー」を取り込んだ。また、同案に沿って、「全ての国民が安心して生活できるよう留意する」と定める条文も新設した。

 ただ、伝統的家族観を重視する自民の「保守系」議員の法案に対する不満は根強く、13日の本会議での採決を退席、欠席する議員も見られた。腹痛を理由に退席した高鳥修一氏は、「法案とは別に、公衆浴場やトイレなどで女性や子供たちを守るための法整備が必要だ」とコメントした。

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この記事を書いた人
松山紫乃
国際報道部
専門・関心分野
国際政治、国内政治、ジェンダー、若者
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    三輪さち子
    (朝日新聞政治部記者)
    2023年6月14日11時38分 投稿
    【視点】

    お腹が痛いことを理由に本会議場から退席した自民党議員。政治家の信念として賛成できないなら本来は法案に反対すべきだし、採決を欠席したとしてもその理由を正面から説明すべきではないでしょうか。 今回のLGBT法案もそうですが、自民党は法案につい

    …続きを読む